下手の横好き日記

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京極夏彦『鉄鼠の檻』~再読~

2009-06-04 23:59:59 | 
ネタの無い日に、書いていかないと忘れそうです(^^;
京極堂シリーズ第4弾!


あるはずの無い「寺」。
宙に浮く「僧」。
年をとらない「迷子」。
連続する「見立て殺人」。
箱根の山の中で起こる事件は、あの事件に繋がっていた!
宗教の真髄に京極堂が迫る!!


ということで、こんなに分厚いノベルスは初めて読んだのですが、
分厚さだけでなく、中身も濃かったです。

宗教というものには、からきし興味がなかったのですが、
この作品では、仏教の(特に禅宗の)宗派の問題なども関わってきます。
固い話題なのですが、薀蓄を読んでいると何となく理解できました。

ミステリの舞台としては、
閉ざされた「お山」の中の見立て殺人ということで、
クローズドサークルのフーダニットという形なのですが、
明らかになった犯人には、「まさか」という気持ちと、
「やはりその人しかいない」という気持ちと、
まぜこぜになって、すごい結末でした。

今回、京極堂が「憑き物」と落とすのは、
立派に理論武装をした僧たちです。
素人を落とすわけじゃないから、上手くいくのかハラハラで、
果たして、京極堂の理屈が「禅」に通じるのかというのもあるし、
その辺は読みどころというか、目玉という感じでしたね☆

京極堂シリーズの中でも、ロジックという面では最高の作品だと思います。
言葉を「経」とする僧たちとの対決ですからね・・・
そういう面では、読み終わったあとの満足感はかなり大きいです☆

この作品まで、各作品間のリンクというものをあんまり気にしてなかったけれど、
シリーズはやっぱり最初から読んだほうがいいな~と思いました。
この作品を読む人は、少なくとも『姑獲鳥の夏』を読んでいるべきです。
それでこそ、解決の衝撃が味わえるというもの。

久しぶりに京極作品を読み返してみて、
濃密で、理屈っぽい筋立てに、クラクラ&ゾクゾク。
京極堂シリーズ、早く新作が出てほしいな~と、しみじみ思いました。


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2 コメント

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てってってって♪ (あかね)
2009-06-05 17:08:03
てっそ~

かなり重厚
読み応えありまくりの作品ですよね

この厚さなのに
一気に読んでしまった思い出があります

私も「再読したい・・・」

と思いつつ出してはあるものの~~~~

なかなか(笑)ムズカシイ(笑)

これも映画化なるか?ある意味楽しみです

話は変わりますが
もうりょう~アニメ版がレンタルで出てたので、今度かりてみたいです
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あかねさんへ (viviandpiano)
2009-06-06 00:10:34
濃いですよね~☆
ずっしりと、小説を読んだって感じで。

キャラ的にも敦子や鳥口も大活躍だし、
益田も出てくるわけだし、
盛り上がってくる感じですよね♪

映画化には一番適している作品かも。
(薀蓄の処理が大変だけど^^;)
その前の「狂骨」の映画化は・・・厳しいですよね?(^^;

アニメ版「魍魎」、私も気になってます。
何巻ぐらいあるのかな?
夏休みに一気に見るとかしたいですね☆
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