前作『夏と冬の奏鳴曲』を読んで以来、理不尽な思いがずっと頭に残っていたのでした。
この『痾』が続編(?)らしいと知ってから、ヘヴィだろうとは思いながら読みたかったのです。
あの事件に何らかの解決が示されるのであれば、と期待して。
和音島から戻った如月烏有は入院先で転んで頭を打ち、和音島の事件の記憶を失う。
一緒に生還した恋人だという“桐璃”に関する記憶も何故か全く無い。
やがて退院して雑誌社の準社員から正社員に正式採用になった烏有だが、
失った記憶を取り戻したいという衝動から真夜中の神社に放火してしまう。
その焼け跡から身に覚えの無い他殺体が発見されたため、恐怖し苦悩する烏有。
だが衝動を抑えられない烏有はまた放火をしてしまい、そこから再び他殺体が・・・
事件の謎としては、烏有が衝動的に放火した建物から必ず死体が出てくるという不思議。
前作からの烏有のキャラクターから考えて、ある人物の●●が怪しいと思っていましたが、
まさしくそのとおりで、ミステリ読みとしてはちょっと満足。
そのトリック(?)の現実性については、相変わらず首をひねるところですけど、
麻耶氏の作品世界を2作も経験して呆然となった身には、普通に見えるから怖いです(^^;
ま、この作者ならこういうのもありだろう・・・という色眼鏡予測ですけど。
今回は構成も伏線として親切だったし。
で、事件の方はまあそういう意味ではシンプルなんですけど、
もっと重要な問題は『夏と冬の奏鳴曲』の続編としてのこの作品の内容です。
烏有の後日譚という点ではまさしく続編なのですが、記憶喪失ですしね(^^;
別の作品である以上、前作のネタばらしはできないわけですから解決はしません。
ただ、ちょっとしたサジェスチョンがあちこちに散らばっていて、
あの作品のおぼろげな全体像が見えてくるという感じです。←それも一部なのかも・・・
感想としては・・・この陰謀は深い、と。
見え隠れするコマたちが一体どこまで自覚的なのか、誰までがコマなのか?
コマを動かす悪意の正体と烏有が対決することはあるのか?
でも本当の外側には麻耶氏が君臨しているわけで、一連の作品の最後の物語が書かれたとき、
すべてが無に帰しても不思議はありません。
「烏有」つまり「いずくんぞあらんや」=「何も無い」ということを伏線にして、
「烏有に帰す」ことも麻耶氏の計画のうちかもしれませんから。←色眼鏡大胆予想(^^;
他の読みどころは、「名探偵」木更津と「銘探偵」メルカトルの烏有を介したニアミスかな。
この二人の運命が交錯した『翼ある闇』=今鏡事件の解決と時を同じくして『痾』は終わる。
もし続編があるなら、読んでみたいと思います。←今回は前向き発言ですね♪
この『痾』が続編(?)らしいと知ってから、ヘヴィだろうとは思いながら読みたかったのです。
あの事件に何らかの解決が示されるのであれば、と期待して。
和音島から戻った如月烏有は入院先で転んで頭を打ち、和音島の事件の記憶を失う。
一緒に生還した恋人だという“桐璃”に関する記憶も何故か全く無い。
やがて退院して雑誌社の準社員から正社員に正式採用になった烏有だが、
失った記憶を取り戻したいという衝動から真夜中の神社に放火してしまう。
その焼け跡から身に覚えの無い他殺体が発見されたため、恐怖し苦悩する烏有。
だが衝動を抑えられない烏有はまた放火をしてしまい、そこから再び他殺体が・・・
事件の謎としては、烏有が衝動的に放火した建物から必ず死体が出てくるという不思議。
前作からの烏有のキャラクターから考えて、ある人物の●●が怪しいと思っていましたが、
まさしくそのとおりで、ミステリ読みとしてはちょっと満足。
そのトリック(?)の現実性については、相変わらず首をひねるところですけど、
麻耶氏の作品世界を2作も経験して呆然となった身には、普通に見えるから怖いです(^^;
ま、この作者ならこういうのもありだろう・・・という色眼鏡予測ですけど。
今回は構成も伏線として親切だったし。
で、事件の方はまあそういう意味ではシンプルなんですけど、
もっと重要な問題は『夏と冬の奏鳴曲』の続編としてのこの作品の内容です。
烏有の後日譚という点ではまさしく続編なのですが、記憶喪失ですしね(^^;
別の作品である以上、前作のネタばらしはできないわけですから解決はしません。
ただ、ちょっとしたサジェスチョンがあちこちに散らばっていて、
あの作品のおぼろげな全体像が見えてくるという感じです。←それも一部なのかも・・・
感想としては・・・この陰謀は深い、と。
見え隠れするコマたちが一体どこまで自覚的なのか、誰までがコマなのか?
コマを動かす悪意の正体と烏有が対決することはあるのか?
でも本当の外側には麻耶氏が君臨しているわけで、一連の作品の最後の物語が書かれたとき、
すべてが無に帰しても不思議はありません。
「烏有」つまり「いずくんぞあらんや」=「何も無い」ということを伏線にして、
「烏有に帰す」ことも麻耶氏の計画のうちかもしれませんから。←色眼鏡大胆予想(^^;
他の読みどころは、「名探偵」木更津と「銘探偵」メルカトルの烏有を介したニアミスかな。
この二人の運命が交錯した『翼ある闇』=今鏡事件の解決と時を同じくして『痾』は終わる。
もし続編があるなら、読んでみたいと思います。←今回は前向き発言ですね♪
でも、どうしてもDeepなイメージが強くて
なかなか手に取れません~麻耶先生の本!!!
気合入れなきゃ(笑)
でも、今回は前作より、納得いったってことでしょうか。
記憶喪失で放火…ってそれだけで
すげーって思っちゃいましたけど♪
ドキドキ☆
色眼鏡的予想って(笑)わかります♪
私は最近、映画を色眼鏡的予想を踏まえながら観てます(爆)
普通の(?)ミステリを読みたいと思って読んではいけないです。
『神様ゲーム』も相当な問題作みたいですけど、
それが書かれる土壌は、これらの先行作品にあったんでしょうね~。
気持ちに余裕があるときに読むことをお勧めします(笑)
映画で色眼鏡予測というと・・・
例えばキャスティングなんかを見て、こういう話かな~とか?
結末はこんな風かな~とか?
2時間サスペンスだったら、犯人は限られるんですけど(爆)
Deepな作品は元気な時に♪
色眼鏡的予測~
映画観てると、先のセリフとか展開ばかりを考えてしまって…
そんな自分に気付くたび
「私も純粋じゃなくなったな」とか、思ってニヒルに笑ってみたりします(笑)
でも、考えちゃうのは仕方が無いし。。。でもでももっとピュアな気持ちで楽しみたいものです
二時間サスペンスの色眼鏡的予測は…わかります~!!!
キャストとかもそうですけど
このシリーズなら、探偵役に言い寄ってくる女が犯人!とか…(笑)
昔は本当に天使のような心で物事を受け止めてた気がします(笑)
でもまあ、色々考えないでいられる時間は短いってことで・・・
最近ミステリネタばかり書いてるので、
「考察」って書こうとしたら「絞殺」って出てしまいました(^^;
ああ、何て血なまぐさいんだ!
純粋なPCに戻って欲しいです(爆)