Chateau Cantemerle 2005
シャトー カントメルル Château Cantemerle
シャトー カントメルルはオーメドックの南部マコー村に位置し、第3級シャトーのシャトー ラ ラギューヌに隣接しています。シャトーは大木のある大きな公園に面した森の中にあり、ラベルに描かれているように美しいシャトーです。シャトーの名前カントメルルは“さえずるツグミ”という意味です。
シャトーは、12世紀にガロンヌ河に面した城壁の一部として構築されました。ワイン造りの歴史は16世紀後半にまで遡ることができ、1855年のメドックの格付けで第5級に格付けされています。現在はフランスの保険会社SMABT社の所有になっており、ぶどう樹の植え替え、新鋭の醸造設備の導入により、品質が大きく向上しており、もしその格付けが変更されれば第3級の実力があるともいわれています。
現在、87ヘクタールぶどう畑を所有しており、カベルネソーヴィニョン52%、メルロ40%、カベルネフラン3%、プティヴェルド5%の割合で植栽されています。リッチでしなやかな果実味と、強烈で華やかなブーケにあります。また、メドック地区では珍しくメルロの比率が高く、フレッシュなタンニンと華やかな果実味が持ち味で、若いうちから楽しめるワインを造っています。
シャトーカントメルル2005
≪グレートヴィンテージ2005年≫
≪パーカーポイント90点!≫
シャトー カントメルル [2005]
商品情報
色 赤
容 量 750ml
ぶどう品種 カベルネソーヴィニョン、メルロ、カベルネフラン、プティヴェルド
味わい フルボディ
アルコール度数 15度未満
産 地 フランス/ボルドー/オーメドック
統制産地呼称 ACオーメドック
格付け グランクリュ第5級
コメント 幅広く豊かなアロマと、密度の高いタンニンと果実味、グレートヴィンテージのワインならではの、高い次元でのバランスの素晴らしさを味わえるワインです。この半世紀では最高と評されているワインです。
(ワインダールより)
シャトー・カントメルル (メドック地区オー・メドックAC/マコー村 第五級)
Chateau Cantemerle http://www.cantemerle.com
お値打ち感のある第五級格付けシャトー
’90年にフランスの保険会社SMABT社の所有になってから評価を上げつつあります。メルローの比率が高く、若いうちから心地よく華やかな果実の風味が花開き、その芳醇な熟成感が人気を呼んでいます。
ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
ちっぽけなマコー村のちょうど南にカントメルルの愛らしいシャトーがある。有名な県道2号線(ボルドーからメドックに抜ける幹線道路)に沿った深い樹木に覆われた公園の中にあり、そのワインづくりの歴史は、16世紀後半にさかのぼる。今世紀になってからの大半の期間はデュボ家が所有しており、ほれぼれするほど香り高い、エレガントな姿のワインの生地としてこのシャトーを有名にしたのは、この一家である。しかし、資金難や一族の内紛のせいで、カントメルルは1980年、売りに出された。1970年にはこのシャトーは荒れるがままになっており、1975年以降のいくつかのヴィンテージはその影響をまぬがれ得なかった。カントメルルのセラー、シェ(ワイン蔵)、そしてシャトーは刷新され、新しいセラーや醸造設備、最新設備を導入したテイスティング・ルームなどがつくられた。そしてとりわけ重要だったのは、品質に対する真剣な取り組みがなされたことである。
1980年以前は、瓶ごとのばらつきがかなりあって、多くのヴィンテージが、古い樽のにおいや果実味の欠如という欠点を抱えていた。経営者が変わってから今日に至るまでの最上のワインは1989年と1983年である。ブドウ畑は大幅に植え替えられたため、樹齢が上がるにつれて、品質はさらに向上するに違いない。カントメルルのスタイルの特徴は、リッチで、しなやかな果実味と、強烈で華やかなブーケにある。畑の比較的軽い土壌と高いメルロの割合を考えると、決して超大作になるようなワインではないだろう。カントメルルの最良の作品は、きまって、いくばくかの芳香がある早熟タイプであり、そのために若いうちから、申し分のない魅力がある。ただし、高い期待が寄せられているにもかかわらず、カントメルルは過去10年間、1989年と1983年ほど卓越したワインをつくっていない。
~一般的な評価~
カントメルルは、いつになったら神秘的な1989年、1983年、あるいは1961年のような出来栄えをふたたび見せてくれるのだろうか? どうしたことか、このシャトーは1970年代と1980年代のスランプの後、完全に回復したことがない。ワインは、よくできているが、並はずれたものとなることはない。概してその格付けにふさわしい。ただし、読者の方は、(残念なことにめったにないが)偉大な成功作に注意を向けるとよいだろう。三級に比肩する作品で、まぎれもなく目を向ける価値がある。全体からみると、品質に対する価格比には興味を持てる。
平均年間生産量:35万本
畑 面積:87ha、平均樹齢:25年、密植度:1万本、平均収量:55hl/ha
育成:発酵は、最良のロットのものは木とコンクリートの槽で、残りはステンレス槽で行う。発酵温度は一定でなく、メルロは26~28℃、カベルネは28~30℃、プティ・ヴェルドは30~32℃。マセレーションは最低22℃で30日間。収量の20%(メルロのみ)は新樽内マロラクティック。熟成は新樽40%で12ヶ月。澱引きは12℃で3回。必要なら軽い清澄を行うが、濾過はしない。
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニョン52%、メルロー40%、プティ・ヴェルド5%、カベルネ・フラン3%
所有者:SMABTP(相互保険会社)
(宮武酒店より)
シャトー・カントメルル 2005年
ワインデータ
生産者 シャトー・カントメルル
産地 ボルドー>
メドック>
オー・メドック
格付け メドック5級
タイプ 赤ワイン-ミディアム
分類 スティルワイン
サイズ 750ml
セパージュ
※目安 カベルネ・ソーヴィニヨン50%
メルロ40%
カベルネ・フラン5%
プティ・ヴェルド5%
ボディ 軽快 ● ● ● ● ● 重厚
コメント メドック5級格付けのグラン・ヴァン。しかもボルドー・ビックヴィンテージ2005年です。ボディはミディアムですが、豊かなアロマやふくよかな飲み口はスケールの大きなものです。しかし優れたフィネス、エレガンスを兼ね備えているので非常にスムーズでフルーティなワインに仕上がっています。2005年物のメドック格付けが1万円を切るプライスで買えるうれしいワインです。
koichi八田コメント
メドック5級格付けのグラン・ヴァン。ボルドー・ビックヴィンテージ2005年。
ボディはミディアムですが、豊かなアロマやふくよかな飲み口はそれ以上にスケールの大きなものです。しかし優れたフィネス、エレガンスを兼ね備えているので非常にスムーズでフルーティなワインに仕上がっています。
偉大なヴィンテージ『2005年』の『メドック格付け』が、1万円を切るプライスで買えるうれしいワインです。
解説
メドック3級に匹敵する地味なグラン・クリュ『シャトー・カントメルル』
オー・メドックの5級に格付けされるこのワインは、意外なほどの熟成能力を見せるクラシックスタイルのハイ・ポテンシャルなワインです。グラン・クリュの5級に序列されるわりには知名度は高くはありませんが、その実力および歴史はボルドーでもトップクラスを誇ります。
カントメルルが所有する畑は、この地域ではラ・ラギューンと並んで非常に優れた土地であり、オー・メドックでは最高の評価を得ています。
シャトー・カントメルルの歴史は非常に輝かしく、古くは、カントメルルの秀逸なヴィンテージとなると1級シャトーよりも高値が付くこともあったほどです。
今日、シャトー・カントメルルは決して高名な1級や2級シャトーほどのステイタスを誇るわけではありませんが(メドック5級格付け自体、大変なステイタスではありますが)、名門らしく伝統にのっとった、しっかりしたワイン造りが行われており、その品質は常に知名度を上回っています。
壮麗な公園に隠れたメドック最南端に位置するシャトー・カントメルルは、最近、樹の大部分がマルゴー系の砂利砂質土壌に植え替えられたとは思えないほど素晴らしい畑を所有しています。
スケールアップをはたしたカントメルル
シャトー・カントメルルは、上品なアロマに穏やかなタンニンなど、ソフトなスタイルに評価されていましたが、確かに1980年代と1990年代初めのヴィンテージは非常にしなやかで、しばしばエレガントだったワインは、今では柔らかさと繊細さのバランスを活かしたたままに力強さも増し、素晴らしい凝縮感、豊かさを誇るスケールの大きなスタイルとなっています。
(シエル・エ・ヴァンより)
シャトー・カントメルル
Chateau Cantemerle
5 級 PP5級
AOC オー・メドック マコー村
~シャトー名は、庭園でさえずる(カント)クロツグミ(メルル)の意。
セカンド レ・ザレ・ド・カントメルル
Les Allees de Cantemerle
年間生産量13万本
畑 面 積 87ha
年間生産量 35万本
隣 接 畑 ラ・ラギューヌ(リュドン村)
オーナー SAMBTP(保険会社)(1981年取得)
作付割合 カベソー52% メルロー40% カベフラ3%
プティ・ヴェ 5%
平均樹齢 25年
植栽密度 10,000本/ha
収 量 55hl/ha
タ ン ク 木製タンク、28基のフレンチオーク製
ステンレスタンク12基、樹齢が低い区画のブドウ用
コンクリートタンク、予備
収穫・選果 手摘。20kgカジェツト使用。畑で4台の移動式選果台
2回目は醸造所内バイブレーター式選果台
マセレーション 22℃で20日間
低温マセレーション(12℃)2005年から
発 酵 6日から8日
カベルネ 28℃から30℃、メルロー 26℃から28℃
プティ・ヴェ 30℃から32℃
マロラクティック発酵は別タンクに移して
酵 母 培養酵母添加
新樽比率 40% トロンセ・オーク、5社から焼き付けミディアム、
残60%は1年落ち
樽 熟 成 12ケ月、高樹齢メルローのみ、樽内マロラクティック発酵
最後の4ヶ月はステンレスタンクで熟成
澱 引 き 3回
コラージュ 必要により。豚のゼラチンを使用。
濾 過 しない。
セパージュ
1994年 カベソー50% メルロー40% カベフラ 5% プティ・ヴ 5%
2001年 カベソー40% メルロー40% カベフラ10% プティ・ヴ10%
2005年 カベソー50% メルロー40% カベフラ 5% プティ・ヴ 5%
特 徴 リッチでしなやかな果実味と強烈なブーケ。
香 り 甘酸っぱいチェリー、レーズン、レッドカラント、クランベリー、
アカシア、
飲み頃が続く期間/ 収穫後5年から15年
★1970年代、1980年代スランプ ★1999年 BAD
評 価 ボルドー第4版より 重要なヴィンテージ
古いヴィンテージ
1970年代のヴィンテージはたいてい極めてがっかりさせられるものだった。偉大な1961年(92点、最終試飲1988年1月)は、最後に試飲してから優に10年以上たっているが、適切に保管されていたものならひょっとすると今でもまだ持ちこたえているのではないかと思う。歴史的なヴィンテージのものでは、1959年(89点)は1961年のはるか後方。もちろん1953年(94点、最終試飲1996年11月)は伝説的なワインだ。多分これまでに造られた(少なくとも過去60年で)最上のカントメルルだろう。
1982年 PP87
縁にはかなり琥珀色も見られるが、良好な、甘い西洋杉,挽いた胡椒、草っぽい趣と混ざり合ったイチゴやブラックベリージャムの香りを呈している。ミディアムボディで、しなやかだが、いくらかの魅力的なレベルのグリセリンもまだ残っている。1983年の複雑さはないが、この肉付きの良さやみずみずしい舌触りには実にほっとさせられる。
予想される飲み頃 2000年まで ダウン
1983年 PP90
このゴージャスなワインは、一貫して縁いっぱいまで濃い暗いルビー/ガーネット色をしており、溶けた甘草、ライラック、熟したブラックカラントやプラム、ほのかなブラックベリーのゴージャスなノーズがある。初めから気前の良い、しなやかなワインで、タンニンは甘く、酸は弱く、多量の果実味がある。これは美酒で、過去30年間で最も成功したカントメルルの一つである。
予想される飲み頃 2006年まで ダウン
1985年 PP86
ずいぶん枯れ始めている。中程度のルビー色をしているが、縁にはすでにかなり琥珀色も見られる。花の様な、スパイシーなノーズには、チェリー、レッドカラント、なめし革、ほのかなウイキョウの趣も感じられる。ミディアムボディの、やわらかい、比較的際立ったところのないワインだが、実に心地よい。
予想される飲み頃 2000年まで ダウン
1986年 PP84
生硬な、コンパクトな、痩せたワインだ。タンニンは強いが、いくらか甘いカラントやチェリーの果実や、なめし革、コンポスト、土を思わせる含みが感じられる。ミディアムボディのワインだが、これ以上良くなる事はない。
予想される飲み頃 2000年まで ダウン
1988年 PP86
暗いプラム/ガーネット色をしており、煙草や雑草の様なレッドカラントやブラックカラントのほどほどの強いノーズがある。ミディアムボディのワインで、フィニッシュにはいくらか鋭いタンニンも見られる。単刀直入で心地よいが、一般的な意味で際立ったところがない作品である。
予想される飲み頃 2006年まで ダウン
1989年 PP92
カントメルルとしては完ぺきな成功作で、過去40年間で最も記念碑的なワインの一つである。濃いルビー色をしているが、中心には紫色がたっぷり。ワインは花と混ざり合ったブラックカラント、ブラックベリー、ミネラルの古典的なカントメルルのノーズを持つ。驚くほど豪勢な、みずみずしい、非常に華やかなワインで、舌触りはしなやか、フィニッシュはゴージャスである。決して超大作ではないが、絹の様な、見事なまでに純粋なワインだ。最終試飲2002年9月
予想される飲み頃 2010年まで ギリギリ
1990年 PP87⇒PP86
暗いルビー色をしており、縁にはいくらかピンクも見られる。エレガントな模範的カントメルルは、ミディアムボディと、特に花の様な、プラム、カラント、白い花、西洋杉、ミネラルの甘いノーズを持つ。酸は弱く、軽く、しなやかなタンニンがある。この古典的な、より軽量級のボルドーは、チャームやフィネスそのものである。
予想される飲み頃 2006年まで ダウン
1995年 PP86
中程度のルビー色で、縁はすでに薄くなってきている。胡椒の様な、ハーブの色合いがあるレッドカラントの果実のアロマは、心地よいが、興味を掻き立てられない。ミディアムボディの単刀直入なワインで、最高級の格付けシャトーの持つ深み、多面性、力強さに欠けている。最終試飲2002年1月
予想される飲み頃 2010年まで ギリギリ
1996年 PP87
秀逸なカントメルルである。暗いルビー色をしており、甘いノーズはブラックベリー、微妙な新樽、アカシアの香りである。上質な甘さと、がっしりとしたタンニンが感じられる。エレガントで、均整の取れたワインだ。樽から試飲した時より外向的で、より軽いものになっているが、スタイリッシュなカントメルルの一例である。最終試飲2001年3月
予想される飲み頃 現在から2015年 sei
1998年 PP84
暗いルビー色をしており、縁には紫色も見られる。心持ち草っぽく、ミディアムボディで、スタイルは軽め。魅力的なアロマや風味はあるが、深みや余韻の長さに欠けている。
予想される飲み頃 2009年まで ダウン
1999年 PP79
がっかりさせられる。草っぽい、ライトからミディアムボディのワインで、造りはきれいだが、実質や深みはない。また、フィニッシュもやつれている。最終試飲2002年1月
予想される飲み頃 現在から2012年 sei
2000年 PP88
暗いルビー/紫色をしており、甘いクランベリー、桑の実、チェリーの果実を思わせるアロマがある。秀逸な葡萄の完熟感のあるアタック。みずみずしく酸の弱い、ミディアムボディの個性にほどほどのタンニン。2000年は輝かしい1989年を忘れさせるほどのものにはならない筈だが、優良なワインである。最終試飲2003年1月
予想される飲み頃 現在から2014年 sei
2001年 PP87
中程度の暗いルビー色をしており、エレガントな芳香はレーズン、レッドカラント、乾燥ハーブ、溶けた甘草を思わせる。タンニンは甘く、ボディはミディアム。軽いがうまく模様づけされたスタイル。
予想される飲み頃 現在から2013年 sei
2002年 PP81
2003年 PP86~88⇒PP85
エレガントな、ブルゴーニュ・スタイルの作品。甘酸っぱいチェリー、白い花、森の土の趣が見られる。ミディアムボディの、独特の刺激のあるワインだ。
若いうちから飲むか、10年~12年待って飲むか。
予想される飲み頃 現在~2015年 sei&進入禁止
2004年 PP87 ワインアドヴォケイト♯171 Jun 2007
2005年 PP90 ワインアドヴォケイト#176 Apr 2008
ドライハーブ、甘いレッドチェリー、春の花、スパイス箱、ブルーベリーの香りが立ち上ってくる。タンニンは中程度でミディアムボディ、エレガントで美しい構造、純粋でバランス良いワイン。
予想される飲み頃 2012年~2025年+
2006年 PP90
2007年 PP90
2008年 PP88
2009年 PP91
予想される飲み頃 2012年から2040年
2010年 PP91~93
2011年 PP88~90
ちっぽけなマコー村のちょうど南にカントメルルの愛らしいシャトーがある。有名な県道2号線(ボルドーからメドックに抜ける幹線道路)に沿った深い樹木に覆われた公園の中にあり、そのワインづくりの歴史は、16世紀後半にさかのぼる。今世紀になってからの大半の期間はデュボ家が所有しており、ほれぼれするほど香り高い、エレガントな姿のワインの生地としてこのシャトーを有名にしたのは、この一家である。しかし、資金難や一族の内紛のせいで、カントメルルは1980年、売りに出された。
1970年にはこのシャトーは荒れるがままになっており、1975年以降のいくつかのヴィンテージはその影響をまぬがれ得なかった。カントメルルのセラー、シェ(ワイン蔵)、そしてシャトーは刷新され、新しいセラーや醸造設備、最新設備を導入したテイスティング・ルームなどがつくられた。そしてとりわけ重要だったのは、品質に対する真剣な取り組みがなされたことである。
1980年以前は、瓶ごとのばらつきがかなりあって、多くのヴィンテージが、古い樽のにおいや果実味の欠如という欠点を抱えていた。経営者が変わってから今日に至るまでの最上のワインは1989年と1983年である。ブドウ畑は大幅に植え替えられたため、樹齢が上がるにつれて、品質はさらに向上するに違いない。カントメルルのスタイルの特徴は、リッチで、しなやかな果実味と、強烈で華やかなブーケにある。畑の比較的軽い土壌と高いメルロの割合を考えると、決して超大作になるようなワインではないだろう。カントメルルの最良の作品は、きまって、いくばくかの芳香がある早熟タイプであり、そのために若いうちから、申し分のない魅力がある。ただし、高い期待が寄せられているにもかかわらず、カントメルルは過去10年間、1989年と1983年ほど卓越したワインをつくっていない。
キャミソール 一般的な評価
カントメルルは、いつになったら神秘的な1989年、1983年、あるいは1961年のような出来栄えをふたたび見せてくれるのだろうか? どうしたことか、このシャトーは1970年代と1980年代のスランプの後、完全に回復したことがない。ワインは、よくできているが、並はずれたものとなることはない。概してその格付けにふさわしい。ただし、読者の方は、(残念なことにめったにないが)偉大な成功作に注意を向けるとよいだろう。三級に比肩する作品で、まぎれもなく目を向ける価値がある。全体からみると、品質に対する価格比には興味を持てる。
歴 史
このシャトーは、古い要塞の跡に建てられました。要塞はバイキングらの襲来を防ぐために建てられたものであり、メドック川から1㎞離れた深い樹木に覆われた公園の中にシャトーがあります。
記録では1147年に法服貴属であるカントメルル領主がいた様で、この一帯でワイン造りが始まったのは1354年頃と言われています。
14~16世紀にはブランクフォール家が所有、1579年にはヨハン・ヴィルヌーヴが取得し、その後3世紀にわたってヴィルヌーヴ・ドゥ・デュルフォール家の所有となります。
1892年、シャトーはデュボス家に売却され、300年間続いたヴィルヌ-ヴ・ドゥ・ドュルフォル家の支配は終わりを告げることとなります。
ほれぼれするほど香り高い、エレガントな姿のワインの生地としてこのシャトーを有名にしたのは、この一家です(パーカーの弁)。しかし、資金難や一族の内紛のせいで、カントメルルは1980年、売りに出されます。
新しい所有者テオフィル・デュボスは、カントメルルのブドウ栽培者であり、同時にメドックのクリュ・クラスの労働組合副委員長であり、1914年に売られることになるデュボス・フレール社の仲買人でもあったようです。彼の死後、息子ピエールとベルナルがカントメルルを相続し、1923年にはピエールの単独所有となります。
1930年から始まった戦争の間、いくつかのワイン区画で葡萄樹が引き抜かれ、1945年からは25haしか栽培出来ず、その状態が1981年まで続いたとようです。
1981年からは現在のオーナーSAMBTP社(保険会社のようです。)の所有となりました。SAMBTP社、Société Assurances Mutuelles du Bâtiment et Travaux Publics所有に関し、ピエールが建築共済組合と建設省に売却したとの記述や、コルディエ社を中心とするグループに売却としたものもあり、これらの共同体なのか、あるいは大株主(出資者)なのかも知れません。
シャトー名について
1643年、カントゥメルル領主ルイスの弟がソーヴ城に住み、そこをシャトー・カントメルルと命名したとされていますが、デュルフォール家との関係が不明です。
格付け追加
1855年、ナポレオン3世によるメドック格付けに際し、ボルドー商工会議所は、格付けリストを提出しました。しかし、リストにシャトー・カントメルルは記載されておらず後に追加されます。
カントメルルの追加は次のような理由と言われています。
当時のカントメルルが、ボルドーのクルティエを通さず直接オランダと取引していたため、その販売価格をクルティエ達が知らなかった。
オーナーが、現実にカントメルルは秀逸なワインを造っており、オランダでの評判が高く、5級に格付けされた他のシャトーのワインよりも、実際に高価格で取り引きされていた記録提出を組合に行い、1855年9月、まだ万博開催中に、カントメルルは5級クラスとして、「カントメルル、ヴィルヌヴ・ドュルフォル婦人、マコー」と追加されたのです。
この歴史あるリストが変更になったのはこれが最初のことで、2度目は1973年の、かのムートン・ロートシルトの変更がなされただけの様です。
その他
カントメルルの葡萄畑は「87ha」と比較的大きく、マコー村とリュドン村に跨った一帯に広がっています。畑の大部分は、グラーブ地区と非常に近い珪土質砂利の土壌で、資料では、畑の平均樹齢は「30年」となっていたのですが、醸造責任者のパスカルさんの話では、「植え替えをして、樹齢が10年未満の区画から採れる葡萄はセカンドに回すから、グランヴァンの平均樹齢は40年ぐらいと考えてもらっていいですよ。」とのこと。
1970年代に低迷していたシャトーは、1981年からのSAMBTP社の大々的な投資により、セラーの新設、醸造設備の一新、最新設備を導入したテイスティング・ルームの設置など、積極的な改善がなされ、一躍その品質を向上させていると言われています。
(ろくでなしチャンのブログより)
(+)ワインダールより6本セットで30360円。単品だと5544円。
シャトー カントメルル Château Cantemerle
シャトー カントメルルはオーメドックの南部マコー村に位置し、第3級シャトーのシャトー ラ ラギューヌに隣接しています。シャトーは大木のある大きな公園に面した森の中にあり、ラベルに描かれているように美しいシャトーです。シャトーの名前カントメルルは“さえずるツグミ”という意味です。
シャトーは、12世紀にガロンヌ河に面した城壁の一部として構築されました。ワイン造りの歴史は16世紀後半にまで遡ることができ、1855年のメドックの格付けで第5級に格付けされています。現在はフランスの保険会社SMABT社の所有になっており、ぶどう樹の植え替え、新鋭の醸造設備の導入により、品質が大きく向上しており、もしその格付けが変更されれば第3級の実力があるともいわれています。
現在、87ヘクタールぶどう畑を所有しており、カベルネソーヴィニョン52%、メルロ40%、カベルネフラン3%、プティヴェルド5%の割合で植栽されています。リッチでしなやかな果実味と、強烈で華やかなブーケにあります。また、メドック地区では珍しくメルロの比率が高く、フレッシュなタンニンと華やかな果実味が持ち味で、若いうちから楽しめるワインを造っています。
シャトーカントメルル2005
≪グレートヴィンテージ2005年≫
≪パーカーポイント90点!≫
シャトー カントメルル [2005]
商品情報
色 赤
容 量 750ml
ぶどう品種 カベルネソーヴィニョン、メルロ、カベルネフラン、プティヴェルド
味わい フルボディ
アルコール度数 15度未満
産 地 フランス/ボルドー/オーメドック
統制産地呼称 ACオーメドック
格付け グランクリュ第5級
コメント 幅広く豊かなアロマと、密度の高いタンニンと果実味、グレートヴィンテージのワインならではの、高い次元でのバランスの素晴らしさを味わえるワインです。この半世紀では最高と評されているワインです。
(ワインダールより)
シャトー・カントメルル (メドック地区オー・メドックAC/マコー村 第五級)
Chateau Cantemerle http://www.cantemerle.com
お値打ち感のある第五級格付けシャトー
’90年にフランスの保険会社SMABT社の所有になってから評価を上げつつあります。メルローの比率が高く、若いうちから心地よく華やかな果実の風味が花開き、その芳醇な熟成感が人気を呼んでいます。
ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
ちっぽけなマコー村のちょうど南にカントメルルの愛らしいシャトーがある。有名な県道2号線(ボルドーからメドックに抜ける幹線道路)に沿った深い樹木に覆われた公園の中にあり、そのワインづくりの歴史は、16世紀後半にさかのぼる。今世紀になってからの大半の期間はデュボ家が所有しており、ほれぼれするほど香り高い、エレガントな姿のワインの生地としてこのシャトーを有名にしたのは、この一家である。しかし、資金難や一族の内紛のせいで、カントメルルは1980年、売りに出された。1970年にはこのシャトーは荒れるがままになっており、1975年以降のいくつかのヴィンテージはその影響をまぬがれ得なかった。カントメルルのセラー、シェ(ワイン蔵)、そしてシャトーは刷新され、新しいセラーや醸造設備、最新設備を導入したテイスティング・ルームなどがつくられた。そしてとりわけ重要だったのは、品質に対する真剣な取り組みがなされたことである。
1980年以前は、瓶ごとのばらつきがかなりあって、多くのヴィンテージが、古い樽のにおいや果実味の欠如という欠点を抱えていた。経営者が変わってから今日に至るまでの最上のワインは1989年と1983年である。ブドウ畑は大幅に植え替えられたため、樹齢が上がるにつれて、品質はさらに向上するに違いない。カントメルルのスタイルの特徴は、リッチで、しなやかな果実味と、強烈で華やかなブーケにある。畑の比較的軽い土壌と高いメルロの割合を考えると、決して超大作になるようなワインではないだろう。カントメルルの最良の作品は、きまって、いくばくかの芳香がある早熟タイプであり、そのために若いうちから、申し分のない魅力がある。ただし、高い期待が寄せられているにもかかわらず、カントメルルは過去10年間、1989年と1983年ほど卓越したワインをつくっていない。
~一般的な評価~
カントメルルは、いつになったら神秘的な1989年、1983年、あるいは1961年のような出来栄えをふたたび見せてくれるのだろうか? どうしたことか、このシャトーは1970年代と1980年代のスランプの後、完全に回復したことがない。ワインは、よくできているが、並はずれたものとなることはない。概してその格付けにふさわしい。ただし、読者の方は、(残念なことにめったにないが)偉大な成功作に注意を向けるとよいだろう。三級に比肩する作品で、まぎれもなく目を向ける価値がある。全体からみると、品質に対する価格比には興味を持てる。
平均年間生産量:35万本
畑 面積:87ha、平均樹齢:25年、密植度:1万本、平均収量:55hl/ha
育成:発酵は、最良のロットのものは木とコンクリートの槽で、残りはステンレス槽で行う。発酵温度は一定でなく、メルロは26~28℃、カベルネは28~30℃、プティ・ヴェルドは30~32℃。マセレーションは最低22℃で30日間。収量の20%(メルロのみ)は新樽内マロラクティック。熟成は新樽40%で12ヶ月。澱引きは12℃で3回。必要なら軽い清澄を行うが、濾過はしない。
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニョン52%、メルロー40%、プティ・ヴェルド5%、カベルネ・フラン3%
所有者:SMABTP(相互保険会社)
(宮武酒店より)
シャトー・カントメルル 2005年
ワインデータ
生産者 シャトー・カントメルル
産地 ボルドー>
メドック>
オー・メドック
格付け メドック5級
タイプ 赤ワイン-ミディアム
分類 スティルワイン
サイズ 750ml
セパージュ
※目安 カベルネ・ソーヴィニヨン50%
メルロ40%
カベルネ・フラン5%
プティ・ヴェルド5%
ボディ 軽快 ● ● ● ● ● 重厚
コメント メドック5級格付けのグラン・ヴァン。しかもボルドー・ビックヴィンテージ2005年です。ボディはミディアムですが、豊かなアロマやふくよかな飲み口はスケールの大きなものです。しかし優れたフィネス、エレガンスを兼ね備えているので非常にスムーズでフルーティなワインに仕上がっています。2005年物のメドック格付けが1万円を切るプライスで買えるうれしいワインです。
koichi八田コメント
メドック5級格付けのグラン・ヴァン。ボルドー・ビックヴィンテージ2005年。
ボディはミディアムですが、豊かなアロマやふくよかな飲み口はそれ以上にスケールの大きなものです。しかし優れたフィネス、エレガンスを兼ね備えているので非常にスムーズでフルーティなワインに仕上がっています。
偉大なヴィンテージ『2005年』の『メドック格付け』が、1万円を切るプライスで買えるうれしいワインです。
解説
メドック3級に匹敵する地味なグラン・クリュ『シャトー・カントメルル』
オー・メドックの5級に格付けされるこのワインは、意外なほどの熟成能力を見せるクラシックスタイルのハイ・ポテンシャルなワインです。グラン・クリュの5級に序列されるわりには知名度は高くはありませんが、その実力および歴史はボルドーでもトップクラスを誇ります。
カントメルルが所有する畑は、この地域ではラ・ラギューンと並んで非常に優れた土地であり、オー・メドックでは最高の評価を得ています。
シャトー・カントメルルの歴史は非常に輝かしく、古くは、カントメルルの秀逸なヴィンテージとなると1級シャトーよりも高値が付くこともあったほどです。
今日、シャトー・カントメルルは決して高名な1級や2級シャトーほどのステイタスを誇るわけではありませんが(メドック5級格付け自体、大変なステイタスではありますが)、名門らしく伝統にのっとった、しっかりしたワイン造りが行われており、その品質は常に知名度を上回っています。
壮麗な公園に隠れたメドック最南端に位置するシャトー・カントメルルは、最近、樹の大部分がマルゴー系の砂利砂質土壌に植え替えられたとは思えないほど素晴らしい畑を所有しています。
スケールアップをはたしたカントメルル
シャトー・カントメルルは、上品なアロマに穏やかなタンニンなど、ソフトなスタイルに評価されていましたが、確かに1980年代と1990年代初めのヴィンテージは非常にしなやかで、しばしばエレガントだったワインは、今では柔らかさと繊細さのバランスを活かしたたままに力強さも増し、素晴らしい凝縮感、豊かさを誇るスケールの大きなスタイルとなっています。
(シエル・エ・ヴァンより)
シャトー・カントメルル
Chateau Cantemerle
5 級 PP5級
AOC オー・メドック マコー村
~シャトー名は、庭園でさえずる(カント)クロツグミ(メルル)の意。
セカンド レ・ザレ・ド・カントメルル
Les Allees de Cantemerle
年間生産量13万本
畑 面 積 87ha
年間生産量 35万本
隣 接 畑 ラ・ラギューヌ(リュドン村)
オーナー SAMBTP(保険会社)(1981年取得)
作付割合 カベソー52% メルロー40% カベフラ3%
プティ・ヴェ 5%
平均樹齢 25年
植栽密度 10,000本/ha
収 量 55hl/ha
タ ン ク 木製タンク、28基のフレンチオーク製
ステンレスタンク12基、樹齢が低い区画のブドウ用
コンクリートタンク、予備
収穫・選果 手摘。20kgカジェツト使用。畑で4台の移動式選果台
2回目は醸造所内バイブレーター式選果台
マセレーション 22℃で20日間
低温マセレーション(12℃)2005年から
発 酵 6日から8日
カベルネ 28℃から30℃、メルロー 26℃から28℃
プティ・ヴェ 30℃から32℃
マロラクティック発酵は別タンクに移して
酵 母 培養酵母添加
新樽比率 40% トロンセ・オーク、5社から焼き付けミディアム、
残60%は1年落ち
樽 熟 成 12ケ月、高樹齢メルローのみ、樽内マロラクティック発酵
最後の4ヶ月はステンレスタンクで熟成
澱 引 き 3回
コラージュ 必要により。豚のゼラチンを使用。
濾 過 しない。
セパージュ
1994年 カベソー50% メルロー40% カベフラ 5% プティ・ヴ 5%
2001年 カベソー40% メルロー40% カベフラ10% プティ・ヴ10%
2005年 カベソー50% メルロー40% カベフラ 5% プティ・ヴ 5%
特 徴 リッチでしなやかな果実味と強烈なブーケ。
香 り 甘酸っぱいチェリー、レーズン、レッドカラント、クランベリー、
アカシア、
飲み頃が続く期間/ 収穫後5年から15年
★1970年代、1980年代スランプ ★1999年 BAD
評 価 ボルドー第4版より 重要なヴィンテージ
古いヴィンテージ
1970年代のヴィンテージはたいてい極めてがっかりさせられるものだった。偉大な1961年(92点、最終試飲1988年1月)は、最後に試飲してから優に10年以上たっているが、適切に保管されていたものならひょっとすると今でもまだ持ちこたえているのではないかと思う。歴史的なヴィンテージのものでは、1959年(89点)は1961年のはるか後方。もちろん1953年(94点、最終試飲1996年11月)は伝説的なワインだ。多分これまでに造られた(少なくとも過去60年で)最上のカントメルルだろう。
1982年 PP87
縁にはかなり琥珀色も見られるが、良好な、甘い西洋杉,挽いた胡椒、草っぽい趣と混ざり合ったイチゴやブラックベリージャムの香りを呈している。ミディアムボディで、しなやかだが、いくらかの魅力的なレベルのグリセリンもまだ残っている。1983年の複雑さはないが、この肉付きの良さやみずみずしい舌触りには実にほっとさせられる。
予想される飲み頃 2000年まで ダウン
1983年 PP90
このゴージャスなワインは、一貫して縁いっぱいまで濃い暗いルビー/ガーネット色をしており、溶けた甘草、ライラック、熟したブラックカラントやプラム、ほのかなブラックベリーのゴージャスなノーズがある。初めから気前の良い、しなやかなワインで、タンニンは甘く、酸は弱く、多量の果実味がある。これは美酒で、過去30年間で最も成功したカントメルルの一つである。
予想される飲み頃 2006年まで ダウン
1985年 PP86
ずいぶん枯れ始めている。中程度のルビー色をしているが、縁にはすでにかなり琥珀色も見られる。花の様な、スパイシーなノーズには、チェリー、レッドカラント、なめし革、ほのかなウイキョウの趣も感じられる。ミディアムボディの、やわらかい、比較的際立ったところのないワインだが、実に心地よい。
予想される飲み頃 2000年まで ダウン
1986年 PP84
生硬な、コンパクトな、痩せたワインだ。タンニンは強いが、いくらか甘いカラントやチェリーの果実や、なめし革、コンポスト、土を思わせる含みが感じられる。ミディアムボディのワインだが、これ以上良くなる事はない。
予想される飲み頃 2000年まで ダウン
1988年 PP86
暗いプラム/ガーネット色をしており、煙草や雑草の様なレッドカラントやブラックカラントのほどほどの強いノーズがある。ミディアムボディのワインで、フィニッシュにはいくらか鋭いタンニンも見られる。単刀直入で心地よいが、一般的な意味で際立ったところがない作品である。
予想される飲み頃 2006年まで ダウン
1989年 PP92
カントメルルとしては完ぺきな成功作で、過去40年間で最も記念碑的なワインの一つである。濃いルビー色をしているが、中心には紫色がたっぷり。ワインは花と混ざり合ったブラックカラント、ブラックベリー、ミネラルの古典的なカントメルルのノーズを持つ。驚くほど豪勢な、みずみずしい、非常に華やかなワインで、舌触りはしなやか、フィニッシュはゴージャスである。決して超大作ではないが、絹の様な、見事なまでに純粋なワインだ。最終試飲2002年9月
予想される飲み頃 2010年まで ギリギリ
1990年 PP87⇒PP86
暗いルビー色をしており、縁にはいくらかピンクも見られる。エレガントな模範的カントメルルは、ミディアムボディと、特に花の様な、プラム、カラント、白い花、西洋杉、ミネラルの甘いノーズを持つ。酸は弱く、軽く、しなやかなタンニンがある。この古典的な、より軽量級のボルドーは、チャームやフィネスそのものである。
予想される飲み頃 2006年まで ダウン
1995年 PP86
中程度のルビー色で、縁はすでに薄くなってきている。胡椒の様な、ハーブの色合いがあるレッドカラントの果実のアロマは、心地よいが、興味を掻き立てられない。ミディアムボディの単刀直入なワインで、最高級の格付けシャトーの持つ深み、多面性、力強さに欠けている。最終試飲2002年1月
予想される飲み頃 2010年まで ギリギリ
1996年 PP87
秀逸なカントメルルである。暗いルビー色をしており、甘いノーズはブラックベリー、微妙な新樽、アカシアの香りである。上質な甘さと、がっしりとしたタンニンが感じられる。エレガントで、均整の取れたワインだ。樽から試飲した時より外向的で、より軽いものになっているが、スタイリッシュなカントメルルの一例である。最終試飲2001年3月
予想される飲み頃 現在から2015年 sei
1998年 PP84
暗いルビー色をしており、縁には紫色も見られる。心持ち草っぽく、ミディアムボディで、スタイルは軽め。魅力的なアロマや風味はあるが、深みや余韻の長さに欠けている。
予想される飲み頃 2009年まで ダウン
1999年 PP79
がっかりさせられる。草っぽい、ライトからミディアムボディのワインで、造りはきれいだが、実質や深みはない。また、フィニッシュもやつれている。最終試飲2002年1月
予想される飲み頃 現在から2012年 sei
2000年 PP88
暗いルビー/紫色をしており、甘いクランベリー、桑の実、チェリーの果実を思わせるアロマがある。秀逸な葡萄の完熟感のあるアタック。みずみずしく酸の弱い、ミディアムボディの個性にほどほどのタンニン。2000年は輝かしい1989年を忘れさせるほどのものにはならない筈だが、優良なワインである。最終試飲2003年1月
予想される飲み頃 現在から2014年 sei
2001年 PP87
中程度の暗いルビー色をしており、エレガントな芳香はレーズン、レッドカラント、乾燥ハーブ、溶けた甘草を思わせる。タンニンは甘く、ボディはミディアム。軽いがうまく模様づけされたスタイル。
予想される飲み頃 現在から2013年 sei
2002年 PP81
2003年 PP86~88⇒PP85
エレガントな、ブルゴーニュ・スタイルの作品。甘酸っぱいチェリー、白い花、森の土の趣が見られる。ミディアムボディの、独特の刺激のあるワインだ。
若いうちから飲むか、10年~12年待って飲むか。
予想される飲み頃 現在~2015年 sei&進入禁止
2004年 PP87 ワインアドヴォケイト♯171 Jun 2007
2005年 PP90 ワインアドヴォケイト#176 Apr 2008
ドライハーブ、甘いレッドチェリー、春の花、スパイス箱、ブルーベリーの香りが立ち上ってくる。タンニンは中程度でミディアムボディ、エレガントで美しい構造、純粋でバランス良いワイン。
予想される飲み頃 2012年~2025年+
2006年 PP90
2007年 PP90
2008年 PP88
2009年 PP91
予想される飲み頃 2012年から2040年
2010年 PP91~93
2011年 PP88~90
ちっぽけなマコー村のちょうど南にカントメルルの愛らしいシャトーがある。有名な県道2号線(ボルドーからメドックに抜ける幹線道路)に沿った深い樹木に覆われた公園の中にあり、そのワインづくりの歴史は、16世紀後半にさかのぼる。今世紀になってからの大半の期間はデュボ家が所有しており、ほれぼれするほど香り高い、エレガントな姿のワインの生地としてこのシャトーを有名にしたのは、この一家である。しかし、資金難や一族の内紛のせいで、カントメルルは1980年、売りに出された。
1970年にはこのシャトーは荒れるがままになっており、1975年以降のいくつかのヴィンテージはその影響をまぬがれ得なかった。カントメルルのセラー、シェ(ワイン蔵)、そしてシャトーは刷新され、新しいセラーや醸造設備、最新設備を導入したテイスティング・ルームなどがつくられた。そしてとりわけ重要だったのは、品質に対する真剣な取り組みがなされたことである。
1980年以前は、瓶ごとのばらつきがかなりあって、多くのヴィンテージが、古い樽のにおいや果実味の欠如という欠点を抱えていた。経営者が変わってから今日に至るまでの最上のワインは1989年と1983年である。ブドウ畑は大幅に植え替えられたため、樹齢が上がるにつれて、品質はさらに向上するに違いない。カントメルルのスタイルの特徴は、リッチで、しなやかな果実味と、強烈で華やかなブーケにある。畑の比較的軽い土壌と高いメルロの割合を考えると、決して超大作になるようなワインではないだろう。カントメルルの最良の作品は、きまって、いくばくかの芳香がある早熟タイプであり、そのために若いうちから、申し分のない魅力がある。ただし、高い期待が寄せられているにもかかわらず、カントメルルは過去10年間、1989年と1983年ほど卓越したワインをつくっていない。
キャミソール 一般的な評価
カントメルルは、いつになったら神秘的な1989年、1983年、あるいは1961年のような出来栄えをふたたび見せてくれるのだろうか? どうしたことか、このシャトーは1970年代と1980年代のスランプの後、完全に回復したことがない。ワインは、よくできているが、並はずれたものとなることはない。概してその格付けにふさわしい。ただし、読者の方は、(残念なことにめったにないが)偉大な成功作に注意を向けるとよいだろう。三級に比肩する作品で、まぎれもなく目を向ける価値がある。全体からみると、品質に対する価格比には興味を持てる。
歴 史
このシャトーは、古い要塞の跡に建てられました。要塞はバイキングらの襲来を防ぐために建てられたものであり、メドック川から1㎞離れた深い樹木に覆われた公園の中にシャトーがあります。
記録では1147年に法服貴属であるカントメルル領主がいた様で、この一帯でワイン造りが始まったのは1354年頃と言われています。
14~16世紀にはブランクフォール家が所有、1579年にはヨハン・ヴィルヌーヴが取得し、その後3世紀にわたってヴィルヌーヴ・ドゥ・デュルフォール家の所有となります。
1892年、シャトーはデュボス家に売却され、300年間続いたヴィルヌ-ヴ・ドゥ・ドュルフォル家の支配は終わりを告げることとなります。
ほれぼれするほど香り高い、エレガントな姿のワインの生地としてこのシャトーを有名にしたのは、この一家です(パーカーの弁)。しかし、資金難や一族の内紛のせいで、カントメルルは1980年、売りに出されます。
新しい所有者テオフィル・デュボスは、カントメルルのブドウ栽培者であり、同時にメドックのクリュ・クラスの労働組合副委員長であり、1914年に売られることになるデュボス・フレール社の仲買人でもあったようです。彼の死後、息子ピエールとベルナルがカントメルルを相続し、1923年にはピエールの単独所有となります。
1930年から始まった戦争の間、いくつかのワイン区画で葡萄樹が引き抜かれ、1945年からは25haしか栽培出来ず、その状態が1981年まで続いたとようです。
1981年からは現在のオーナーSAMBTP社(保険会社のようです。)の所有となりました。SAMBTP社、Société Assurances Mutuelles du Bâtiment et Travaux Publics所有に関し、ピエールが建築共済組合と建設省に売却したとの記述や、コルディエ社を中心とするグループに売却としたものもあり、これらの共同体なのか、あるいは大株主(出資者)なのかも知れません。
シャトー名について
1643年、カントゥメルル領主ルイスの弟がソーヴ城に住み、そこをシャトー・カントメルルと命名したとされていますが、デュルフォール家との関係が不明です。
格付け追加
1855年、ナポレオン3世によるメドック格付けに際し、ボルドー商工会議所は、格付けリストを提出しました。しかし、リストにシャトー・カントメルルは記載されておらず後に追加されます。
カントメルルの追加は次のような理由と言われています。
当時のカントメルルが、ボルドーのクルティエを通さず直接オランダと取引していたため、その販売価格をクルティエ達が知らなかった。
オーナーが、現実にカントメルルは秀逸なワインを造っており、オランダでの評判が高く、5級に格付けされた他のシャトーのワインよりも、実際に高価格で取り引きされていた記録提出を組合に行い、1855年9月、まだ万博開催中に、カントメルルは5級クラスとして、「カントメルル、ヴィルヌヴ・ドュルフォル婦人、マコー」と追加されたのです。
この歴史あるリストが変更になったのはこれが最初のことで、2度目は1973年の、かのムートン・ロートシルトの変更がなされただけの様です。
その他
カントメルルの葡萄畑は「87ha」と比較的大きく、マコー村とリュドン村に跨った一帯に広がっています。畑の大部分は、グラーブ地区と非常に近い珪土質砂利の土壌で、資料では、畑の平均樹齢は「30年」となっていたのですが、醸造責任者のパスカルさんの話では、「植え替えをして、樹齢が10年未満の区画から採れる葡萄はセカンドに回すから、グランヴァンの平均樹齢は40年ぐらいと考えてもらっていいですよ。」とのこと。
1970年代に低迷していたシャトーは、1981年からのSAMBTP社の大々的な投資により、セラーの新設、醸造設備の一新、最新設備を導入したテイスティング・ルームの設置など、積極的な改善がなされ、一躍その品質を向上させていると言われています。
(ろくでなしチャンのブログより)
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