スケッチブック30（ウクライナ 反米は胸にしまって）

2月28日（月）
　ウクライナ問題でロシアの立場云々を言う人は、結局心底に反米思想があるのだろうと思った。ヤヌコビッチを追い出した騒乱はアメリカが裏で主導したものかも知れない。その時ウクライナが桃源郷みたいな国であったなら、それはアメリカの侵略だと非難できるだろうが、到底ウクライナがそんな状態であったとは言えない。ロシアの頸木（スターリンによる餓死政策から続く遺産）がしっかりウクライナ人を押しつけている国情だった。旧ソ連が色々な国で反米クーデターを企てたことは明らかだし、私は具体的には知らないがプーチンだって同じ事をやっていただろうと想像する。ヤヌコビッチの追い出しはそんな角逐でアメリカが勝ったという事であろう。
　だからアメリカが先に手を出したとかプーチンが失地回復をしているかとの論議は、私には公平を排して、ロシアに肩入れする論評だと思える。ではなぜそんな肩入れ議論をある種の人々はするのか。決してプーチンが好きだからではないと思う。反米思想が鎌首をもたげるからだと、考えた。
　アメリカは大東亜戦争に日本を追い込み、一週間で書き上げた速成憲法を日本に押し付け、戦後はアメリカの世界支配の手足として日本を使っている、アメリカは許せない、裏がある、信じてはいけないという訳だ。まあ気持ちは分からないでもない。
　ユダヤ人の知恵を持ち出すのもありきたりな論法かも知れないが、やはり、より悪の少ない方を取るのが大人の選択だという、（私は）真理だと思う言葉を持ち出すしかない。白か黒か、正義か不正義かと割り切った生き方が可能なのは、超大国に生まれた国民だけであろう。イギリス人もフランス人もドイツ人も日本人も、（反米思想は胸にしまって）より悪が少ないと思うアメリカ陣営の中で、立ち回るしか術がないと思う。鬱屈した人生ではあるが。

スケッチブック30（ウクライナ侵略 何故ロシア擁護の論説が出るのか）

2月27日（日）
　ウクライナ侵略についてロシアを擁護するというか、そこまで行かないがロシアの立場を説明する論説を、散見する。泥棒にも三分の理というかロシアにも侵略する理由は確かにあろう。プーチンの気分一つで戦争している訳ではない。アメリカがキューバに核ミサイルが設置されたら、それはキューバの主権行為だとして黙っているかという、問題でもある。だから私はそれら論説を読んでいないが、ロシアには切実な理由があってウクライナに侵攻したのだ、とは思う。
　国際政治に正義の価値観を持ち込んで断罪したら、アメリカだってロシアだってすべての国が違反だらけで、とても成り立つものではない。問題は日本にとって有利か不利か、観点はそれだけだと私は考える。
　例えば強盗殺人事件を考えてみよう。犯人にはその人特有の事情、例えば虐待されて育ったとか、その為に教育が受けられず従って仕事もなく、とうとう金がなくて寒空にその日食うものが無くなったとかの、情状酌量されるべき理由があろう。弁護士はそこに特化して弁論を繰り広げるであろう（弁護士は犯罪者から金を貰って食っている存在なのだぞ）。しかし私たちの観点は、自分が殺されることは嫌だという、その一点である。人の論理で勝手に殺されては堪らないという、自分に有利か不利かとの一点で見て、犯罪人を排除しているのだ。
　要は日本はアメリカに付いているのか、ロシアに付いているのかという、一点なのだ。日本がアメリカ陣営の中で生きているのは、紛れもない事実である。その中の価値観とかしきたりとかシステムを駆使して、国の発展を図っている。ウクライナはアメリカ陣営の方が良いと考えて、ロシア陣営から鞍替えしようとしたら、ロシアの侵略を受けてしまった。仲間としてウクライナを助けるのは当然であろう。ロシアの事情を斟酌するなど時間の浪費というものだ。
　まあウクライナは遠いから日本は紳士然として、つまり中立を装って、ロシアの事情も斟酌しておられる。しかし中国の手が台湾、尖閣、沖縄に伸びたら、又は韓国の手が対馬に伸びたら、中国には中国の論理が、韓国には韓国の立場があると、澄ましてなんかいられる筈がない。ウクライナの悲劇はナトーに加盟していなかった事だ。日本の悲劇は中国韓国を前にして、アメリカとの同盟をなおざりにして中立を装ったことだと、後世評価されたら、まったく子孫に面目が立たない。

スケッチブック30（ウクライナは侵略された）

2月26日（土）
　予測は間違えたが、ロシアはウクライナを侵略した。アメリカとナトーの抵抗はないか少ないと、プーチンが判断したのだろう。バイデンは威勢の良い事を言っていたが、当初からアメリカはウクライナで戦争はしないと、述べていたのだろうか。私には急に言い出したように聞こえるが、恐らくマスゴミがその発言を流していなかっただけで、実際は前々からそのように言っていたのではないか。アメリカが腰を上げなければナトーも同盟国ではないからと静観するに決まっている。
　アメリカとナトーが戦争しないと言っている以上、プーチンを止めるものはなかったのだ。更に恐らくだが、バイデンはロシアを金融決済から外すまでの制裁はしないと、密かにプーチンに告げていたのだろう。或いはその制裁をすれば核戦争になるとのプーチンの脅しに、バイデンが屈したのかも知れない。
　まあゼレンスキーは裸でオオカミの前にほっぽり出された訳だ。日本も安保条約を攻守同盟に変えておかないと、こんな事になりかねない。これで9条信者も半分くらい減るだろう。
　これからどうなるか。僅かにキエフで戦っているとの話だけで、まだウクライナ軍の本格的な反撃の情報を聞かない。多くの軍事評論家が述べていたのはウクライナ軍の抵抗によって、或いはゲリラ戦にさらされて、ロシア軍はアフガンの二の舞になるというものであった。しかし今の所だが、テレビで見るのはポーランドに逃げるウクライナ人の姿ばかりである。高校生が銃の訓練を受けているとしたあの映像は何だったのか。軍の反撃もゲリラの抵抗もなければ、ゼレンスキーが排除されてロシアの傀儡政権樹立で、事は短期間で終わるかもしれない。恐らくプーチンは既に傀儡政権を担う団体をウクライナ国内に作り上げている事だろう。一番好都合なのはその勢力にクーデターを起こさせて、ウクライナ人民の意思でゼレンスキーを排除したとの演出をすることだ。
　だがそううまくは運ばない気がする。戦いは泥沼化して、ロシア軍は旧ソ連と同じようにアフガンの悪夢を、見るのではないか。ウクライナはドンバス地方ですでに5年くらいの実戦経験がある。援助なら西側からたっぷり貰える。そう簡単に負けないように思うのだが。

スケッチブック30（ウクライナ 予測完全間違い）

2月25日（金）
　「ヒットラーが気でも狂わん限り」独ソ戦はないというのが、昭和16年の陸軍軍務局長の見解である。当のスターリンだってドイツ軍の侵攻が始まっても、なお半信半疑だったという。イギリスに勝てない上に更にソ連という敵を作る、誰が考えてもあり得ない選択である。しかし今となってはヒットラーの行動にある程度の理解が行く。ウクライナにゲルマン人の千年王国を作るというのが、私には理由は分からないが、ヒットラーが究極の目的としたものである。イギリスに勝って次にソ連に勝つ工程だったが、イギリスに勝てないと分かった以上、ぐずぐずせずに究極の目標に向かったのだと考えれば、一応納得できる。
　インパール作戦は無謀の極みの作戦であると、言われている。しかし2年前に同様の作戦が計画されたとき、当の牟田口自身が補給の困難を理由にして反対するという、まともな判断を下している。所が戦局が不利になると一発大逆転の願望が沸き、変身牟田口は「これほど必勝の信念が沸く作戦はない」と言い出したのである。
　人は追い込まれると一発逆転を狙って危険な行動をする、そういう実例であると思うが、プーチンはそんなに追い詰められていたのだろうか。プーチンの目的はウクライナにアメリカの核を持ち込ませない事だと思っていた。ウクライナがナトーに入ることはウクライナが主権国家である以上妨げられないが、アメリカの核だけは何としても持ち込ませさせたくない、アメリカからの核を持ち込まないとのしっかりした保証を取るためにドンパス地方の独立を承認した、つまりドンパスにロシア軍を、送れるのに送らない、俺も自制するからバイデンも核を持ち込むな、そういう対抗手段だと思っていた。しかし事実はそんな話では全くなかったようである。極東の一室で無知な男の考えることなど、如何に非現実的な空想であるかと突き付けられた思いだ。
　ロシアはウクライナの飛行場とレーダー施設を破壊した模様である。次は陸軍部隊の侵攻であろうが、これがうまく行くかどうか。多くの軍事評論家が難しいと言っていた所のものである。どうなるか予断は出来ないが何故プーチンはこんな事をしたのだろうか。アメリカの経済制裁はないと、或いはあってもロシアは耐えられると、判断したのだろうか。私はアメリカはドル決済からロシアを排除する政策を課すと思っている。そうなったら石油もガスも誰も買ってくれなくなるし、何処の国も工業製品をロシアに売ってくれなくなる。数年にしてロシアは北朝鮮のような状態になると考える。アメリカはそこまでしないとプーチンは考えたのか。

スケッチブック30（＃れいわの抗議を支持します だって）

2月23日（水）
　「れいわの抗議を支持します」がトレンドだそうだ。ツイッターで少しばかり見たがこの人達は、自分の低レベルの空想が現実に跳ね返されて挫折した、そういう思いだけを抱いて人生を送っている人達なのだろうなと思った。
　人間はみんな何がしかの理想を持って世の中に当たり、跳ね返され、そしてより普遍性の高い理想へと、上昇させてゆくものである。そういう自己陶冶をしてこそ「市民」であるのに、初期の理想が挫折して、それを嘆くのは当然にしても、そこに留まって以後は引き籠りになるというのでは、お話にならない。まあトレンドの中から自己陶冶してゆく人も居るだろうが、多くは最初の挫折で社会とはこんなものだと知っ高ぶって引き籠りになる、そんな人達だとの気がする。
　トレンドの中心点は、れいわに発言時間を与えよというものらしい。しかし発言時間は議席数によって決まるから、これは我儘な要求というしかない。自分の我儘が通らないから大声で叫ぶというのは、実に幼児的な感覚である。この連中はそれが正しいと思ってトレンドしているのだから、思想的には赤ちゃんレベルだというしかない。幼稚園児だって時間割は守る。幼稚園児以下である。
　「自民党さん。～長いこと政権担ってきて少しでも、日本は良くなりました？たくさんの国民の命と暮らしを奪っただけでしょう」というツイートがあった。北朝鮮に住んでいるのなら分かるがこの人は、日本で何を見、何を聞いているのだろうか。物事の観察が痴呆的だというしかない。「極寒の中で腹を空かせている、弱い立場の人間に寄り添って話を聞けよ～」とあるが、この人はれいわの人間がそうしている現場を見たのだろうか。恐らく自分の頭の中で組み立てた美しい空想であろう。「ただ国民のことを思い、国のためにと（山本太郎たちは）声を上げただけだ」と、いうのが彼らの根本的感覚らしい。
　本当に山本太郎は「ただ国民のことを思って」いるのだろうか。れいわが当選する為に他の国民の声を圧殺する行為をしていないだろうか、仮に動機は「ただ国民のこと」だとして山本の手法で、議席が伸ばせるのだろうか。国会で多数が握れないのであれば革命を起こせば良いと考えているのだろうか。まあトレンド連中はそんな所まで考えていないだろう。だって赤ちゃんなのだから。しかしこの赤ちゃんがやがて、30歳にも40歳にもなって、多くは赤ちゃん思考レベルのまま、国を担う一員になるのだ。