まだ優勢な太平洋高気圧に支配され、岩手県北部でも日中は30℃を超える日が続いている。日中は気温が上がるにつれ セミたちが過ぎていく夏を惜しむように鳴きだす。私が「しんぶん赤旗」の日刊紙を配達する午前4時から5時頃の大野は、コオロギなど秋の虫の天下である。その虫たちも気温が上がるにつれ、静かになってしまう。今、季節は毎日夏の高気圧と、秋のおとずれを告げる気団とが東北の上空でせめぎあっているところだろう。例年に比べ、秋の訪れは遅いが、高温のもとで稲は順調な生育を続けており、「豊作」といって良い結果になると思う。昔とちがって素直に喜べないのは、米が余計取れると市場価格が下落する結果になるからである。すべての市場にまかせる行過ぎた「自由主義経済」の問題を明確にし、食料は自らの国土から作り出す政治への転換こそ求められていることだと思う。