山クジラの田舎暮らし

岩手県北の田舎に生息する「山クジラ」です。定年後の田舎暮らしや趣味の山行きのことなど、発信していきます。

『壮心の夢』=火坂雅志著

2012-12-28 07:44:42 | 読書

 いよいよ今年も押し詰まってきた。昨日は、新年早々に配布する「民報」の号外の印刷を頼んでおいたのを受け取りに行き、ついでに久慈市内のスーパーで、連れ合いから頼まれた年越し用食品を購入する。さらに、「サンデー」で大掃除用の洗剤を買ったりして、昼過ぎての帰宅となった。午後は、28日と1月6日の合併号の「日曜版」を合わせ「民報」号外を折り込んだり、「後援会ニュース」を4つ折りにするなどの単純作業をして、夕方「アグリパーク大沢」まで風呂に入りにいった。

 この間読んだ『壮心の夢』の読後感想をのせておく。『壮心の夢』の作者は火坂雅志で、14の短編からなるもので、文春文庫版であった。1999年には単行本で出版されている。この本では、荒木村重、赤松広道、亀井茲矩、木村吉清、蒲生氏郷、神子田正治、前野長康、木下吉隆、今井宗久、神屋宗湛、石田三成、池田輝政、菅道長、和久宗是という秀吉の天下取りのもとに集まった14人の人物を描いている。

 「壮心の夢」は前野長康の漢詩、「蓬州(尾張の国)馬を駆ける壮心の夢」という下りからとったらしい。著者が「あとがき」で「私が本当に書きたかったのは、男たちの出会いと別れのドラマにほかならない」と書いたように、麻のように乱れた戦国の世の中で出会い、別れていく男たちの姿を切り取っているものであった。


『散華の刻』〈居眠り磐根江戸双紙41〉=佐伯泰英著

2012-12-27 07:48:35 | 読書

 26日は、党岩手県委員会で小選挙区立候補者会議があって出席した。1~4区の4人が出席し、県委員長が簡単にあいさつした後、それぞれ取り組んでの感想をのべた、私は「わずか24日間のたたかいであったが、演説で党員や支持者をはげますことを第一にがんばったので、党員冥利に尽きる」と発言した。東北ブロックと岩手では前進面を開いて議席を確保したのだが、全国的には1減であり情勢の複雑さを反映していると思わざるをえない。

 行きかえりの列車の中などで、佐伯泰英の〈居眠り磐根〉シリーズの41巻目にあたる『散華の刻』を読んだ。面白いので家に帰ってからも読んで、1日で読み終わってしまった。話は磐根の元所属していた関前藩をめぐる騒動で、江戸家老が関前藩の物産事業を乗っ取り、長崎からの物品の販売にかこつけ大麻を江戸に持ち込もうとするのを、国家老で磐根の父である正睦が出府して磐根とともに解決にあたるというものだ。いつもながら、磐根の剣が問題を解決するのだが、「あとがき」を読むと、何となくこのシリーズの終了が近づいているような感じだ。磐根がこれ以上出世するような姿は見たくもない気がするので、それもありかなとも思った。


『蛍の橋』=澤田ふじ子著

2012-12-26 08:20:04 | 読書

 澤田ふじ子の『蛍の橋』は、美濃の陶工として優れた才能を持つ平蔵が、凋落している美濃茶陶の再興をめざして京への修行に上る。その道中に東庵という僧にであうことから、この物語は始まる。東庵は実は真田幸村の一子で、大阪城落城の折秀頼とともに死んだことになっていえうが、生き延びて徳川幕府を倒して再び豊臣の天下をとめざす浪人たちの頭目の位置にあるという設定。平蔵は、東庵にひかれ野々村仁清のもとで修行する間も、彼のいる西法寺を訪ね心の交流を続ける。豊臣の残党は、資金集めのために強盗、火付けなども働き、やがてそれは京の町の治安を守る所司代の探索を受ける。東庵らが捕縛された際、本来無関係の平蔵も捕縛され、尋問を受ける。東庵は病死した後貼り付けにされる。平蔵も一味として斬首されさらされ、いいなずけの登勢はかつて平蔵と愛を交わした河原で、平蔵の首を見つめるのだ…。全体として澤田ふじ子らしい、権力に対する怒りを含めた鋭い告発の作品であると思う。


『白疾風』=北重人著

2012-12-25 11:45:54 | 読書

 北重人が『超高層に懸かる月と、骨と』で第38回オール読物推理小説新人賞を受賞したのは1999年で51歳の時であったらしい。長編デビューは『夏の椿』でそれから5年後(2004年)、第2作『蒼火』は2005年、第9回大藪晴彦賞を受賞したのが59歳の時だという。北重人は2009年8月に急逝している。

 『白疾風』の主人公は、伊賀の忍びの三郎。信長の伊賀攻めで伊賀を追われ、北条滅亡の小田原攻めで仲間を失った三郎は、武蔵野の谷に落ち延びて、静かな生活を送っていたが、三郎の谷に山金が眠っているとかつの仲間が言いふらし、小田原北条の乱波・風魔党も暴れている。谷の村をめぐる攻防で、三郎は最後の忍び働きをする。その名が「白疾風」(しらはやち)なのである。時代物ではあるが、ミステリー仕立てでなかなかスリリングで面白い作品だった。


「としな」を購入=正月の準備

2012-12-24 07:33:57 | 地域

 昨日、久慈市のスーパーで「としな」を購入した。洋野町をふくむ久慈地域では、正月の飾りを「としな」というもので行う。私は、上州の産なので「としな」を飾る風習はなかった。先日ラジオを聴いていると、「としな」とは「年縄」がなまったものだという話をしていて、なるほどと思った次第。「としな」には「かけとしな」というものと、呼び方は忘れたが、門口全体にかけるのと二通りあるらしい。わが家では「かけとしな」で、もともとは義父がワラをたたいて作っていたが、いつの間にか放棄してしまったので、一昨年はとにかく自分で作ってみたが、あまり見映えの良いものではなかった。昨年は、種市のスーパーで見かけたので、それを購入して飾った。種市のはまったく飾りがなく、義妹たちが田作り、昆布、凍み豆腐などを結わえたのだが、後で見ると久慈市内で売っていたものに、松などを飾ったものがあったので、今年はそれを購入したが、1束10本で500円だった。

 今年もいよいよ押し詰まってきた。年賀状も準備中だが、妻と2人で200枚位になるのだろうか。その他、議員である妻は有権者との関係では「虚礼廃止」とかで年賀状は出せないので、「議会報告はがき」を何枚か出す予定。さらに、新年号の「民報ひろの」号外、同じく後援会ニュースの作成、印刷などがある。それが済んで、台所などの大掃除、餅つき、お節の準備などをやりきらなければならない。気がせいてばかりで、実際ははかがいかないものいつもの年と同じである。