スケッチブック30

生活者の目線で日本の政治社会の有様を綴る

スケッチブック30(ひょっとして消費税延期?)

2019-03-24 13:34:53 | 日記
3月24日(日)
 とても気になるニュースを見た。FRBが昨年末に2019年は二回の利上げを予定していると言っていたのに、わずか三か月で撤回して、今年は利上げをしないとの方針を表明した。また続けてきた米国債などの保有資産の縮小を停止した。この同じ日にトランプ大統領は、中国に課した追加関税を相当長い期間維持すると述べた。中国との合意事項に多くの問題があり、合意担保の手段として追加関税を維持する、とのことである。これは腰を据えて中国と対決するぞとの、アメリカの意思表明ではないのか。
 中国との対決はトランプ主導で始まったように思われているが、実は2005年の息子ブッシュの再選の頃から準備されてきたもののように思う。その頃にシンクタンクや議会などで中国の異様な軍拡が問題にされ始めた。対抗策も練られていたものと思う。しかしオバマ政権が親中なのでその動きは水面下のものとなったが、様々な部署で途切れずに研究発展させられてきていたのではないか。オバマの対中政策破綻が明らかになって、一挙に噴き出したもののように思う。そういう動きを背景にトランプは、いま中国を潰さないとヒットラーの出現を許すことになると、覚悟を固めたように思う。
 仮に以上の通りアメリカが肉を切らせる覚悟で対中決戦をするとしたら、今年来年の世界経済は相当落ち込む事になろう。アメリカの覚悟は当然安倍首相に伝えられているだろう。そういう中で増税が出来るか。あと二か月くらいの内に中国が全面譲歩すれば別だが、それには習退陣も伴い兼ねないからまずあり得ないと思う、6月までに消費税増税の延期が発表されると思う。

スケッチブック30(天皇制②)

2019-03-21 14:35:40 | 日記
3月21日(木)
 神はまた別方向から定義される。半世紀以上前の学生時代に先生から聞いた話だが、先生はフォイエルバッハを引いて、神とは「民族のレーベンスマハト(生命力)をフォアシュテルンク(見えるように目の前に置く)したもの」だと講義された。この論に従えば天皇制は日本人の生命力を鏡に映したもので、天皇の二面性は日本人自身の二面性だとなる。
 私は残念なことに日本の歴史や文化について全く素養がない。だから疎明さえできないのだが、日本人はこの二面性に従って行動してきたのではないかとの気がする。例えば将棋のように相手の駒を取って自分の駒にするような遊戯は、外国にはないと聞く。この話が本当なら、自分の持ち駒の時はA、相手の駒になったらBの面が出たと考えて、日本人は抵抗なくルール化したのだと考えられる。たとえなシベリア抑留であるが、同じ捕虜でもドイツ人はドイツ人としての誇りと気概を持って振舞い、決してソビエト軍に迎合しなかったと聞く。ところが日本人はアクティブを生み、スターリンに感謝状まで送る程の情けない有様だ。戦闘中は無敵皇軍、捕虜の時は迎合集団という、二面性が出たと考えねば、常識に富み民度の高い日本人にしてと、理解が行かない。
 私は日本人は、普段はAという面を出して生活しているのだが、魔が差したようにBの面が出てしまう時がある、それを恐れる、或はそれに敏感だというような、そんな心性を持っているのではないかと考えている。人口に膾炙する忠臣蔵であるがお取り潰しにあった家臣が仇を撃ったという例はこれ以外にないらしい。稀有な例だから忠臣を讃えたのだという解釈もあろうが、私は普段しまっているBの面を赤穂浪士が出したということで、それを見た人々の心が過敏に反応した、そんな見方の方がぴったりくるように感じる。
 そう考えると所謂自虐史観や日本罪悪論の流行が良く分かる。実際に日本軍は残虐なことなどしていないのだが、自分の一面としては残虐行為をしてしまうものがあると、日本人が怯えているから流行るのだ。日本人はAとBの出現を自分の意思でコントロールできないと漠然と思っている。出現は状況によって左右されると思っている。だから行われたと言われる残虐行為の実際を調べようとせず、残虐行為が出現しかねない状況から自分を逃避させる、逃げるといった対応に終始してしまうのだ。中国や韓国が日本は残虐行為をした、過酷な植民地統治をした類例のない悪人だなどと非難されても、では実際どうだったのか、ヨーロッパ諸国の行為と比較してどの程度に酷いものだったのかとの、科学的な調査考察を日本人は決してしない。自分では出したくないと思っているB面が出るような状況から、とにかく避けて事を済まそうとする。それで心の安定が図れるらしいのだ。日本人にとって、普段の自分ではないBが出ることは、そのBが諸外国と比べて相対的に酷いのか残虐なのかは、関係のない事らしい。とにかく普段の自分ではないと恐れるらしい。らしいと言うのは、私個人としてはそんな考えはないのでまだ今一つ腑に落ちないからだが。
 日本人はAとBの度々の交互出現を歓迎していないようだ。しかし現実は状況により交互出現してしまう。そこでもしB出現の頻度が低いのなら、Bを無視しようとの発想が出てくる。不都合な真実を無視するのと同じなのだが、日本人はこれが特にひどく、物事の根幹にかかわる部分でもしてしまうように思う。
 まず天孫降臨の不思議である。なんであんなに苦労して出雲を国譲りさせたのに、天孫は何もない日向に降り立ったのだ。しかも以後出雲など全く出てこない。私にはまるで理解が行かないのだが、ネットでこの疑問を見たことがない。有名な日本史の学者に、しかも日本史を分かり易く述べて人々に日本史の面白さを喚起させようと広言している学者であるが、手紙を書いてこの疑問を述べたが、完全に無視された。まあ彼にも分からないから返事が書けないのだと勝手に解釈したが。戦前は神話も絶対的事実だったのだから、疑問を持ってしかるべきだと思うのだが、そういう人を知らない。万世一系の前には面白くない疑問という訳であろう。なんとなら、もし不思議だとなれば、ひょっとして日向に降り立った人物は偽物かと、思考が巡りかねないではないか。

スケッチブック30(天皇制)

2019-03-17 14:30:17 | 日記
3月17日(日)
 日本は天皇制の国であるが天皇の姿は時代によって大きく異なっている。古代の天皇は通常使われる意味での王様だったと言ってよいだろう。政治軍事宗教の三権を一身に備える絶対者である。天武天皇なんかが分かり易いと思う。
 平安時代になると摂関家と上皇が出てきて、天皇の権力の多くが彼らに移転された。鎌倉時代以降は武士に権力が移転された。室町末期の天皇は哀れなもので、お金がなくて死んでも葬式が出せなかったとか、即位式を延ばしたとか、御所の塀が壊れて中を覗けたとかの話が伝わっている。
 明治になって天皇親政の形はとったが、もし大日本帝国が今に続いていたとしたら、果たして陸軍に権力が移転しなかったと言えるであろうか。
 権力者の権威が下の者に取って代わられるというか、周辺の者に移転してゆくことは世界史の通例であるように思う。戦国大名は主筋である守護大名の地位を奪った存在である。論語に出てくる有名な陽虎も季孫氏の家宰であったが魯の国を実質的に乗っ取った存在である。天皇制も例に漏れないが、一つ違う所があってそれは、天皇はなくならなかったという所である。季孫氏は陽虎に滅ぼされた訳ではないだろうが当時の下克上の波に揉まれて消滅した。多くの守護大名も下の者の手にかかって滅ぼされた。権力が移転すれば元の権力者が滅ぶのは通例であるが、天皇だけが例外で生き残っている。
 こういう存在を定義するには、神という言葉がふさわしいのではないかと考える。天皇が神であるならば時の権力者の手で消滅させられないのは当然だ。キリスト教の神だって権力というのではないかもしれないが、従来備えていた自然科学や哲学などの権威が次々と引き剥がされ、今や全くの観念的存在であるが、消滅どころか依然として存在感を発揮している。ただ天皇がキリスト教などの普通の神と違う所は、天皇は神であると同時に人間であるという点だ。役者は神を演じることはできる。私は天皇を人が神を演じていると捉える見方は、生物学に偏りすぎて現実が観れない見方のように思う。
 確かにAであると同時にBであるとは、それも神と人間というとても混じり合いそうにないもの同士ゆえ、なかなか腑に落ちにくい考え方だ。だから世界中の国では神を観念のものとして人間世界から区別している。日本人はそれを和霊と荒霊という考え方で解決してきた。
 神は柔和な面と荒ぶる面を持ち、出現する時はそのどちらかであるとの考え方は、本来矛盾した現象を矛盾と捉えない考え方だと言えよう。ある時Aが出て、次の時には矛盾するBが出ても、そのBはAとは全くの別物であると捉えれば、交互に出現してもそれは矛盾とはならない。だから天皇を人間であり同時に神だと言っても、神と人間が同時に出現するわけではないので、矛盾にならないのである。これは詭弁というか因果関係を無視した考え方だとかの批判はあるが、現象をすべて受け入れる思考ではある。
 また全く因果関係を無視している訳でもない。AとBのどちらが出現するか分からないが、出現するものはAかBであるとの大きな相互関係は分かっている。だからどちらが出現しても想定内との安心感がある。日本人にはもともとこのような感性があり、それが天皇消滅を防いだように思う。
 この考え方が日本人の特徴だとすると、現在各方面でそれが観られるはずである。例えば対米観である。日本を戦争に追い込み塗炭の苦しみを味わわせ、原爆まで落とした憎っくき国の筈であるが、今の日本人は全くの親米である。勿論政治軍事経済上の種々の原因があって親米なのだが、国民感情としては、和霊の米国が表れているとの認識なのである。中国が自国の事情から日本に微笑みかけると、それを手練手管だとは思わずに、和霊が表れたとすぐ喜ぶのが日本人である。だから何度騙されても懲りない。韓国も文は荒霊だがやがて和霊になろうと思い込んでいるから、怨みは千年経っても消えないとの言葉を単なる綾としか受け取れない。
 日本人には韓国が荒霊だけの国とは、想定外で、とても考えられないのである。だからこんな時だからこそ友好をという人が、絶えないのである。
 

スケッチブック30(おかしい産経)

2019-03-10 13:56:48 | 日記
3月10日(日)
 私は産経新聞を購読しているのだが、時々おかしな記事を見る。何時もいけないのが山田紳という挿絵画家である。朝日か中日に載せるレベルの底の浅い漫画を描いている。この間も統計不正問題について安倍首相が、担当者を更迭したから何時ものようにお蔵入りで終われるとか言っている、ふざけたマンガを載せていた。統計不正問題は縦割り省庁とか兵站部門を軽視する日本的伝統などに起因する、根の深い問題である。山田紳にはそういう点が全く分かっていない。ただ安倍さんを揶揄することで、問題点を突いたと錯覚している、薄っぺらな世評をして得意がっているだけだ。産経のような新聞に相応しい挿絵なら、根を掘ってその深さに唖然とする安倍首相を描くとかそういうものであろう。米朝会談の決裂でもトランプと金正恩が、何で俺のやり方が通用しないのだと、不思議がっている姿を描いていた。それでは全くの表面的な描き方だ。新聞の挿絵は本質を突いたものでなくては、読者に馬鹿にされる。山田はトランプは脅し、金正恩は騙しが本質だと言いたいようだが、それは駆け引きの手段である。その背後の現実が要請するものに切り込まねば、脅しも騙しも単なる犯罪者の行為のレベルのものとしか、読者には伝わらない。こんなものを載せ続けるとは、産経の編集長か政治面のデスクかが、よほど幼稚な頭の存在なのであろう。
 社説も馬鹿なものがあった。ゴーン釈放についての社説の末尾に「裁判と捜査に求めるのは、真実の追求である」とあった。検察が隠していた証拠が発見されて再審無罪になる事例が続出しているではないか。検察が目指すのは裁判に勝つことである。裁判所が目指すのは、採用した証拠の中で、有罪無罪を合理的に判断することである。学問研究のような真実追及をどちらも求めてはいない。だから検察官は自分にとって弱い証拠を隠しても、罰せられはしない。反対に言えば弁護士も被告にとって弱い証拠など出さなくても良い。現状は検察が長期間被告を拘留して、事件についての証拠は検察が集めるばかりであるから、そしてそれを裁量して提出するから、新聞記者はそれを見て事件を知るのであり、それで裁判と捜査があたかも真実を追求しているかに見えるだけのことである。どうも産経の幹部には所謂マスゴミと呼ばれる存在が、育ってきているような気がする。
 文化面もいけない。漢字に親しむというコーナーがあるが、音を全く無視している。これは子供に間違った知識を教えることである。漢字は形声文字が大部分で、形と音から意味が成り立っているのは学者の常識だと思うが、白川静は形声文字を認めないと何処かで聞いた。ベストセラー作家がそうなのだから産経も誑かされているのか。

スケッチブック30(いよいよ拉致被害者救出)

2019-03-08 17:21:13 | 日記
3月8日(金)
 アメリカは制裁解除をしない。中国と韓国の北援助も不安定なものであろう。餓死者の季節が再びやってくるとの国際機関の報告もある。三代目は最早拉致被害者を返して日本から金を貰うしかないのではないか。安倍総理の「今度は私が向き合う番だ」との発言を聞くと、いよいよ拉致被害者救出が近いとの気がする。問題は北に支払う金額である。本来は支払う筋のあるものではない。アメリカの制裁に耐えきれずゲロをしてきたとなれば、そんな相手に何で金を払うのだとの国民世論が起きよう。武貞あたりが遅れるとそれだけ金が減りますよと、三代目に忠告するべきだ。
 米韓軍事演習は中止になってよかった。演習は今や韓国軍の練度強化の意味しか持たない。日本の一番の仮想敵国は今や韓国である。韓国軍の練度が上がることは日本にとって危険なのだ。共産主義者である文はアメリカに潰されないにしてもあと3年で任期を終えるが、そして次はもう少し保守派の人間が大統領に選ばれるだろうが、反日姿勢は継続されると思う。ロシアは韓国よりGDPが少ないのにアメリカと張り合える軍事力を持っている。韓国はロシアよりGDPが多いのだから、その気になれば、日本を圧倒する軍備を持つことは可能だろう。
 朝鮮半島は日本にとって火薬庫となる。拉致被害者が返ったとして、そして金を払ったとして、日本と北が友好国となるとは思えない。日本からの金は一過性のもので終わる。三代目がゆるゆるとした死へ向かうとして、北の処理にはやはり韓国が大きく噛むであろう。もし韓国人が北の脅威は取り払われたと思えば、その瞬間に攻撃の矛先は日本に向かう。
 拉致被害者救出の為にある程度の金を出したら、次に朝鮮半島の政権とは戦争になるかもしれないと覚悟して、相応の軍備増強と対応をしてゆかねばならない。