スケッチブック30

生活者の目線で日本の政治社会の有様を綴る

スケッチブック30(報道の自由度)

2018-11-27 17:25:15 | 日記
11月27日(火)
 報道の自由度ランキングが気になったので少し調べてみた。やはり食わせ物である。
 各国づつに20人の担当者がいて、その国の自由度について評価を出すらしい。20人の氏名は公表されない。そしてここが問題なのだが、例えばA国の担当者とB国の担当者がお互いの評価尺度を照らし合わせるということが、ないらしいのだ。だから厳しい担当者は、政府高官の取材拒否を自由度マイナス5点とつけるが、そうでない担当者は0点とつけるというような事態が、起こっているらしい。
 日本は鳩山政権の時はランキングが11位だったが、安倍首相が再登板すると50位を超えた。その理由を問われた国境なき記者団のアジア担当者は、日本を担当する人がそのような悪い評価を出してきたからだと、答えたとのこと。体操でもフィギアスケートでも採点競技の審査員は共通の採点尺度を叩きこまれているが、報道の自由度ランキングにはそれが無くて、個人の裁量がそのままランキングに反映されているようなのである。日本の担当者の大部分は恐らく日本人であろう。それらが左翼記者であろうことは容易に推察できる。ならば支局長を長期に拘束する国よりも、日本のランキングが下になっても、成程と頷けるというものだ。
 一方で国境なき記者団は、担当者の政治的な志向が、ランキングに反映することはないと強弁するだろう。それを額面通り受け取ると、日本の低位置はやはり記者クラブ制度だということになる。鳩山の時は前述のように11位で、管の時はランキング発表がなく、野田が22位である。安倍政権は初め50位で今は70位台だ。極端な差がある。では安倍政権と民主党とで報道の自由に関して何が違ったのか。考えられる大きな違いは、記者クラブに対する態度の差である。
 民主党は記者クラブ制度の廃止をもくろんだ。それを政権奪取の公約に掲げていた。実際かなりの省庁で、フリーランスの記者にも会見への出席を認めた。安倍政権になってそれが従来に戻されたと聞く。この経過を私は迂闊にも当時知らなかった。だから詳しくはないのだが、民主党は記者会見を全ジャーナリストに開放し、安倍政権がそれを閉じたという文脈を信じるとすると、ランキングが上下した主原因は記者クラブの存否だと、いうことになる。
 ならば朝日や東京は日本の状況を嘆くより、自分たちのありようを改善すべきだろう。