淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

ダニエル・クレイグ主演の「007 慰めの報酬」は痛みを感じるアクション映画だ。

2009年01月11日 | Weblog
 007シリーズは、今作の「007 慰めの報酬」が第22作目ということになる。

 当然、アメリカでは初登場第一位。軽く1億ドルを超えてしまった。
 それよりも凄い勢いで興行成績のトップを驀進したのが、イギリスを含めたヨーロッパ諸国だった。007シリーズ最高の興行成績を記録した国々が続出したのである。

 確かに、前作「カジノ・ロワイヤル」も、これまでの007シリーズと若干トーンを変えた、重量感溢れるスパイ映画として生まれ変わり、観客からの新しい支持を得た。
 ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じたことも大きかったかもしれない。
 最近、彼の雑誌インタビュー記事を読んだりしていると、掲載されている写真を見て、往年のスティーブ・マックイーンと見間違ったりする。似てるよなあ。

 そして、ついに最新作が日本上陸。
 本作は、前作の「カジノ・ロワイヤル」のラストからちょうど1時間後から始まる。
 つまりは、これまでに例のなかった、シリーズ中初となる続編という形式を取っている。

 監督は、「チョコレート」や「ネバーランド」を撮ってきたマーク・フォースターだ。
 ちょっと意外に思うかもしれない。
 彼の作品は、これまでアクション映画やスパイ映画というジャンルではなく、とてもシリアスで真面目な人間ドラマだったからだ。
 しかし、それがこの映画を重厚でリアルな映画にしている大きな要因になっていて、マーク・フォースターの起用は吉と出た。

 とにかく「007 慰めの報酬」、冒頭から濃厚なアクション・シーンの雨アラレである。
 それも、歴代のボンド・シリーズによく見られた、荒唐無稽で豪華絢爛、イケイケの大活劇という感じではない。
 とてもシリアスで、殴り合うシーン一つ取っても、叩かれた時の痛みが観る側にもズシリと伝わって来る、そんな映画に仕上がっているのだ。
 そこが凄い。

 何者かによって愛するひとを亡くし、復讐を誓ったボンド。
 前作はそこで終わった。
 「007 慰めの報酬」は、彼女を操っていた男を捕まえ、尋問するところからスタートする。
 背後に、環境保護のためと称し、ボリビアの砂漠の土地を買収する慈善団体、「グリーン・プラネット」という組織の存在を知ったジェームズ・ボンドは、イギリス諜報部の制止にも耳を傾けず、独りで反撃を開始するのだが・・・。

 ファースト・シーンから、渓谷の狭隘な道路でのカー・チェイスシーンが始まる。
 とにかく10分間に1回は、何某かのアクション・シーンが組み込まれている。
 ド派手な大爆発とか、あり得ないほど強い敵側のスパイなどは登場しない。なので、そういう映画を求めて映画館に足を運ぶとしたら失望するだろう。

 人間の肉体を駆使しての、生身の切れ味鋭いアクションに終始しているのだ。
 当然、ボンド役のダニエル・クレイグ、最初から最後までかっこいい。
 脚本も、映画「クラッシュ」でアカデミー賞に輝いたポール・ハギス。

 へたなアクション映画観るんだったら、絶対にこちらの映画をお勧めする!




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