赤川次郎『三毛猫ホームズの失楽園』

忙しいときには、軽いものをさくさく読みたいと思い、
例によって赤川作品に落ち着きました♪


天才画家にして画壇の重鎮・野上益一郎が審査委員長を務める、
「アダムとイブ・コンクール」の最終選考会が野上邸のアトリエで開かれることになった。
ところが、野上の家に〈チェシャ猫〉と呼ばれる怪盗からの予告状が届く。
〈チェシャ猫〉は、コンクールの入選作を狙っているのか？？
片山たちは、最終選考会の警備に当たることになるが・・・


ということで、今回も特に大きなトリックとかはないのですが、
登場するキャラクターたちに、それぞれ抱えているものがあって、
一体どういうところに落ち着くのかな？という興味が大きかったです。

事件の中心にいる野上という画家が、とんでもないやつで（＾＾；
こいつきっとろくな死に方をしないとか思ったのですけど、そう来たか・・・
事件は結局解決したのか？という疑問も残らなくはないのですけど、
まあ、そんなこと気にするようなタイプのシリーズじゃないですよね（笑）

今回は（も？）石津は食べてばっかりだし、栗原課長は強烈なボケをかましているし、
そういう意味では笑わせてもらいました。
皆を相手にしているホームズは大変だな～・・・（＾＾；

作品中に、コンクールの審査の様子が描かれている部分があるのですが、
これってもしかして文学賞とか、そういうものにも当てはまる状況なのかな？と思いました。
＞選考には常にそういう微妙なかけひきがある。
＞一人があまり熱心に推すと、たいてい他の面々の反発を食らって、その作品は落ちる。
＞だから、審査員は、本当に気に入った作品はあまり手放しではほめないものなのである。
う～む・・・奥が深い世界ですね。

そういう裏側も分かる、ちょっと通っぽい作品です。←本当かな～？（＾＾；