こちらはいかが?メールマガジン「ドクター徳田安春の最新健康医学」。
今回も救急外来におけるバイタルサインの解釈からお送りします。
バイタルサインによるショックの鑑別
ショックの主要な鑑別診断カテゴリーを次の表に示す。
表 ショックの鑑別診断カテゴリー
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
低静脈圧型ショック
循環血液量減少性ショック←脱水、出血
血液分布異常性ショック←敗血症、アナフィラキシー
高静脈圧型ショック
心原性ショック←急性心筋梗塞、心筋炎
閉塞性ショック←肺塞栓、緊張性気胸、心タンポナーデ
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
循環血液量減少性ショックと血液分布異常性ショックの2つのタイプをあわせて「低静脈圧ショック」と呼ぶ。一方、心原性ショックと心外閉塞・拘束性ショック2つのタイプをあわせて「高静脈圧型ショック」と呼ぶ。
低静脈圧型ショックは頻度が高く、迅速な大量輸液が初期治療として行われる。逆に、高静脈圧型ショックは頻度が低く、原因となる心臓ポンプ機能の改善や循環閉塞の解除が初期治療として行われ、迅速な大量輸液は適応ではない。このように、静脈圧の推定はショックの鑑別診断に有用であることから、第5のバイタルサインとよぶべきなのである。
高齢者が救急室に「発熱+経口摂取不良」という主訴で受診し、ショックバイタルであった場合、脱水vs敗血症のどちらがメインなのかという臨床的疑問をもつことがしばしばある。明らかな肺炎、呼吸不全や低酸素血症を認めないショック患者で、頻呼吸(>30/分)をみた場合には、敗血症性ショックの可能性を考慮する。脱水などの血管内容量低下のみによる頻呼吸はなく、敗血症による乳酸アシドーシスによる代償性呼吸性アルカローシスや、敗血症で増加した血中サイトカインが直接呼吸中枢を刺激するなどにより呼吸数の増加をみる。
今回は以上です、話変わって、沖縄は梅雨入りして昨日まで土砂降りでした、しかし、一転、今日は雲ひとつない晴天です、空気もカラッとして気持ちよさそうです、明日も晴れるそうです、いいですね、しかし、昨日の地震はびっくりでしたね、被害があまりないのが幸いです、では次回に。
好評!!電子書籍「マンガ臨床推論~めざせスーパージェネラリスト~」も宜しくお願いします。
こんなとき、フィジカル: 超実践的! 身体診察のアプローチ | |
徳田安春 | |
金原出版 |