近年、日本の社会は軍備強化と自衛隊の海外派遣に賛成する政治家や国民が多くなりつつあります。
そのせいで新聞には過去の戦争の犠牲者の数が掲載されなくなりました。
日本が約300万、ドイツが660万人、アメリカが54万人と記憶していましたが、それ以外の国々のことは忘れていました。
この際、あらため調べてみましたら、以下の数字のようになりました。
以下の一覧表を見ると、日本軍の占領した中国やフィリピン、インドネシア、シンガポール、マレーシア、などの東南アジアで犠牲者が多かったのです。なかでもフィリピン、インドネシアでの犠牲者が突出しています。
最近はこの事実を忘れているのでしょうか?中国政府や韓国政府に言われるまでもなく日本人はこの歴史を真摯に見つめ直すべきではないでしょうか?戦争は敵味方すべての人を悪魔にします。
下の表を丁寧に見ながら、敵味方全ての犠牲者の悲運と遺族の悲しみを思い浮かべ、寄り添うようにしたいと思います。そして全ての死者に手向ける花として純白のモクレンの花を選び、その写真3枚をお供えいたします。
万感の思いをこめて合掌。
アジア各国の公式な統計は中国、タイ以外にはないという。
従って推計数値はいろいろある。下の表は『一九九五年八月十五日に』(朝日新聞社)より。
(以下の出典は、http://www.geocities.jp/k_saito_site/hikiadememorial0.htmlです。)
日本 310万人 厚生省援護局(朝鮮、台湾の軍人・軍属各約2万2千、約3万人を含む)
中国 2100万人(37~45) 中国政府
2100万人から2300万人(37~45) 北京大学歴史学部王暁秋教授
1221万5000人(31年の満洲事変から通算) 東大史学編纂所・宮地正人教授
1000万人(31年の満洲事変から通算) 『高校日本史B』(実教出版)
朝鮮半島 少なくとも35万人から36万人 日本政府から伝えてきた軍人軍属名簿や被徴用労働者数などをもとにした韓国政府の推計
21万人 東大史学編纂所・宮地正人教授
20万人 『高校日本史B』(実教出版)
台湾 2万9000人 日本政府から台湾赤十字に提供された名簿
3万3000人 東大史学編纂所・宮地正人教授(いずれも日本軍に加わった軍人・軍属の合計)
香港 6403人 英連邦戦没者埋葬委員会の埋葬・火葬者数
365人(軍人)、1万人(監獄内の処刑などで民間人)6万人(飢餓) 香港総督の本国あて電文
シンガポール 4万人~5万人(華僑) 東大史学編纂所・宮地正人教授によると、現地の中国系社会や同国の研究者の間の定説
6000人から7000人虐殺 日本陸軍省報道部機密文書
8万人 『高校日本史B』(実教出版)
マレーシア 4万人から5万人(華僑) 東大史学編纂所・宮地正人教授
フィリピン 111万1900人 アラヤ博物館にある日比賠償交渉に関する外交文書
100万人 『高校日本史B』(実教出版)
タイ 7928人 タイ政府が47年に米国に報告した数字
インドネシア 400万人 51年のサンフランシスコ講和会議で、同国政府代表「日本占領期間中に被った人命の損失」
200万人 東大史学編纂所・宮地正人教授
200万人 『高校日本史B』(実教出版)
ベトナム 200万人 東大史学編纂所・宮地正人教授 ほとんどが餓死者とみられる
200万人 『高校日本史B』(実教出版)
ラオス 公式数字はない
カンボジア 公式数字はない
ミャンマー 5万人 『高校日本史B』(実教出版)
インド 350万人強 東大史学編纂所・宮地正人教授 ほとんどが餓死者とみられる
ソ連 1611万5千人(軍人611万5000人、民間人1000万人) 元防衛庁防衛研修所(現防衛研究所)戦史編纂官冨永謙吾氏の調査
ドイツ 660万人(軍人325万人、民間人335万人) 元防衛庁防衛研修所(現防衛研究所)戦史編纂官冨永謙吾氏の調査
ポーランド 555万人(軍人55万人、民間人500万人) 元防衛庁防衛研修所(現防衛研究所)戦史編纂官冨永謙吾氏の調査
米国 54万5108人(軍人) 元防衛庁防衛研修所(現防衛研究所)戦史編纂官冨永謙吾氏の調査
英連邦 59万2767人(軍人53万2178人、民間人6万595人) 元防衛庁防衛研修所(現防衛研究所)戦史編纂官冨永謙吾氏の調査
イタリア 55万9803人(軍人38万人、民間人17万9803人) 元防衛庁防衛研修所(現防衛研究所)戦史編纂官冨永謙吾氏の調査
フランス 43万3000人(軍人24万5000人、民間人18万8000人) 元防衛庁防衛研修所(現防衛研究所)戦史編纂官冨永謙吾氏の調査