1月31日(月)
佐渡金山の世界遺産登録申請が決まったが、韓国の妨害を凌いで登録決定となるかどうか、岸田大丈夫かなあという気持ちである。
世界遺産には大きく分けて三つの分野がある。一つは自然景観、二つ目は構造物である。この二つは不動産が対象である為に無形文化財が扱われない。そこで2000年に入ってから無形文化財の制度が出来た。これが大きく言って世界遺産といわれるものだが、もう一つ「世界の記憶」というものもある。世界遺産は世界遺産条約という条約を帰結した国が主体となって決めるものだが、もちろんその実務はユネスコが行うのだが、「世界の記憶」はそういった条約締結がなされていない、ユネスコの独自事業ともいえるものである。だからユネスコの事務局長の裁量権限が強くて、審査も審査過程もかなり閉鎖的なものであった。そこで密室の中で中国が申請した南京大虐殺関連の文書が記憶遺産登録された。これに日本が反発してユネスコ改革を掲げ、「世界の記憶」においては関係国の同意がなければ登録されないとの、新制度を作ったのである。
これを私は日本外交の大勝利と考え違いしたのだ。「世界遺産」と「世界の記憶」は別制度であるとはいえ、扱う主体はユネスコである。だから「世界の記憶」で成立した制度が、「世界遺産」にも適用されてしまっているのが現状らしいのだ。つまり具体的には申請国と対立する国があれば、まず両国で話し合えとのユネスコの指示(具体的には世界遺産委員会)があるそうなのだ。
登録の審査順序は、申請を受けたユネスコがまず審査機関(イコモス)に審査を依頼する。アジア地区を担当する審査員一名(アジア国籍者)が現地調査を行い、登録とか延期相当とか登録不可とかの意見を付けて、ユネスコに報告をする。そして世界遺産委員会(21か国、世界の地域から偏らないように選任される、アジア太平洋地域からは3か国が選任、日本と韓国は現在入っていないが、来年度は韓国が選定される順番だとの情報もあり)が開かれ、登録、延期、不登録のいずれかの決定がなされる。最終決定は条約締結国の総会で決定されるが、委員会の決定が覆されることはないそうだ。
そこで予想される韓国の妨害である。申請に際しての話し合いに韓国が応じる筈はない。でユネスコが、申請準備不足として、翌年に再申請せよと申請却下をする可能性がある。そうなると翌年も同じことで、佐渡金山世界遺産登録は、ならないことになる。ここがユネスコからの日本外交への意趣返しなのである。ただこれは明文化されていない慣行に留まる状況であるようだ。だから正論を貫いて申請を受理させるしかない。
ユネスコが申請を受け付けたとしよう。韓国は次にイコモスの審査員に接触する可能性がある。申請国と審査員の接触は禁じられているが、他の国にはそんな制限はない。まあここで書くのが憚られる工作が繰り広げられることだろう。
仮に審査員が立派な人で登録と報告したとしよう。ならば21か国を巻き込むまでである。審査員の登録との報告が委員会で否決された事例はないようなのだが、(つまり逆はある、登録不可の報告を申請国のロビー活動で、ひっくり返した例は多いようなのだ。従来は申請国が登録の為にロビー活動を行ったが、今回は韓国が登録不可とのロビー活動を行うのだ)、前例がないと言って侮ってはいけない。たぶん国連なんかのロビー活動では日本は韓国に負けるだろう。委員会の登録は3分の2以上の賛成で決定される。韓国は21か国中8か国を反対に回らせれば、思惑が叶うのだ。そう難しい作業ではないだろう。
韓国の妨害に勝つためには、強制連行はなかった、韓国は悪意を持って日本を中傷していると、事実に基づいて主張して、委員会の理性に基づく理解を得る方策しかないのだが、岸田に出来るだろうか。それをする信念はないように見受けられる。そもそも強制連行はなかったとの確信を岸田が持っているようには思えないのだ。しかし登録がならなかったら岸田政権の支持率はがた落ちであろう。ではどうする。金の提供と、強制連行を認める(今回は江戸時代の遺物の申請で関係がないとはいえ、近代には強制連行と奴隷的使役があったと記念碑でも建てる)ことを、申し出るのではないか。
佐渡金山の世界遺産登録申請が決まったが、韓国の妨害を凌いで登録決定となるかどうか、岸田大丈夫かなあという気持ちである。
世界遺産には大きく分けて三つの分野がある。一つは自然景観、二つ目は構造物である。この二つは不動産が対象である為に無形文化財が扱われない。そこで2000年に入ってから無形文化財の制度が出来た。これが大きく言って世界遺産といわれるものだが、もう一つ「世界の記憶」というものもある。世界遺産は世界遺産条約という条約を帰結した国が主体となって決めるものだが、もちろんその実務はユネスコが行うのだが、「世界の記憶」はそういった条約締結がなされていない、ユネスコの独自事業ともいえるものである。だからユネスコの事務局長の裁量権限が強くて、審査も審査過程もかなり閉鎖的なものであった。そこで密室の中で中国が申請した南京大虐殺関連の文書が記憶遺産登録された。これに日本が反発してユネスコ改革を掲げ、「世界の記憶」においては関係国の同意がなければ登録されないとの、新制度を作ったのである。
これを私は日本外交の大勝利と考え違いしたのだ。「世界遺産」と「世界の記憶」は別制度であるとはいえ、扱う主体はユネスコである。だから「世界の記憶」で成立した制度が、「世界遺産」にも適用されてしまっているのが現状らしいのだ。つまり具体的には申請国と対立する国があれば、まず両国で話し合えとのユネスコの指示(具体的には世界遺産委員会)があるそうなのだ。
登録の審査順序は、申請を受けたユネスコがまず審査機関(イコモス)に審査を依頼する。アジア地区を担当する審査員一名(アジア国籍者)が現地調査を行い、登録とか延期相当とか登録不可とかの意見を付けて、ユネスコに報告をする。そして世界遺産委員会(21か国、世界の地域から偏らないように選任される、アジア太平洋地域からは3か国が選任、日本と韓国は現在入っていないが、来年度は韓国が選定される順番だとの情報もあり)が開かれ、登録、延期、不登録のいずれかの決定がなされる。最終決定は条約締結国の総会で決定されるが、委員会の決定が覆されることはないそうだ。
そこで予想される韓国の妨害である。申請に際しての話し合いに韓国が応じる筈はない。でユネスコが、申請準備不足として、翌年に再申請せよと申請却下をする可能性がある。そうなると翌年も同じことで、佐渡金山世界遺産登録は、ならないことになる。ここがユネスコからの日本外交への意趣返しなのである。ただこれは明文化されていない慣行に留まる状況であるようだ。だから正論を貫いて申請を受理させるしかない。
ユネスコが申請を受け付けたとしよう。韓国は次にイコモスの審査員に接触する可能性がある。申請国と審査員の接触は禁じられているが、他の国にはそんな制限はない。まあここで書くのが憚られる工作が繰り広げられることだろう。
仮に審査員が立派な人で登録と報告したとしよう。ならば21か国を巻き込むまでである。審査員の登録との報告が委員会で否決された事例はないようなのだが、(つまり逆はある、登録不可の報告を申請国のロビー活動で、ひっくり返した例は多いようなのだ。従来は申請国が登録の為にロビー活動を行ったが、今回は韓国が登録不可とのロビー活動を行うのだ)、前例がないと言って侮ってはいけない。たぶん国連なんかのロビー活動では日本は韓国に負けるだろう。委員会の登録は3分の2以上の賛成で決定される。韓国は21か国中8か国を反対に回らせれば、思惑が叶うのだ。そう難しい作業ではないだろう。
韓国の妨害に勝つためには、強制連行はなかった、韓国は悪意を持って日本を中傷していると、事実に基づいて主張して、委員会の理性に基づく理解を得る方策しかないのだが、岸田に出来るだろうか。それをする信念はないように見受けられる。そもそも強制連行はなかったとの確信を岸田が持っているようには思えないのだ。しかし登録がならなかったら岸田政権の支持率はがた落ちであろう。ではどうする。金の提供と、強制連行を認める(今回は江戸時代の遺物の申請で関係がないとはいえ、近代には強制連行と奴隷的使役があったと記念碑でも建てる)ことを、申し出るのではないか。