前回に引き続き、バイアスと早期閉鎖について考えていきましょう。
例8 65歳男性。 主訴:前胸部痛。 急性発症の胸痛・冷や汗で救急室受診。 心電図にてⅡ、Ⅲ、aVF 誘導でST低下軽度あり。 「急性冠症候群疑い」にてCCU入院となる。 循環器科医師により、アスピリンとクロピドグレルの経口投与、ヘパリンとニトログリセリン静注、が開始された。
しかしながら、入院後も胸痛・冷や汗が持続していた。 症状持続するも心電図変化なし。 翌日の回診で、血圧左右差とAR雑音があることが判明し、緊急の胸部CT検査にて、「A型急性大動脈解離」の診断となった。
これは Anchoring bias を示す例である。 最初に考え付いた診断に固執し、その仮説に適合しない所見があっても無視して、考えを改めないことを指す。 幅広い分野の疾患について経験豊富な医師は、このバイアスの罠について気づいていることが多く、仮説の正しさを慎重に再検討するように努めている。
写真は、首里の龍譚池、その向こうにかすかに首里城が写っています。 写真から想像できないと思いますが、撮影した日は7月、気温は30度超え、ふらふらになりながら撮りました。
この写真は沖縄では一番有名なサンエーのショッピングセンターで西原にあるので愛称「ニシティー」です。 複合型なので一日中楽しめます。 沖縄にお越しの際はどうぞ。
では、次回に。