左の図では斜めの線が長方形でさえぎられているのですが、二つの線は同じ直線状にあるように見えません。
ところが右の線に注意を集中してジッと見続けると周辺視野に映る左の線は同じ戦場にあるように見えます。
もちろんそこで視線を左のほうに向ければ、はじめのように二つの線が食い違って見えてしまいます。
右の線でなく、左の線のほうに注意を向けて見た場合も同じで、右の線を周辺視野で見ているときは同じ直線上に見えますが、視線を上のほうに向けると食い違って見えてしまいます。
つぎにこの図には3つの星印が描かれてあります。
この星印を同時に見る(ということは星印を頂点とする三角形を見る)と斜めの線は同一直線上に見えます。
星印がつくる三角形を見るということは、星印が同じ平面にあると意識することになるわけですが、そうすると錯視が消えて正しい姿が見えるのです。
目の網膜に映る像は平面的な像ですから、この図を平面としてみるということは、網膜に映った映像に忠実な見方をしているということです。
斜めの線は奥行きを感じさせるので、三点を同時に見ることで、平面的な見方をすれば奥行き感がなくなるので、錯視が消えるのです。
右の図では右のの2本の線のどちらが左の線とつながるかときかれると、下の線だと思う人が多いでしょう。
左右の線が長方形と接している部分を見比べて判定しようとすると上の線より下の線のほうがつながっているように見えてしまいます。
そこで下の線に注意を集中して見続けると、周辺視野に映る左の線は同じ線上でないことが分かります。
それではということで、上の線に注意を集中して見続けると左の線につながっているように見えます。
部分に集中してみることで正解が得られるわけです。
この場合も左の図と同じように星印があるので、3つの星印を同時に注視すると左の線とつながっているのは右の上のほうの線だということがすぐに分かります。
部分に注意を集中して、そばの線の干渉を排除するのはエネルギーが要りますが、3点を同時に見る場合は楽に見れば錯視が消えます。
平面図形は平面的にとらえれば正しくとらえることが出来るのです。
このほか、左の上の線と右の線の両端をイメージの中で手で引っ張るとつながって見えます。
両手を実際に使って線をつまんだイメージを持ち、手を動かしながら引っ張るイメージを持つとつながって見えます。
下のほうの線で同じことをすると線が曲がって見えるので、視覚以外の感覚を使っても確かめることが出来ることがわかります。