著者は以前、日本テレビ「きょうの出来事」のメインキャスターだったが、独断的で右寄りのコメントが多かったような記憶がある。「ウルトラ右翼」とデスクからも言われたと書いているが、テレビを離れてからその偏狭さは増しているように感じる。憲法改正や歴史認識など、その主張の源流が何なのか、知りたくて手にした。内容は最初のアメリカ紙の記者から始まるジャーナリストとしての仕事をはじめ、健康や家族、生と死など、自身のこれまでを織り交ぜての人生論。期待に沿うところは、取材を通して学んだ<性悪説で考え、備えるべきだという現実>や<通説の上に安住しない>ぐらいか。<論争力を鍛える秘訣>の中で<論争は事実に基づいて展開する側に分があります>と書いているが、その信じている事実なるものを実は教えてほしかったのだが。
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