燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医徳田安春の最新医学情報集。問診、フィジカル、医療安全、EBM、臨床研究に強くなれます。

総合診療医へ相談した結果は?

2021-08-25 | 本の紹介、その他
みなさん、こんにちは。
 
 
 
次は血圧、脈拍、呼吸、体温などのバイタルサインの評価。
 
生命徴候とも訳されるこのサインは重要だ。
 
 
図:バイタルサイン
 
 
 
総合診療医は丁寧に全身の診察をやってくれたらしい。
 
視診、打診、触診、聴診、などだ。
 
耳の診察だけをしてくれた耳鼻科の医師の診察とはあきらかに違っていたという。
 
そして、まさに診断のヒントが耳以外の全身にあったというのだ。
 
 
 
視診ではまず、顔面での両目周囲の皮膚に紫斑(青いあざ)があった。
 
そして腹部の皮膚には、結節(小さないぼ)があった。心臓の聴診では、第3音と第4音という過剰な心音が聴かれていたという(図)。
 
 
図:フィジカル診断
 
 
 
その後、知人は総合診療医から非常にわかりやすい説明を受けたという。
 
そこで、検査は診断の確認のために行われるもの、といわれたらしい。
 
検査で引っ掛ける、人間ドックは違う。
 
医師の診察は本来こうあるべきだろう。
 
 
 
納得したうえでの同意。
 
これがインフォームドコンセント。
 
腹部の皮膚生検(微小な組織を採取して病理診断を行うこと)と心臓エコー、そして骨髄生検が行われた。
 
病理診断は、フィジカル診断に一致していた。
 
「アミロイド―シス」であった。
 
特殊なタンパク質が組織に沈着するという病気らしい。
 
 
 
難聴の原因も、その物質が両側の外耳道(鼓膜から外気に通じる耳の穴)に沈着して、閉塞していたのだ。
 
いわば、トンネルが徐々に埋められて、ついに閉鎖されるようなものだ。
 
 
 
原因がわかってほんとによかった。
 
診断が付けば治療の方法が決まるからだ。
 
知人の治療が無事に済むことをお祈りしているところだ。

 

 

写真:本部港周辺

 

 

 

群星沖縄臨床研修センターのホームページです。沖縄の基幹型8研修病院での研修医教育に貢献しています。

 

マンガ「群星沖縄臨床研修センターとは?」が出ました。これで群星沖縄のすべてがわかる。毎月更新されますので、是非ご覧下さい。

 

一般向け健康情報ブログ「総合診療医からの健康アドバイス」。こちらもご覧下さい。

 

徳田安春・公式ツイッター

https://mobile.twitter.com/yasuharutokuda

健康や医学についてのファクトと徳田安春の個人的意見をお伝えします。

 

好評のメルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」の最新内容を厳選編集した本の最新版「知っておくと役に立つ最新医学2019」が出ました。一般の方々の役に立つ最新医学知識を満載。グローバル・スケールでの先端医学のホットな話題もわかりやすく解説。特徴はテレビや新聞より早いグローバルな情報、科学的に正確なエビデンスに基づく情報です。

 

健康と平和について発信する英語版ブログをスタートしました。「Wellness and Peace and Okinawa」 長寿研究で有名なDavid Itokazu先生との共同作業ブログです。

 

徳田安春、荘子万能の「徳田闘魂道場へようこそ」こちらポッドキャストにて配信中、是非お聴き下さい。

 

科学的根拠に基づく最新医学情報とグローバル・スケールでの先端医学のホットな話題を提供し、わかりやすく解説します。メルマガ「ドクター徳田安春の最新健康医学」。☆まぐまぐ大賞2020のジャンル別賞の健康部門2位を受賞しました。

 

こんなとき フィジカル1と2」立ち読みできます。是非どうぞ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 恕 (ゆる) すこと | トップ | 総合系医師とは? »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

本の紹介、その他」カテゴリの最新記事