淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

「ブタがいた教室」。飼ったブタを生徒たちは食べるのか? この映画は面白い!

2009年01月26日 | Weblog
 わたしたちは肉を食べる。
 鶏肉、牛肉、馬肉、羊肉、それから豚肉・・・。
 それから、わたしたちは魚も食べる。
 鯛、マグロ、鰯、サンマ、それからアジにニシン・・・。

 そりゃあ、他の動物は一切食せず、すべての栄養を野菜や穀物や果物だけで採るという人も中にはいるだろうが、普通の人は人間以外の動物を殺生し、そこから様々な栄養素を摂取して生きてゆくことになる。
 多少の好き嫌いはあるにしてもだ。

 しかし。しかしである。
 わたしたちは、その美味しそうに食べる焼肉やステーキを、当然だけど原型を留めない姿で食している。残酷な解体シーンなど見なくても平気で食べる事が出来る、平和な時代に生きている。

 たとえば、ここに、心から愛してやまない愛馬が一頭いたとする。
 そしてその馬とは、人間の兄弟や子どもと接するように寝食を供にし、深い愛情と連帯感を通じさせながら暮らしているとする。
 あなたは、その馬を殺し、その肉を美味そうに食べる事が出来るだろうか? それとも、それだけは出来ないと拒否し、その一方で、高級馬肉屋でビールを飲みながら新鮮な馬肉に舌鼓を打つのだろうか?

 人間は、他の動物を殺生する事で自らの胃を満たし、明日への糧としてゆく。
 その意味において人間は原罪を負っている。
 だからこそ、人間は世の非情な食の循環をしっかりと見据え、すべての動植物に心からの感謝を込めなければならないのである。

 映画「ブタがいた教室」は、1990年、大阪の小学校で実際に行われ、一大賛否両論を巻き起こした授業内容を映画化したものである。

 ある新任の男子教師が、新6年生の担任につく。
 彼は生徒たちに、食べる事の尊さを教え込もうと、ある提案をする。
 1年後の卒業時期までに生徒たちで食べることを目的に、それまでの1年間、クラスで子ブタを飼育しようというのだ。
 先生の熱意が生徒達全員に伝わり、校長から学校でブタを飼う許可も取り付け、先生と26人の生徒たちによる子ブタの飼育が始まった。

 生徒たちは、子ブタを「Pちゃん」と名付け、昼夜を問わず、一生懸命世話して可愛がるようになる。
 そして、ついに6年が卒業する季節になり、大きく育ったブタの処遇を巡って、クラスを二分しての大議論が繰り広げられてゆくことになる。
 可愛がってきたブタを生かすべきか? それとも殺して食べるべきか?

 主演が、「感染列島」やNHK大河ドラマで人気の妻夫木聡で、監督が、「パコダテ人」の前田哲である。

 いやはや。
 ラスト近くの、クラスが真っ二つに分かれる大議論がもの凄い。
 子どもたちにセリフを与えるのではなく、自由に討論させているようにも見える。ドキュメンタリー風の映像が、鬼気迫る迫力となって観る側へと迫って来る。

 飼っているPちゃんなら食べられなくて、ほかのブタを食べるのは平気なのか? それは酷くないのか? では、Pちゃんを平気で食べる事が出来るのか? あんなにみんなで可愛がった動物を何の躊躇いもなく食することが可能なのか?
 生徒たちは泣きながら、それぞれの主張を繰り広げる。

 で、最後はどうなったかって?
 ネタバレになるのでここでは言わない。
 もう、映画館の観客たちはみんな号泣状態! 僕も不覚にも泣いてしまった。

 この映画、面白い!




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