突然ですが、私の母校・仙台市立愛宕中学校のことを書きます。
実は同じ中央大学文学部に勤めるK先生が、なんと私と同じ仙台市立愛宕中学校の卒業生だということを先日知りました。K先生は関西の方だとばかり思っていたのですが、2年間だけ仙台にお住まいになっていたことがあり、中学2年生と3年生の2年間を仙台で過ごしたのだそうです。したがって、K先生は私の中学の先輩なのでした。
ちなみに、卒業して30年以上経つこの母校のことに関して、その当時の同級生と連絡をとりあうことが最近何度かありました。それは、この愛宕中学校が統廃合によって、無くなってしまいそうだからです。このことをきっかけにして、私が自分の中学時代を過ごした学校のことをどれほど愛おしく思っているか、その気持ちを再確認することになりました。
愛宕中学校は近接の中学校に比べて生徒数が少なくなっており、そのためにこの学校を廃止して、他校の学区域に組み込む計画が進んでいるのだそうです。学校の統廃合に関しては、行政の立場と学区域の住民あるいは卒業生の立場とでは、当然見方が違ってきます。したがって、どちらかだけの意見を一方的に良いとか悪いとか決めつけることは避けなければならないと思っています。
ただ、「一般論」とことわった上での私の意見ですが、学校数が減るということに関しては、十分すぎるくらいにも十分に慎重であってほしいと思います。いったん無くなった学校が復活することはまずあり得ませんから、将来に向けて本当にその学校を廃止してよいのかどうか、慎重な見きわめが必要でしょう。
もちろん、生徒数の少ない学校というのが予算的に見て効率が悪いことも明らかですし、教員数が絞られることや部活数も制限しなければならないことなど、小規模校であることのデメリットも多くあります。しかし、その一方で、学校の統廃合によって遠くの学校まで通わなければならなくなる生徒の不便さも考えなければいけません。また、小規模校だからこそできる人間関係や学校のありかたというものも当然あるでしょう。さらに言えば、現代の義務教育制度には学校選択制というものが一部取り入れられてきていますが、選択によって小規模校となった学校を統廃合していったら、選択の余地自体がなくなっていくという矛盾も抱え込むことになります。
こうしたことも考慮に入れながら、地域の住む人たちの意見も十分に聞いた上で、多くの人が納得のできる方策を講じていただきたいと思っています。
ところで、この統廃合問題をきっかけして、多くの卒業生たちが連絡をとりあったり、会合を開いたりしています。そこで、まだ作業中ではあるものの、同期会のホームページも立ち上げたそうですし(→愛宕中学校昭和四十八年卒同期会)、秋には10数年ぶりの同窓会も企画しているのだそうです。
私は東京にいて何も協力できないのですが、こうした無償の努力を重ねている同窓生たちを頼もしく思っていますし、このことが、多くの同窓生同士が再会するよい機会となることを心から願っています。