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山クジラの田舎暮らし

岩手県北の田舎に生息する「山クジラ」です。定年後の田舎暮らしや趣味の山行きのことなど、発信していきます。

『吉原裏同心(十七)夜桜』=佐伯泰英著

2012-10-24 06:29:22 | 読書

 佐伯泰英の『吉原裏同心』シリーズの第17作、『夜桜』を読んだ。佐伯作品に登場する主人公は、様々な事情で本来の生活から離れ、庶民の間でひっそり暮らすのだが、剣の技に優れその人柄から周辺の人に愛されるというような人物が多い気がする。『吉原裏同心』シリーズの神守幹次郎もその典型といえるだろう。『夜桜』では、足抜けをたくらむ女郎と一見うだつの上がらない藩の勘定方だが必殺剣を相伝された男が作り出す騒ぎと、妹を探すために走り比べを挑む浪人の話が同時進行で絡み合いながら進んでいく。今回幹次郎が剣を抜いて人を殺めるのは一回きりだ。今回の話の中で、幹次郎が面番所の隠密回り同心を持ち上げたりしながらうまく動かす場面が時折出てくるが、彼がそれだけ吉原の水に慣れ、人間的にもさらに成長した証しなのだろうか。相変わらずの佐伯作品の面白さである。

 本日、群馬県渋川市の伊香保温泉で金島中学校の同期会が開かれるので、9:07二戸発の「はやて」で向かうことになっている。ここ4回ほど同期会には出席している。60代に入って、みんなリタイアしたり孫育てに取り組んだりしていることだろう。会うのが楽しみである。詳しくは明日帰宅後に。