法月綸太郎『法月綸太郎の功績』

先に『生首に聞いてみろ』を読んだので、後回しになっていた作品。
ご存知、綸太郎探偵が活躍する短編集です。

　☆「イコールＹの悲劇」
　　アンソロジー「Ｙ」の悲劇に載っていた作品。
　　ちょっと強引なダイイングメッセージではありますが、
　　仮説を立てまくる綸太郎探偵の探偵作法が炸裂した佳作です♪

　☆「中国蝸牛の謎」
　　おお！？　有栖川氏に宣戦布告か？
　　とでも言うべき、法月流「国名シリーズ」でした（＾＾）
　　メインのトリックの説得力の不足を、ドラマの中で補うところ、
　　さすが自分の作品への厳しい目のなせる技だと思いました。

　☆「都市伝説パズル」
　　第５５回日本推理作家協会賞、短編部門受賞作です。
　　しかし、これ、私は途中で読みきることができました♪
　　ちょっと嬉しいな～（＾＾）
　　非常にロジカルな作品なのが素敵なのですけど、
　　やっぱり有栖川氏の『スイス時計の謎』には敵わないと思う私。

　☆「ＡＢＣＤ包囲網」
　　これは「ＡＢＣ」殺人事件というアンソロジーに載った作品。
　　この短編集の中では一番好きな作品です。
　　意外な犯人というほど登場人物は多くないのですが、
　　そのドラマティックな展開が素敵な作品でした。
　　久能警部ファンにはたまりませんね～（＾＾）

　☆「縊心伝心」
　　これも犯人当てのパズルではありますが、
　　どうにも暗い話の上、犯行隠蔽の動機が見えなかった作品です。
　　その部分がちょっと消化不良で、全体的に構えが甘い感じがした作品です。
　　求めるレベルが高すぎるからかもしれないけれど。

ああ～、これで法月作品のほとんどを読んでしまったことになるのかな・・・
『パズル崩壊』が、まだ残ってるのは残ってますけど。
ノーカット版『密閉教室』も気になる感じです。