60歳からの視覚能力

文字を読んで眼が疲れない、記憶力、平衡感覚の維持のために

視野を広げ、集中力を補う

2006-10-03 22:24:35 | 視角能力

 A図の二つの図形は同じ大きさなのですが、下のほうが長く見えます。
 上の図形の下辺と下の図形の上辺が接近しているので、この部分に注意がひきつけられてしまうためです。
 この二つの辺を比較するのは間違っているのですが、接近しているため目に入り、つい比較してしまうのです。
 上辺同士あるいは下辺同士を比べればよいのですが、接近しているところで片方を無視できないため、つい接近している部分同士を比較してしまうのです。
 接近している部分同士を比較しないようにするためには、片方に注意を集中して、もう片方を無視すればよいのですが、それには相当の集中力が必要です。

 いま上の図形の下辺に注意を集中してこの辺を見続けたとします。
 この辺の左端から右端の間を視線で往復してたどってから、真ん中あたりで視線をとめて見続けると下の図形の下辺と同じ長さに見えるようになります。
 このとき上の図形と下の図形は同じ大きさに見えます。
 同じように下の図形の上辺に注意を集中して見続けることで、それが上の図形の上辺と同じ長さに見えるようにもなります。
 
 このように特定の部分に注意を集中して、紛らわしい部分からの影響を抑制するには集中力が相当必要で、目も疲れます。
 そこで他の方法で紛らわしさを防ぐ方法を考えるのですが、B図はそのヒントです。
 竿に旗がついているような形になっていますが、この竿に注意を向けて見てから二つの旗の先の部分を同時に見ると、二つの旗が同じ大きさに見えます。
 こうした経験をした後でA図にもどり、竿の部分をイメージしてから、二つの旗の右端部分を同時に見ると二つの図形は同じ大きさに見えます。
 この場合はジッと見続けるのではなく、左側の竿の部分を見てからパッと旗の右端部分に視線を移せばよいので、楽に見ることが出来、目が疲れたりしません。

 うまくいかない場合は原理が同じなのでCとDについて練習してみれば感覚がつかめると思います。
 要は部分に注意を集中するのではなく、視野を広げて注意を向ける範囲を広げればよいのです。
 歳をとればどうしても集中力が衰え、持続力も少なくなるので、込み入った部分に注意を集中して妨害刺激を排除するという強引なやり方は不得意になります。
 込み入っている部分を避けて、外側から視点を変えて全体的にみるという方法のほうが有効なのですが、それには視野を広げてみる習慣づけをしておく必要があります。