スケッチブック30

生活者の目線で日本の政治社会の有様を綴る

スケッチブック30(大東亜戦争を反省した戦後の日本②)

2022-12-04 13:34:06 | 日記
12月4日(日)
 先日は少し日本を誉めすぎた文章を書いてしまった。戦後77年間一度も戦争をしなかった理由は、何も日本人が反省したからばかりではない。国際情勢が戦争を必要としなくなったからだという理由の方が大きい。戦前の日本政治の混迷と対比してあまりにも戦後の政治が欠陥なく行われたので、日本人の英知が際立って映り、ついそう言ってしまったが冷静に考えれば、戦争を必要としない国際情勢が出現したというのが正直な所である。
 イギリスやフランスは戦争したではないかという意見もあろうが、フォークランドにしてもアルジェリアにしても、戦前の植民地政策の後片付けの性格を持つ戦争である。ユーゴの紛争とかもそうである。米ソの代理戦争となったアフガンとか、アフリカや中東の民族紛争などは、又別個の性格を持った戦争であって、先進諸国同士が互いの利益を図るために戦争をした例は戦後皆無である。簡単に言って先進諸国はすべてアメリカの門下生(イギリスやフランスなどは高弟待遇、日本はポチの違いはあるが)となったので、互いの私闘が禁じられたのだ。しかも都合の良い事にソ連圏という対立した道場が出現して、互いに覇を競うようになった。ますます同門同士の私闘が禁じられたわけだ。
 これは戦前の植民地主義・ブロック経済主義を排するアメリカの、門戸開放・機会均等主義が全世界に広がったからである。だから先進諸国は国益のために経済圏を得ようとして武力を振るう従来のやり方を変えて、安価で良質な商品を作って全世界に売り込むという、経済闘争に力を注ぐようになったのである(ただしソ連圏を除いて)。先進諸国間に77年の平和を出現させたのだから、やはりアメリカは偉大な国だと賞するべきであろう。