スケッチブック30

生活者の目線で日本の政治社会の有様を綴る

スケッチブック30(司法取引 恐ろしい)

2018-11-29 13:57:41 | 日記
11月29日(木)
 ゴーン問題は退任後の報酬支払いが、いつ確定するのかという問題に絞られてきたようだ。検察は毎年毎年確定していたというようだが、一部の新聞報道によればそれは取締役会で決定されたことではなく、役員給与支払い事務を担当する秘書室内での、覚書という形で約束されていたものらしい。いざ退職となった時秘書室がこういう約束になっていると言っても、取締役会で否決されたら支出できるのか。有価証券報告書の法律では、報酬は確定した時に記載しなければならないとなっているが、「確定した時」をめぐっていよいよ三百代言の出番だ。検察の思惑通り裁判が進むか甚だ疑問である。それにしてもこんな技術的問題で逮捕されたら堪らない。仮に有罪となっても微刑で終わるだろう。出所したらゴーンは、世界に向かって日本の不条理を喧伝するに違いない。暗黒政治の日本なら従軍慰安婦も徴用工の強制連行も、本当にやったに違いないと、世界の人々は連想式に思い込むに違いない。中国と韓国は大喜びで、ゴーンを自国の産業のトップに据えるかも知れない。
 仮にゴーンは無罪になっても、今の地位の原状回復は望むべくもない。数百億円の損害賠償を求めて日本政府を訴えるだろう。しかし日産内部にいただろうと推測する反ゴーン勢力の面々は、自分が訴えられる訳ではないので痛くも痒くもない。検察を使ってゴーン追い落としが出来て、大満足の儘だ。社内の権力争いの後始末を日本政府がつけるという、なんとも馬鹿々々しい事態が予想される。
 もしゴーン事件が日本政府も咬んだ国策逮捕でないとすると、一企業の内部抗争で検察が一方の勢力によって利用されたという、何とも恐ろしい話になる。犯罪者を挙げたいと腹をすかしている検察に、司法取引という手を使って、いとも簡単に餌が投げつけられるのだ。抗争相手を潰せるとなれば、司法取引で多少自分も傷つくとしても、ご注進ご注進と名乗り出るのに躊躇わないだろう。
 ゼネコンの談合だって同じだ。ご注進をした会社は指名停止を免れるとしたら、ご注進した会社は大儲けだ。司法取引は抗争相手を潰す手段に、たやすく使われる。仮に無罪となってもゴーンはもう葬り去られた。策謀をした人の目的は達せられているのだ。今まででも特捜部は恐ろしかったが、司法取引で益々凶悪化したように思う。