燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医Dr徳田安春の最新医学情報集

サットンの法則

2021-12-21 | 闘魂症例検討会

みなさん、こんにちは。

 

リンパ節腫脹の原因を正確に診断するのははっきり言って難しい。

 

それゆえ原因検索のために思わず多くの抗体検査や腫瘍マーカー、画像検査をオーダーしてしまいたくなる。

 

その気持ちは非常によくわかるのだが、そんな時に思い出して欲しいのが「Sutton’s low(サットンの法則)」だ3)

 

Willie Sutton(1901-1980)は、人を一度も殺めることなく幾度も銀行強盗を成功させたという世紀の大泥棒である。

 

彼がある記者から取材をうけたとき、なぜ銀行を襲うのか、と聞かれた。

彼はこう答えたという。

 

「Because that’s where money is(そこに金があるからさ)」

 

この言葉を医学界に応用できないかと考えた人がいた。

 

Yale 大学教授の Dock 医師である。

 

ある日、Dock 氏は教育回診をしているとき、原因不明の肝障害を来しているブエルトリコ出身の女性を診察し、学生と研修医たちに「君たちは Sutton の法則を知っているかね?」と問いた。

 

当時の医学生や研修医たちは肝障害の原因を明らかにしようとルーチンの検査や座学を進めていくことに時間を費やしていた。

 

Dock 氏はそれに対して「彼女の肝臓を傷つけている“何か”がそこにあるのだから、なぜそれを調べることに時間を費やそうとしない?」というメッセージを大泥棒 Sutton の言葉を通して送ったのである。

 

その後、原因検索のため女性の肝生検が行われ病理医からはいったんは“陰性”という結果が返ってくるのだが、Sutton の法則の話に深く感銘を受けた学生の一人が根気強く顕微鏡と格闘した結果、肝組織の中に小さな住血吸虫の卵を発見することができたのである。

 

原因不明のリンパ節腫脹の診断をつける際も、このストーリーと同様のことが言える。

結核性リンパ節炎や菊池・藤本病、Castleman 病などリンパ節生検でしか診断がつかない疾患もあるため、無計画に不必要な検査を羅列するのでなく、時にはためらわずリンパ節生検を依頼してほしい。

 

 

写真:本島北部名護市の海岸

この日は雲一つない天気でした、青いですね。

 

 

 

これを実践するだけで、楽しく食事をして、健康的に若々しく、やせることができます。高血圧や糖尿病も予防するので、コロナウイルスにもかかりにくくなると思います。「病気にならない食事の極意」よろしくお願いします。

 

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