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総論 抗菌薬の用量

2016-09-04 | 勉強会
抗菌薬の用量
 
 通常用量については、欧米と日本では異なるので、 欧米での用量を用いるときには注意を要する。
 
 必要に応じて、 保険診療で認可されるようにレセプトへその理由を記載する。
 
 下表に主な抗菌薬の英字略語と通常用量を示す。
 
 用量は重症度、 体格、腎機能に応じて調整する。
 
 肝機能障害では、 アジスロマイシンやセフトリアキソン、 クリンダマイシンなどで用量調整する。
 
 
 抗菌薬は商品名ではなく、一般名も覚えるようにする。
 
 自身のインテリジェンスの高さを示すことができるという。
 
 症例プレゼンなどでは一般名で伝えるようにする。
 
 ただし、 バクタ(ST合剤) などの国際的に認知されている商品名は使用してもよいだろう。
 
 「サルファメソキサゾール・トリメトプリム」とは言いにくいですからね。
 
表:主な抗菌薬の英字略語と通常用量
ペニシリン
経口
BPCG=ベンジル・ペニシリン・ベンザチン(160万単位分4 )
AMPC=アモキシシリン (750mg3
AMPC/CVA=アモキシシリン・クラブラン酸(3T3A MPC/CVA=アモキシシリン・クラブラン酸(3T3)+A MPC(アモキシシリン 750mg3
としてもよい(オーグメンチン錠のAMPC含量が少ないため)
注射
PCG=ペニシリンGカリウム(200~400万単位IV q 4時間)
ABPC=1-2gIV q 6時間)*
ABPC/SBT=アンピシリン・スルバクタム(1.5-3. 0gIV q 6時間)
PIPC=ピペラシリン(2gIV q 8時間)
PIPC/TAZ=ピペラシリン・タゾバクタム(4.5gIV q 8時間)
 
セファロスポリン・セファマイシン
経口
CEX=セファレキシン(持続製剤2g
CCL=セファクロール(750mg3
注射
CEZ=セファゾリン(1-2gIV q 8時間)
CMZ=セフメタゾール(1gIV q 6時間)
CTM=セフォチアム(1gIV q 6時間)
CTRX=セフトリアキソン(1gIV q 12-24時間)**
CTX=セフォタキシム(1gIV q 6時間)
CFPM=セフェピム(2gIV q 12時間)
CPZ=セフォペラゾン(1gIV q 8時間)
CPZ/SBT=セフォペラゾン・スルバクタム(2gIV q 12時間)
CAZ=セフタジジム(1-2gIV q 8時間)
 
モノバクタム
注射
AZT=アズトレオナム(1gIV q 8時間)
 
カルバペネム
注射
MEPM=メロペネム(0.5-1gIV q 8時間)
IPM/CS=イミペネム・シラスタチン(0.5-1gIV q 8時間)
 
マクロライド
経口
CAM=クラリスロマイシン(400mg2
AZM=アジスロマイシン(2g1の1回のみ、または500m g1 3日間)
注射
EM=エリスロマイシン(500mgIV q 6時間)
AZM=アジスロマイシン(500mgIV q 24時間)
 
フルオロキノロン
経口
CPFX=シプロフロキサシン(400-800mg2
LVFX=レボフロキサシン(500mg1)
注射
CPFX=シプロフロキサシン(300mgIV q 12時間)
LVFX=レボフロキサシン(500mgIV q 24時間)
 
テトラサイクリン
経口
DOXY=ドキシサイクリン(200mg2)
MINO=ミノサイクリン(200mg2)
注射
MINO=ミノサイクリン(100mgIV q 12時間)
 
ST合剤(SMX /TMP
経口
SMX /TMP=サルファメソキサゾール・トリメトプリム=バクタ(4 錠分2)***
注射
SMX /TMP=スルファメトキサゾール・トリメトプリム= バクトラミン
 (トリメトプリムとして1日量15~20mg/ kgを3回に分けて投与)
 
アミノグリコシド
注射
GM=ゲンタマイシン(1回5.1 mg/kg q 24時間)****
TOB=トブラマイシン(1回57mg/kg q 24時間) 
 
その他
経口
CLDM=クリンダマイシン(900mg3) 
METRO=メトロニダゾール(2g4
LZD=リネゾリド(1200mg2
注射
CLDM=クリンダマイシン(600mgIV q 8時間)
VCM=バンコマイシン(1gIV q 12時間)
LZD =リネゾリド(600mgIV q 12時間)
TEIC=テイコプラニン(400mgIV q 12時間)
 
*髄膜炎では2gIV q 4時間。
**髄膜炎では2gIV q 12時間。セフトリアキソンは肝腎代謝。
***PCP肺炎ではバクタ12錠分3。
****GMは感染性心内膜炎では1mg/kg12時間毎また は8時間毎に投与。
 
  
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