原発ゼロをめざす学習会が久慈市中央公民館で開かれた。講師は高塚龍之岩手大学名誉教授。専門は理論物理学(天体核物理学)とのことだ。アピール「原発に依存しない社会、再生エネルギーへの転換を」の呼びかけ人の一人として活躍されているとのことだ。
講演では最初に、アピール「原発に依存しない社会、再生エネルギーへの転換を」を取り組んだ動機から説き起こし、①原発からの早期撤退、②再生エネルギーを主軸としたエネルギー政策の転換が必要という結論に達したことを紹介した。この運動は、学者や医師、法律家など多様な人々で構成されているという。次いで、高塚名誉教授は原子力の特異性について説明、核分裂反応が非常に膨大なエネルギーを出すと同時に、放射能物質という他の反応にない厄介なものを作り出すこと。そして人類はそれを安全に処理する能力をもっていないことなどを、科学者の立場から解明された。今回の講演で学ばされた点では、原子力の材料であるウランが限界のあるエネルギー源であるということだった。これに対し、太陽光など再生可能エネルギーは、太陽がなくならない限り存在する無限の可能性を持つものであることだった。
いずれにしても、危険な上に経済的にも利益にならない原発はゼロを実現しなければならない。そのためには、「30年代にはゼロ」などというまやかしを許さず、共産党の提起した「即時ゼロ」こそが最も現実的な道であることを講演を通じて理解した。