東南アジア・ヴァーチャル・トラヴェル

空想旅行、つまり、旅行記や探検記、フィールド・ワーカーの本、歴史本、その他いろいろの感想・紹介・書評です。

前川健一,『バンコクの好奇心』,めこん,1990

2006-06-25 22:12:56 | コスモポリス
いまさら紹介するまでもない、バンコク案内の古典。
本書においてわたしははじめてバンコクにも書店があるという事実にきがついた。
そんなことも知らなかったのかと顰蹙をかうだろうが、東南アジアの街について、日本の街を歩くように、書店やデパートやバスの話題を(はじめてとはいえないだろうが、同時代、同世代の視点として)とりあげたのが、この本である。

そんな雑学知識のほかに、本書がすごい、というか、あたりまえなのは、参考にした本・資料をきちんと明記していることだ。
どうも、かんちがいしている人がいるようだが、参考図書・文献を明記するということは、「このことは、わたしがはじめて書くのではなく、以下のなになにという本にお世話になりました」という、読者への、当然の情報公開なのである。それをやらないのは、盗作もしくはパクリである。
本書でもいろんな本を知った。
プラヤー・アヌマーンラーチャトン、ククリット・プラモート、ボータンなど、バンコクに関する本で、わたしが紹介するものも、本書でその存在を知ったものが多い。
感謝する。