淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

現在ベストセラー中、姜尚中(カンサンジュン)氏の「悩む力」を読んでみた。

2009年01月06日 | Weblog
 姜尚中は政治学・政治思想史の教授である。
 僕は彼を始めて見たのは、テレビ朝日「朝まで生テレビ」だった。

 「朝まで生テレビ」は、不定期で深夜オンエアされているテレビ朝日の討論番組で、日本を代表する評論家たちが常に大激論を行っていて、番組からメジャーになった人間も数多くいる。
 ただ、この番組の悪いところは、一度観始めると中々途中でテレビの電源が切れなくなり、そのまま朝を迎えてしまうことだ。
 僕も何度かあった。それほど凄まじい激論が交わされる。

 この「朝まで生テレビ」に出演していたのが、姜尚中(カンサンジュン)だった。
 それにしてもこの学者というか政治評論家、どんな評論家たちから非難され、反論され、罵倒されても、一切動じることがない。

 確かにナイスミドルで、ファッションセンスもよく、カメラ映りもいい。
 しかし、何を言われてもクールで、切れたり、他人を罵倒することがない。いつも観ていて、その余りの冷静さに唖然としてしまうのである。
 その姜尚中による、集英社新書「悩む力」が凄い売れ行きなのだとか。早速買って読んでみた。

 彼は、在日韓国人ということで、子どもの頃から、自らの不安定なアイディンティティに悩んだという。
 そして彼は、文学者である夏目漱石とマックス・ウェーバーを引き合いに出しながら、現代と100年前とが同じ状況であったと分析する。
 ちょうど100年前ほど昔、夏目漱石とマックス・ウェーバーもまた、自我に悩み、そして新しい時代の潮流の中で、もがき苦しんでいたのだと。

 姜尚中の真面目さが、この新書の中にも表れている。
 彼は、悩み抜くことも一種の力だという。悩みを手放すのではなく、悩むことで人間はより強固になれるのだと。

 印象に残る言葉がある。
 『私は今、かつてないほど開き直っていて、大げさに言うと、矢でも鉄砲でも持って来いという気分になることもある』。
 そしてこうも言う。
 『悩みの果てに突き抜けたら、横着になれ』と。

 悩む力だけなら、僕も誰にも負けないと思う。まあ、別に胸を張って威張れることでもないのだけれど・・・。
 その悩む力、最近少しはついてきたかと思うこともある。何せ、半端じゃなく悩んできたもので。中身はたいしたことじゃないかもしれないが、筋肉はだいぶ盛り上がっているかもしれない。

 だから、今年は横着になります。はい。




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