東南アジア・ヴァーチャル・トラヴェル

空想旅行、つまり、旅行記や探検記、フィールド・ワーカーの本、歴史本、その他いろいろの感想・紹介・書評です。

押川典昭 訳,プラムディヤ選集4・5,『すべての民族の子』,上下,めこん,1988

2007-12-27 23:01:58 | フィクション・ファンタジー

『足跡』の項で、全4部作の第2部で中断と書いたが、この第2部『すべての民族の子』も無事読了。
これで全4部を通読した。
みなさまがたは、ちゃんと、1部2部3部4部と順序よく読むように。
というか、それがあたりまえですね。

オランダ東インド政庁というのは、日本の江戸時代のような身分制社会だったと納得。
それを崩すには、フランス革命思想や自由民権、共和制という西洋伝来の魔法を導入しなければならなかった、というのも納得。

蒸気機関車や自転車というような、まがまがしく、人々を幻惑する魔法も同時に伝わる。


内澤旬子,『世界屠畜紀行』,解放出版社,2007

2007-12-27 22:47:06 | フィールド・ワーカーたちの物語

内澤旬子,『世界屠畜紀行』,解放出版社,2007

超おすすめ、ことしのベスト!
このタイプの本、要約しても無駄だし、ただただ著者といっしょに楽しむだけ。紹介・レビューしにくい本だな。

『東方見便録』(小学館,1998、当ブログでレビュー済)や『センセイの書斎』(幻戯書房,2006)と同じスタンスで書かれ、同じように楽しめる。
アウトドア派であり書斎派(?)、文武両道のイラストレーター。

『本の雑誌』2008年新年号で、2007年の出版関係者・書評家のベスト・スリーが掲載されている。そのなかで、最相葉月さんが、ベスト3にあげている。
最相さん自身の『星新一 一〇〇一話をつくった人』,新潮社,2008も今年のベスト10級。
SF関係者や出版関係者ではない書き手によって、最初の基本的伝記が書かれたのは、星新一にとっても読者にとっても、ひじょうにラッキーだった。