熊谷達也の小説「群青に沈め」は、たまたま書店の書架に並んでいるのを発見し、少し前に読んだ小説である。
この話は、1945年夏の物語で、予科練を志望し航空特攻を願っていた青年(まだ少年?)が配備された「伏龍隊」とい名の自爆攻撃のための訓練隊であった。要するに簡単な潜水服をまとって、アメリカ軍の上陸用舟艇に爆雷を突き付け沈めてしまおうという、日本軍が考え出した特攻の中でも、もっとも陳腐なものだ。しかし、軍の命令は絶対であり、隊員たちは粗末な潜水用具で日夜訓練を繰り返す。そのうち、事故で亡くなるもの出る。ところが8月15日の終戦で、この隊は解散し、主人公の浅沼遼一が故郷へ向かう列車に乗るために、久里浜の駅をめざして駆け出していくところで終わる。
私が、この話で引かれたのは、主人公の浅沼遼一が合併して洋野町となった旧種市町の出身で、その父親が南部もぐりの潜水夫であるという設定で書かれていることである。ご存じの用に種市は南部もぐりで知られ、サルベージ作業に従事する人も多く、県立種市高校には「海洋開発科」という学科があり、潜水実習もやられている。筆者は種市高校で潜水実習も見学して、この本を書く参考にしたと「謝辞」の中で書いている。
日本軍国主義の理不尽と、その中で精いっぱいいきた若者たちの生き方を、ぜひこの本で味わってほしい。
読んだのは「角川文庫」版、定価629円。
この話は、1945年夏の物語で、予科練を志望し航空特攻を願っていた青年(まだ少年?)が配備された「伏龍隊」とい名の自爆攻撃のための訓練隊であった。要するに簡単な潜水服をまとって、アメリカ軍の上陸用舟艇に爆雷を突き付け沈めてしまおうという、日本軍が考え出した特攻の中でも、もっとも陳腐なものだ。しかし、軍の命令は絶対であり、隊員たちは粗末な潜水用具で日夜訓練を繰り返す。そのうち、事故で亡くなるもの出る。ところが8月15日の終戦で、この隊は解散し、主人公の浅沼遼一が故郷へ向かう列車に乗るために、久里浜の駅をめざして駆け出していくところで終わる。
私が、この話で引かれたのは、主人公の浅沼遼一が合併して洋野町となった旧種市町の出身で、その父親が南部もぐりの潜水夫であるという設定で書かれていることである。ご存じの用に種市は南部もぐりで知られ、サルベージ作業に従事する人も多く、県立種市高校には「海洋開発科」という学科があり、潜水実習もやられている。筆者は種市高校で潜水実習も見学して、この本を書く参考にしたと「謝辞」の中で書いている。
日本軍国主義の理不尽と、その中で精いっぱいいきた若者たちの生き方を、ぜひこの本で味わってほしい。
読んだのは「角川文庫」版、定価629円。
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