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漢字は非科学的

2006-01-25 23:51:40 | 言葉と文字
 杉本つとむ「読む日本漢字百科」によると、漢字は非科学的な文字だということです。
 たとえば鯨はオスのクジラで雌のクジラは「ゲイ」、虹もオスのニジで、雌のニジは「ゲイ」というそうです。
 字を見ても雄と雌の関係がうかがわれるわけではなく、呼び名では雌のクジラも、雌のニジも同じ呼び名になっています。
 クジラは魚ではないので、鯨の文字の意味と鯨の表す意味は区別して覚えなければならないし、虹もへびに見立てたから虫偏になっているとかで、文字が現代の知識と離れてしまっています。
 日本語ならメクジラとかオクジラといった呼び方で、雌、雄の分類が呼び名に反映するのに漢字の場合は反映されないとしています。
 「なく」ということばでも「泣、鳴、啼、哭、呱」とかいろいろあって、「なく」という生理現象として共通の要素を表現する字がないといっています。

 動物などで雄雌が分類を表現しないのは英語などでも同じで(たとえば雄牛はOX,雌牛はCOWなど)、特に漢字が非科学的ということではないと思います。
 「なく」にしてもCRY,WEEP,SOBなどや動物のSING,CHIRP,CHUTTER,ETCとたくさんあっても共通の要素を表現する語がないのも漢字と同じです。
 英語が科学的だというわけではありませんが、漢字が特に非科学的ということではないと思います。
 自然言語の場合は学術用語のように論理的、体系的でないのは普通のことです。
 したがって漢字が非科学的であるのも当然のことです

 漢字はかたちを見ただけでは意味が分からないのも、自然言語である音声言語が土台になっているからです。
 洋とか横とかいう文字をみて意味が分かるということはないでしょう。
 サンズイに羊と日本人が考えるといみはさっぱり分かりません。
 中国人は羊は「ヨウ」という音をとらえて「うみ」だとわかるのです。
 紅、江、虹の「工」は音を表すだけで意味はありません。
 「工」を「たくみ」とか、「わざ」とかいった意味と結びつけてイメージするととんでもない誤解となってしまいます。
 糸偏とかサンズイとか虫偏に注目しても、それだけでは漠然としているので、文字の形から意味が特定されるわけではありません。
 中国人は音で、意味の候補が分かり、偏をみて意味が特定できます。
 日本人の場合は、意味の手がかりは偏だけなので、一つ一つの漢字について意味を辞書で学ばなければならないのです。
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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2020-11-28 23:16:15
漢字は、ほんとうは いらないのでは? と おもって います。

ときどき、文系のひとが 理系は漢字のよみかきが苦手 と バカにしますが、じつは漢字が 知識の本質ではない ことがわかっていないのでしょう。

もちろん、今のわれわれは ひらがな のみの文は慣れませんが。
こどもにやさしい そんなよみかたがよいにきまってますよ。
漢字はむずかしいですから。

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