テルミンの彼方へ
宇宙とシェアする楽の音
 



夜会VOL.13 24時着0時発中島みゆきさんの 『夜会VOL.13 24時着0時発』のDVDを見ました。 文ちゃんからの拝借物(有り難うございます~) これは 1年半前に 文ちゃんと一緒に見に行った舞台です。 自分が実際に見た 『夜会』の舞台が DVDになると どうなるんだろう という素朴な興味がありました。 今まで見た『夜会』のビデオには 「これは ビデオにする時に撮り直した映像だろう」 というコマが結構あって 実際の舞台とは 違う物に仕上がっていたからです。 けれども 今回は 殆ど別映像のからまない 舞台の記録 に近い作品になっていました。

見ていて 自分でも驚いたのが 音の印象 というのが すごく強く 記憶が鮮明に残っている。

例えば 主人公の影が 主人公から切り離されてしまって 別の人間として登場するシーン。 「かげですけどー」「かげです。まいどどうも」 この なんでもないセリフが 一度しか聞いていない筈なのに 何度も聞いた事のある様な気がするほど 聞き慣れた響きになって 耳に入ってきました。 それは それだけ 舞台に集中して 真剣に聞いていた と言うこともあるかもしれないけれども 中島みゆきさんの世界では 歌の歌詞 メロディ の他 みゆきさんの声 というのが 大きなファクターを占めているんだなぁ というのを 改めて実感したのです。 「影」の声は これは みゆきさんの声ではないのだけれども 一事が万事で 「こんなシーンあったかな?」と思っても 歌声を聞くと思い出す。 視覚の記憶よりも 聴覚の記憶の方が 強く焼き付いてる。

舞台を見に行った日は 実は ストーリーがよく分かりませんでした。 今回は DVDに付いてきた歌詞カードに 粗筋が書いてあります。 歌詞カードに 粗筋が書いてある『夜会』 というの 今までにあったかな。 記憶にありませんが。 24時着 と 0時発 の間の狭間の物語なんだな という事が 何となく分かりました。 転生の物語です。 本当の自分の居場所は ここではない という発想が 根底にあるのだとしたら それは危険な思想だ と思う。 甘く誘惑的な主題ではあるので 余計まずい。 幾度 生まれ変わっても それは いつでも 自分の本流であって どこかの人生は 自分の支流に過ぎなかった なんていう事は ない筈だから。

とは言っても いつも盛り上げてくれるラスト1曲。 今回は『サーモン・ダンス』

♪生きて泳げ 涙は後ろへ流せ
♪向かい潮の彼方の国で 生まれ直せ

歌い上げる この応援歌(?)を聞くと 生きる喜びに満ちてきて(?) そんな事は どうでもよくなってしまうのだけれども。 

たとえば戦意発揚で 元気づけられる映画 みたいなものとは ここは ちょっと違う。 みゆきさんの歌で 力を貰うと 人に優しくしたくなる。 ならば 歌 は それで よい のではないか?

そして みゆきさんが この『夜会』に寄せているメッセージ

「今を懸命に生き、志なかばにして逝った仲間たちへ、「何度でも生まれ変わっておくれ、そしてまた、共に走ろうね」と願いを込めて、このおとぎばなしを捧げます。」

ここで みゆきさんの視点は 物語の中で 苦しみ 生まれ変わる生ではない。 それを 見守る存在 となっている。 つまり 関係性が 過去世での生対生 今世での生対生 来世での生対生 とつながっていくよりは むしろ 過去世での生対みゆきさん 今世での生対みゆきさん 来世での生対みゆきさん というものであるのです。 これは もう 神の視線 人と神との関係性 に近い。

え~。それから。 『月夜同舟』 センチメンタルな歌ですが 秀逸。 この巻のベストです。 「今宵の舟には 見覚えのある人が ことばも持たずに 乗りあわせて揺られる♪」 シンガーソングライターは 言葉の力を使おうとするが故に 言葉は人を裏切るものだ 必要な言葉は けっして手に入らない という事をよく知っている。

あとは お馴染み『二隻の舟』 いいタイミングで(TT) 実によい曲です。「おまえとわたしは たとえば二隻の舟♪」 今までの 『夜会』に 必ず1回は歌い継がれて来た曲。 わたしが 『二隻の舟』に感動するのは その蓄積があるから かしら。 この夜会を初めて見た人も ここで この曲のすごさが 分かるかな。

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