テレビや新聞を見てすぐに感情的な文章を書かないようにしています。しかしこの文章だけはお許し下さい。
昨夜、あるBSテレビでアウシュビッツでオーケストラの団員としてヴァイオリンを弾いていた95歳のお婆さんの長い話を聞きました。
当時彼女は20歳前後のユダヤ人のうら若い娘でした。
ナチスは大量虐殺するユダヤ人が怖がって騒動を起こさないように、同じ囚人のユダヤ人で編成したオーケストラにモーツァルトの曲の演奏を聞かせながらガス室へ送り込んでいたのです。
ヴァイオリンを弾いていた彼女の目の前を幽霊のように、人々がガス室へ進んんで行きます。自分は楽器が弾けるだけの理由でこちら側に坐って、死んで行く同じユダヤ人を見ているだけです。モーツアルトの美しい曲を弾きながら。
彼女は現在も叫びます、「何故、神様は沈黙しているのですか!」と。
彼女の神様はユダヤ教の神様です。しかしカトリックの私も全くこのお婆さんと同じ叫びを上げてしまいました。テレビの前でです。
アウシュビッツのナチスドイツの想像を絶する罪悪は同じ人類として私も罪悪感を感じます。ましてや欧米人はもっと強く感じているに違いありません。
何故、このように決定的な時に神様は沈黙しているのでしょうか?何故、お釈迦様がこの世の地獄から人々を助けに行かないのでしょうか?
神や仏を信じたくなくなります。
このように迷いながら神を信じるのが私の信仰の道なのです。そんな感想を持った、昨夜のテレビ番組でした。
どうぞ神様、この世で、これ以上、地獄を見せないようにして下さい。アーメン