夏休みになって10日余り。
子どもの多くは、県外に短期避難するので、さぞや外来は暇になるだろう、
と、タカをくくっていたけれど、あんまりヒマじゃない。
医療機関がヒマじゃないのは、ほんとはあんまりいいことじゃないんだけど。
だって、具合の悪い方がそれだけいらっしゃる、ということなんだから・・・。
もっとも、おいでになるお子さんは、予防接種や健診も多い。
これまでの定期接種に加えて、肺炎球菌ワクチン・ヒブワクチン・子宮癌のワクチン、
などが増えたので、それらの接種スケジュールの説明に、時間がかかる。
当院では、看護師がスケジュールの説明をかなりきっちりしてくれるので、
わたしは助かっているけど。
でも、相変わらず、ヘルパンギーナとか、手足口病とか、プール熱とか、
夏かぜウイルスのお子さんも多い。
ヘルパンギーナは、のどに口内炎のような水疱がたくさんできて、
小さいお子さんは痛くて(食べたくても)食べられなくて、
高熱の上、脱水や低血糖になってしまうこともある。この暑さだしね・・・。
点滴して、ちょっと元気になって帰ったおこさんが再診の時には、
診察室に入るなり、わたしの顔見て、思いっきり泣かれてしまったり。
そうだよなぁ、赤ちゃんだって、嫌なことされたのは、しっかり覚えてるよなぁ。
しかも、一週間前に予防接種なんかしてた日には、
「あ、このヒト、なんか、やなことしたヒト!」
って、みるみる表情が変わるんだもん。
でもね。
そういう赤ちゃんたちでも、
長いお付き合いのうちには、ある日突然、泣かなくなるから、不思議。
この夏休みの間に、転校や転園するお子さんもいる。
気管支喘息やアトピー性皮膚炎で通院してたお子さんには、
紹介状をお渡しすることもある。
カルテの数年前の記事をひっくり返しながら、紹介状を書く。
書きながら、そのお子さんが小さかった頃のことを思い出す。
あるお嬢ちゃんは、アトピーがひどくて、毎晩からだを掻きむしって、
いつも顔や手足が傷だらけだった。
少し良くなってきた頃に弟が産まれて、小さいながらも、甘えたいのを我慢して、
でも泣き虫さんで、すぐに目の周りが涙でかぶれて、それをまた掻くから、
いっつも、目の周りがカサカサしてたっけ。
転校することが決まった時、やっぱり泣いたんだそうだ。
我慢強い子だから、それがからだに出ないといいな。
そんなことを考えながら、紹介状を書いた。
センセイもね、小学校は2回も転校したんだよ。
でも、その分、お友達もたくさんできたよ。
だから、あなたもナンにも心配ないよ。
いろんなところにお友達ができるんだから、よかったね。
そう話したら、その子は恥ずかしそうに笑った。
うん。きっと、この子は、大丈夫だ。
いま、どうしてるかな。
子ども達だけで、キャンプに行ってる子。
お母さんと一緒に短期滞在してる子。
みんな、元気かな。
今年の夏休み。
わたしは、絶対に、忘れない。
お母さんの気持ち、お父さんの気持ち、子どもたちの気持ち、
避難した人も、ここで過ごした人も、
みんなが、それぞれに、どんな思いで過ごそうとしたか、
どんなふうに過ごしたか、
絶対に、忘れない。
福島県の子ども達をお世話して下さってる自治体の方々、ボランティアの方々、
ほんとうに、ありがとうございます。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
子どもの多くは、県外に短期避難するので、さぞや外来は暇になるだろう、
と、タカをくくっていたけれど、あんまりヒマじゃない。
医療機関がヒマじゃないのは、ほんとはあんまりいいことじゃないんだけど。
だって、具合の悪い方がそれだけいらっしゃる、ということなんだから・・・。
もっとも、おいでになるお子さんは、予防接種や健診も多い。
これまでの定期接種に加えて、肺炎球菌ワクチン・ヒブワクチン・子宮癌のワクチン、
などが増えたので、それらの接種スケジュールの説明に、時間がかかる。
当院では、看護師がスケジュールの説明をかなりきっちりしてくれるので、
わたしは助かっているけど。
でも、相変わらず、ヘルパンギーナとか、手足口病とか、プール熱とか、
夏かぜウイルスのお子さんも多い。
ヘルパンギーナは、のどに口内炎のような水疱がたくさんできて、
小さいお子さんは痛くて(食べたくても)食べられなくて、
高熱の上、脱水や低血糖になってしまうこともある。この暑さだしね・・・。
点滴して、ちょっと元気になって帰ったおこさんが再診の時には、
診察室に入るなり、わたしの顔見て、思いっきり泣かれてしまったり。
そうだよなぁ、赤ちゃんだって、嫌なことされたのは、しっかり覚えてるよなぁ。
しかも、一週間前に予防接種なんかしてた日には、
「あ、このヒト、なんか、やなことしたヒト!」
って、みるみる表情が変わるんだもん。
でもね。
そういう赤ちゃんたちでも、
長いお付き合いのうちには、ある日突然、泣かなくなるから、不思議。
この夏休みの間に、転校や転園するお子さんもいる。
気管支喘息やアトピー性皮膚炎で通院してたお子さんには、
紹介状をお渡しすることもある。
カルテの数年前の記事をひっくり返しながら、紹介状を書く。
書きながら、そのお子さんが小さかった頃のことを思い出す。
あるお嬢ちゃんは、アトピーがひどくて、毎晩からだを掻きむしって、
いつも顔や手足が傷だらけだった。
少し良くなってきた頃に弟が産まれて、小さいながらも、甘えたいのを我慢して、
でも泣き虫さんで、すぐに目の周りが涙でかぶれて、それをまた掻くから、
いっつも、目の周りがカサカサしてたっけ。
転校することが決まった時、やっぱり泣いたんだそうだ。
我慢強い子だから、それがからだに出ないといいな。
そんなことを考えながら、紹介状を書いた。
センセイもね、小学校は2回も転校したんだよ。
でも、その分、お友達もたくさんできたよ。
だから、あなたもナンにも心配ないよ。
いろんなところにお友達ができるんだから、よかったね。
そう話したら、その子は恥ずかしそうに笑った。
うん。きっと、この子は、大丈夫だ。
いま、どうしてるかな。
子ども達だけで、キャンプに行ってる子。
お母さんと一緒に短期滞在してる子。
みんな、元気かな。
今年の夏休み。
わたしは、絶対に、忘れない。
お母さんの気持ち、お父さんの気持ち、子どもたちの気持ち、
避難した人も、ここで過ごした人も、
みんなが、それぞれに、どんな思いで過ごそうとしたか、
どんなふうに過ごしたか、
絶対に、忘れない。
福島県の子ども達をお世話して下さってる自治体の方々、ボランティアの方々、
ほんとうに、ありがとうございます。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
そうしたら当日の朝、子どもがまさかの高熱!この夏休みはあちこち連れまわしすぎたかな・・・と反省の気持ち半分。せっかく当たったのに!無料なのに!という意地汚い気持ち半分・・・。抽選で外れた人もいたかもしれないのに、うちらの分が無駄になっちゃって悪かったな~とか。
一晩看病したら、おかげさまで元気になりました(先生に会えるチャンスを逃してしまった!残念!)。
下の子は地震の直後、夜中に嘔吐・高熱、5月くらいに微熱とだるさを訴えてお休み1回、そして今回。これまで元気な子だったので、事故以降は不調を訴えられると、ちょっとドキッとします。
今回は私も(宿泊先がホテルなので、家族単位の部屋かなと思って)楽しもうと、お茶にお菓子に本に音楽にパックにアロマに・・・と荷造りしていたのですが、がっくりきて魂が抜けてしまいました。
置いていくはずだった家族には「今、私いないから。ここにいるのは抜け殻だから」と宣言して、子どもの看病以外家事をしないことに決めました。予定では火曜の夕方、正気に戻るでしょう。
なんか~気持ちが~疲れちゃいました~。
よそのお家やホテルに泊まり続けるのはしんどいですね。親戚の家や親切なホテルでも、自分の家に勝る場所はないと思いました。後半はごはんがのどを通らなくなりました。
私なんかは勝手にしていることなんだ、でも避難している方々は・・・と、ふとした時に思いがよぎりました。どうせなら楽しもうと思っても、ふっと気にかかる。
私もこの夏のことは忘れないと思います。
「あの時は大変だったよね」と、過去形でみんなが振り返れる日が来るように。