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亡き友人を偲ぶ『シニア左翼とは何か』

2016年06月21日 | 読書

副題に<反安保法制・反原発運動で出現―>とあるように、ここ数年報じられてきたそれらの反対集会には決して若いとは言えない世代が多く見られた。若い学生らのSEALDsが話題となった安保法制をめぐる国会前の抗議行動、その周辺にはその祖父母くらいの年代層が多く写っていたものだ。暇を持て余した老人パワーの怒りなのか、単純にそうではない。本書ではそうした60・70歳台シニアたちが<なぜ参加し、どう活動しているのか>を多面的に考察する。新左翼の現役活動家も含む一貫組、学者が多い復活組、作家・芸能人などの「ご意見番」組、初参加組の4タイプ分類や<昔は悲壮感、今は「楽しそう」>、シニア世代を刺激したというSEALDsの「ベ平連」との共通点・相違点なども分かりやすく、興味深い。暑い3ヵ月間、連日国会前に押しかけ夜中の1時、2時にメールで様子を知らせてきた友人は病気発見が遅れ、強行採決の2か月後に亡くなった。筆者は<いまの日本でシニア左翼と言えば「安倍政権の政策に反対して政権打倒を訴える人たち」>と。間もなく参院選挙が公示される。弔いではないが、亡き友の一票分を大事に使いたい。