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総論 髄液移行性に注意

2016-09-08 | 勉強会
髄液移行性に注意
 
 
クイズ:MSSAの心内膜炎で中枢神経系の敗血症性塞栓などの転移感染をきたしているケースではどのような抗菌薬を選択すればよいか?
 
 
 中枢神経や前立腺などの特殊な臓器の感染症ではそこへの移行性も考慮して抗菌薬を選択する。
 
 髄膜に炎症がなくても髄液移行性がよい薬剤には、 クロラムフェニコール、ST合剤、リファンピシン、 メトロニダゾールなどがある。
 
 髄膜に炎症がある場合(髄膜炎) に髄液移行性がよくなる薬剤には表のような薬剤がある。
 
 
表:髄膜に炎症がある場合(髄膜炎症例) に髄液移行性がよくなる薬剤*
ペニシリン系全般
PCG, ABPC, PIPC
セファロスポリン系のうち第3世代と第4世代
CTX, CTRX, CAZ, CFPM
モノバクタム系
AZT
カルバペネム系
IPM/CS, MEPM
フルオロキノロン系全般
LVFX
グリコペプチド系
VCM
アゾール系抗真菌薬
フルコナゾール、ボリコナゾール
 
*このうちIPM/CSは痙攣、CFPMは脳症を誘発するリスクが高いので、髓膜炎ケースではなるべく使用は避ける。
 
 
クイズの回答例:欧米ではオキサシリンまたはナフシリンが選択される。
 
 日本ではこれらの薬剤がない。
 
 通常臓器の感染ではセファゾリンがMSSAに使用されるが、これは髄液移行性がよくない。
 
 髄液移行性のよいセフトリアキソンまたはバンコマイシンなどが選択されることが多い。

 

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