( ↑写真、これはタイ北部チェンマイのさらに上、最北部のチェンライにある喫茶店です。山の崖っ
ぷちに建てられています。眺めは最高ですがスリルも満点のリゾートカフェです・・・・・《 2022年、
11月、撮影 》 )
( ↑写真、店内はこの様なカウンターが外向きに設置されていますので、お客さんは景観を楽しみ
ながらコーヒーを飲むことが出来ます・・・・・《 2022年、11月、撮影 》 )
( ↑写真、カウンターの下は、何もない崖下になります。地面まで10m位あります。足元がとても
涼しいのです・・・・・《 2022年、11月、撮影 》 )
( ↑写真、チェンライの街を遠望できます‥‥カウンターからの眺めは最高ですが‥‥ただ、雨が
降ったら最悪だと思います・・・・・《 2022年、11月、撮影 》 )
( ↑写真、左側に映っているのが、先生のお墓がある東京中野区の某寺院です。小さなお寺の後ろの
方に墓苑があるのです・・・・《 2023年、5月、撮影 》 )
( ↑写真、お墓探索中の元スタッフ面々、最初はバラバラになって、次は隅から順々に・・・・・《 2023年、
5月、撮影 》 )
( ↑写真、合掌してお参りする元スタッフ一同。しんみりと「先生、その節は‥‥」とか「先生、ご無
沙汰してました‥‥」とか、元スタッフ一同拝礼・・・・・《 2023年、5月、撮影 》 )
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
その22
2023年、5月に東京へ久しぶりに帰って、ジョージ秋山先生のお墓参りをしたのですが・・・・・・
そのお話は後ほど‥‥‥‥
今、話題になっている生成AI について‥‥
ほんの少し‥‥‥‥
先日、Microsoftの「 Bing 」というAIに以下の様な質問をしてみました。
( 以下の文章は、全てPCからコピーしたものではなく、あくまで私の拙い記憶を元にしてい
ます事をご了承ください )
「 漫画家アシスタントの物語りを作ってください。有名な漫画家のアシスタントにな
った貧乏で女にモテない23歳の男。その男が3年後に成功するという物語です。 」
AIが1分ほどで作った「 物語 」は・・・・
『 「 ドラゴンボール〇 」というヒット作を描く売れっ子漫画家田中。そこへ弟子入
りした鈴木。いつか自分も漫画家に成るんだと夢見ていた。2年後、漫画家先生の
連載が打ち切りになり、代わりにたまたま、弟子の鈴木が描いた「 バトルロワイ
アル 」という漫画が大人気になり、彼が売れっ子漫画家に成りました。 』
恐ろしくつまらない、作品名は完全なパクリですね。
これじゃ、過去の作品群や言語データの寄せ集めにすぎないので、私はただちに以下の様に
返答しました。
「 君には才能がありません。作家には向いていませんね。もう結構です。 」
すると、「 Bing 」は驚くべき回答を送ってきました!
『 私には才能があります。今回は漫画家アシスタントの話ですが、SF作品やファン
タジー作品、そして、恋愛ロマンス作品だって探偵物だって、書くことが出来る
のです。謝罪してください! 』
・・・・ってな返答に呆れかえり・・・・・・・こりゃ、真面目に相手してるのがバカバカしいので・・・
・・・・以下の様に返信。
「 なるほどね。失礼いたしました。確かに君の才能はともかく・・・・その根性は認
めます。では、さようなら 」
『 これからも何でも聞いてください。さようなら 』
・・・・AIってのは、モノを創るのではなく、ホントに膨大なデータから寄せ集めるだけなんで
すね・・・・・・・・ちょっと安心しました。でも、もう質問する事はないです。
ただし・・・・
ちょっと、怖かったのが・・・・・・・・物語の展開で漫画家が連載打ち切りになるシーンです。こ
れは、私の想像を超える展開で・・・・「 先生 」の連載が突然「 打ち切り 」という展開は想像
していませんでした。
AIは、誤記訂正や進路、さらに論拠やデータ( 統計や数字 )を探させるのにはすごく向いて
いますね・・・・・・・・人間の間違いや、不完全な発想を補うには最適だなって思いました。( 怖
いほどです )
では、ここから・・・・
今年、5月に行ったジョージ先生のお墓参りについて・・・・
漫画家ジョージ秋山は2020年の5月に亡くなりました。
それから丁度3年目になります‥‥‥‥
その日は、数年ぶりに元秋山プロのスタッフが4人顔をそろえました。
秋山プロ最初の内弟子である仲田氏( 仮名:71歳、69年に17歳で弟子入り )は、今でも現
役のフリーアニメーター。私に風俗やキャバレー遊びを教えてくれた先輩の羽賀氏( 仮名:
72歳 )、サラ金問題では随分苦労したキタ氏( 仮名:71歳 )。そして、この私の4人。
( 皆さん、「 漫画家アシスタント物語 」のレギュラー陣 )
他にも岡山県やら、広島県に住んでいる元スタッフがいるのですが、遠くからわざわざ来て
もらうわけにもいかず、とりあえず、この4人で師匠のお墓参りをする事になりました。
東京、中野区にある小さなお寺で、閑静な住宅街にあります。この場所は、誰も知りません
でしたので、私がご遺族の方からお聞きして皆でやって来たわけです。
バス通りの向かいには大きな回転すし屋があり、いくつかの寺院が並んだ一角にそのお寺は
ありました。
「 このお寺ですね‥‥間違いないと思います、ここですよ。 」
私は、お寺の門を指さして中へ入ろうするのですが‥‥そこには、ガードマンがいて外を警
戒しています‥‥‥
どうも、お寺の境内に保育園か幼稚園があるようで、常時、警備されているようでした。そ
こで、私たちは警備員に挨拶しながら本堂へ向かいました。横にある建物からは幼児たちの
さわぐ声が聞こえます。
本堂の裏手が墓苑になっているのですが、先生の墓がどこか分からないので、お寺の住職さ
んにでも聞こうかと本堂の玄関を入ると‥‥‥そこに誰もいない。
しばらく待っても、声をかけても‥‥‥‥人のいる気配がない。( 玄関のカギは開けっ放し
だが )
仕方がないので、自分たちで墓苑をウロウロと探し始めるのですが‥‥‥どういった区画で
配置されているのか、まったく要領を得ないので広い墓苑を隅から探し始めました。
「 こりゃ広すぎるし、大変ですよ‥‥! 」( すぐ諦めるyes )
私と羽賀氏は、本堂へもどって住職が帰るのを待ちました。( 多分すぐ帰るだろうと )
どれぐらい二人で雑談したか分かりませんが、しばらくすると外で声がする‥‥
「 お~い、みつけたよ~、先生のお墓を見つけたよ~ 」
「 おぉ‥‥! 」
「 根性あるなぁ、あの二人 」
仲田氏とキタ氏に連れられて行くと‥‥‥あった、あった。
確かに、それは「 秋山家 」のお墓でした。( よく見つけたものです )
さっそく、駅前の生花店で買った花を生けたり、お線香をあげようとするのですが‥‥‥
墓石が変わっている、普通の墓石ではない‥‥‥‥どうも、生けたり、供えたりする容器が
ないし‥‥‥だいたい、この墓石は自然葬というもので、数人の共同墓地になっている。
( 先生の墓石の文字『 秋山家 』だけがやけに大きい )
まったく飾り気もない、とても小さな丸い墓石( それぞれに家名が刻まれている )が芝草上
に並んでいる‥‥‥お墓の長屋みたいな感じなのである‥‥‥‥
先生らしいといえば先生らしいが‥‥‥思っていたイメージ( 大きな御影石の墓 )とはずい
ぶん違う。
「 派手な事や、虚飾的なことが嫌いだったからなァ‥‥ 」
「 先生らしいなァ 」
「 ホントに小さいし、目立たない‥‥誰でも、この墓を見たら驚くだろうな 」
さっそく、両手を合わせる元スタッフ一同。
持ってきた花束を墓前に供え、それぞれ、先生と久しぶりの挨拶を交わします。
「 その節は、お世話になりました 」
「 先生、本当にありがとうございました 」
「 お参りが遅くなってすいませんでした‥‥ 」
「 先生のお陰で今までやってこれました‥‥‥‥ 」
それぞれが、それぞれの思いを先生に告げる‥‥‥‥
来る時とは違って、帰り道は皆、口数少なく寺を後にしました。
駅までつづく細い道が住宅の間を抜けていく、懐かしい昔話などしながら4人で歩いて行きま
した‥‥‥
その夜、私は先生のご遺族の方へ墓参りの報告のためにメールを送ります‥‥
「 本日の午後、先生のお墓参りに行かせていただきました。 」
ただ、私は少し疑問に思っていた事を質問しました‥‥
献花する台や線香を立てる場所のない事など、4人で墓地を歩く姿と、小さな墓石の写真と
共にメールしたわけです‥‥‥
数分後に届いた返信メールには‥‥
「 あ‥‥違います‥‥ 」
私に送られてきた写真は、黒い大きな御影石の立派なお墓でした‥‥‥‥全然違う!
私は、笑いながら写真を確認し、3人の先輩スタッフたちへメールで知らせます。
私が東京にいられるのは3、4日だけでしたので時間がありません。すぐに正確なお墓の位置
を地図に記してもらい、翌日一人でもう一度お墓参りへ‥‥( 先輩方は後日、墓参されまし
た )
その日は、土砂降りの雨の中。ほんの少しだけ場所が違う(お寺の脇道へ入った奥)墓苑へ‥
‥‥
実際に、先生のお墓の前に立つと‥‥‥‥
やたらと寂しい。
ザーザーと雨が降る中で、ただ寂しい‥‥
先生の事を、先生の顔を思い浮かべようとしても‥‥出てこない。
なぜか、先生の顔ではなく、誰もいない先生の仕事部屋ばかりが想い浮かぶ ‥‥
先生のイメージが全然湧かない‥‥やはり、墓の下だの、空の上だのではなく、それぞれの
人の心の中にいるのだと思う。
ある瞬間に、小さな声で語りかけて来る‥‥‥‥みたいな。
だから、私もそっと小さな声で‥‥
「 せん‥‥せ‥‥‥‥ 」
「 漫画家アシスタント移住物語 こりゃタイ編 その23 」 へつづく・・・・
( 月一連載を目指していますが、無理だと思います )
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