モーリス・ルブラン『リュパン対ホームズ』

前回からの流れで読んでみました☆
タイトルのとおり、ホームズとの知恵比べが書かれた作品。
中編と短編が収録されています。

第１話『金髪の婦人』
　盗まれた古い机の中に入っていた１等の当選宝くじをめぐる事件。
　リュパンの影に、金髪の婦人が暗躍する。
　さらに青いダイヤモンド事件にも姿を見せる金髪の婦人。
　イギリスから事件解決のためにきたホームズは次第にリュパンと金髪婦人を追い詰めるが・・・
　ホームズもなかなかの切れ者ぶりを発揮していますが、
　ウィルソンはかわいそうだ・・・（＾＾；

第２話『ユダヤのランプ』
　青いダイヤモンド事件からしばらくして、ホームズにフランスから探偵の依頼が来る。　
　同時にリュパンから手を引くよう求めた手紙が来たため、俄然やる気を見せるホームズ。
　さっそくフランスに出向いたホームズとリュパンの腕比べが始まるが・・・
　ウィルソン・・・（涙）
　にしても、ホームズの推理の穴は分かっていたので、
　最後のホームズのうろたえぶりは、ギャグのようでした（＾＾；


リュパンシリーズの１つの売りは、女性読者向けのリュパンのロマンスなんでしょうけど、
この金髪婦人の事件も、そういう要素がたっぷりですね。
明らかに法律上悪いのはリュパンなんですけど（笑）
このロマンスのせいで、ホームズがひどく残酷な人間に思えてしまうという（＾＾；

それから、リュパンの一味たちの忠誠ぶりと有能ぶりもよく分かります。
対照的なのがホームズの助手のウィルソンですね。
このウィルソンを見ていると、我孫子氏の速水兄弟シリーズの木下を思い出します。
う～ん・・・作者的に邪魔だったのかな？（＾＾；

しかし、喜劇的ですらあるリュパンとホームズの戦いも、
ある作品の事件で悲劇的な結末を迎えますが・・・その話はまた、いつか。