本来ならば、約5時間に及ぶ1本の大作映画のはずだった。
それを、日本の配給会社が予め2本の映画に分け、「チェ 28歳の革命」と「チェ39歳 別れの手紙」として時間差で公開することとなったのである。
まあ、その意図も解らないではないけれど、出来れば通して一つの作品として観たかった。
2本に分けて別々に上映したら、確かに収入も2倍になるわけで、上映映画館の一日の回転率も格段に違うことも解らないではないのだが・・・。
まずは前編となる「チェ 28歳の革命」。
マスコミや各紙の映画評も点数はすこぶる高い。
「トラフィック」や「オーシャンズ11」シリーズのスティーヴン・ソダーバーグ監督と、個性派俳優であるベニチオ・デル・トロが、キューバの革命家チェ・ゲバラの半生を描いたドラマである。
前編は、ゲバラが若きカストロと出会い、キューバに潜り込み、ゲリラ戦を進めながらキューバ革命を成し遂げるまでを描いてゆく。
この映画でゲバラを熱演したベニチオ・デル・トロは、カンヌ国際映画祭において主演男優賞を受賞した。
チェ・ゲバラの映画は、過去に何作か上映されているけれど、最近では、ガエル・ガルシア・ベルナルが主演して、ゲバラの青年医師時代の放浪の旅を描いた「モーターサイクル・ダイアリーズ」がある。
「モーターサイクル・ダイアリーズ」もとても味のあるいい映画だった。叙情的なロード・ムービーで、青春映画としての佳作の一本だと思う。
今回の前編は、アルゼンチン人青年医師であるエルネスト・ゲバラが、独裁政権で混乱している祖国キューバで新しい国家実現を目指している反体制派フィデル・カストロと出会って意気投合し、船でキューバに潜入して政府軍にゲリラ戦を仕掛けてゆくその姿と、同時並列で、1964年12月における有名な国連演説の模様を描いてゆく。
とにかく、映画の中で、激しくも辛いジャングルでのゲリラ戦が延々と映し出されてゆく。
喘息に悩まされながらのジャングルにおける過酷な進軍と、革命という旗の下に集まった人間たちを統括してゆくことの困難と苦悩。
しかし、スティーヴン・ソダーバーグ監督は一切の思い入れを排除するように、醒めて退いた視点でゲバラ本人を遠方から眺めてゆく手法を取る。
国連演説でのアメリカ訪問は白黒画面、そして革命前後までの闘争がカラーと、それぞれ違うトーンで交互に進行し、最後に都市制圧の攻防戦でラストを迎えるのだが、主人公に過度な感情移入していない分だけ、より一層ゲバラの孤独と激しさが画面から浮き彫りになってゆく・・・。
エンド・ロールの最後に、次の「チェ39歳 別れの手紙」の予告編が組み込まれるのだが、これがまた中々いい出来で、早く次が観たくなってしまうように作られているのだ。上手い。
よく出来た、いい映画だと思う。
ドキュメンタリーのように俯瞰した作りが、逆にチェ・ゲバラ本人を際立たせたのではないか。
俄然、後編の「チェ39歳 別れの手紙」に心が飛んでゆく。
それを、日本の配給会社が予め2本の映画に分け、「チェ 28歳の革命」と「チェ39歳 別れの手紙」として時間差で公開することとなったのである。
まあ、その意図も解らないではないけれど、出来れば通して一つの作品として観たかった。
2本に分けて別々に上映したら、確かに収入も2倍になるわけで、上映映画館の一日の回転率も格段に違うことも解らないではないのだが・・・。
まずは前編となる「チェ 28歳の革命」。
マスコミや各紙の映画評も点数はすこぶる高い。
「トラフィック」や「オーシャンズ11」シリーズのスティーヴン・ソダーバーグ監督と、個性派俳優であるベニチオ・デル・トロが、キューバの革命家チェ・ゲバラの半生を描いたドラマである。
前編は、ゲバラが若きカストロと出会い、キューバに潜り込み、ゲリラ戦を進めながらキューバ革命を成し遂げるまでを描いてゆく。
この映画でゲバラを熱演したベニチオ・デル・トロは、カンヌ国際映画祭において主演男優賞を受賞した。
チェ・ゲバラの映画は、過去に何作か上映されているけれど、最近では、ガエル・ガルシア・ベルナルが主演して、ゲバラの青年医師時代の放浪の旅を描いた「モーターサイクル・ダイアリーズ」がある。
「モーターサイクル・ダイアリーズ」もとても味のあるいい映画だった。叙情的なロード・ムービーで、青春映画としての佳作の一本だと思う。
今回の前編は、アルゼンチン人青年医師であるエルネスト・ゲバラが、独裁政権で混乱している祖国キューバで新しい国家実現を目指している反体制派フィデル・カストロと出会って意気投合し、船でキューバに潜入して政府軍にゲリラ戦を仕掛けてゆくその姿と、同時並列で、1964年12月における有名な国連演説の模様を描いてゆく。
とにかく、映画の中で、激しくも辛いジャングルでのゲリラ戦が延々と映し出されてゆく。
喘息に悩まされながらのジャングルにおける過酷な進軍と、革命という旗の下に集まった人間たちを統括してゆくことの困難と苦悩。
しかし、スティーヴン・ソダーバーグ監督は一切の思い入れを排除するように、醒めて退いた視点でゲバラ本人を遠方から眺めてゆく手法を取る。
国連演説でのアメリカ訪問は白黒画面、そして革命前後までの闘争がカラーと、それぞれ違うトーンで交互に進行し、最後に都市制圧の攻防戦でラストを迎えるのだが、主人公に過度な感情移入していない分だけ、より一層ゲバラの孤独と激しさが画面から浮き彫りになってゆく・・・。
エンド・ロールの最後に、次の「チェ39歳 別れの手紙」の予告編が組み込まれるのだが、これがまた中々いい出来で、早く次が観たくなってしまうように作られているのだ。上手い。
よく出来た、いい映画だと思う。
ドキュメンタリーのように俯瞰した作りが、逆にチェ・ゲバラ本人を際立たせたのではないか。
俄然、後編の「チェ39歳 別れの手紙」に心が飛んでゆく。