60歳からの視覚能力

文字を読んで眼が疲れない、記憶力、平衡感覚の維持のために

注意の配分が少なくても右脳で見える

2006-10-20 22:45:09 | 視角能力
 図Aはネズミのようにも見えますが、メガネをかけた男の顔にも見えます。
 そこで右側にある同じ絵と同時に見て、片方をネズミに、もう片方をメガネ顔として見ようとします。
 ネズミとメガネ顔が向き合っているというわけですが、最小はどうしても両方ともネズミに見えたり、両方ともメガネ顔に見えたりするでしょう。
 ネズミの耳がメガネに、ネズミの目はメガネ男のハナになっているので、それぞれ目に注意を向けて見れば二つの絵が別の絵に見えるようになります。
 つまりネズミとメガネ男がにらみ合っていると見ればよいのです。
 
 次に右の二つの絵を同時に見て見ると、片方づつ別の絵と見るのは先ほどより難しくなります。
 左の二つを見た場合はネズミと男の目の部分を見比べればよかったのですが、こんどは同じ方向を向いているのでつい同じ絵に見えてしまいます。
 メガネ男がネズミを見ているか、ネズミがメガネ男を見ているかどちらかの見方をすればよいのですが、多くの人は右側をネズミと見たほうが見やすいと思います。
 右側をネズミと見た場合は目が中央近くになるので、注意を分割したとき注視点が離れずにすむからです。
 
 B図は若い女が向こうを向いているようにも見えますが、老婆がうつむいているようにも見えます。
 心理学のテキストには見る人の欲求や不安などによって見え方が異なるというのですが、ごく自然に見れば若い女の横顔に見えるはずです。
 老婆の顔に見えるというのは、そのように見ようとすれば見えるというのであって、老婆の絵としては誇張が多く不自然です。
 普通の人は若い女と見るけれども、最初から老婆の絵と受け取る人は特殊な心理状態にあるというのが妥当です。
 
 隣の絵と二つ同時に見た場合どのように見えるでしょうか。
 二つとも若い女と見るのは楽ですが、二つとも老婆と見ることは難しいのではないでしょうか。
 これに対し、右側が老婆、左側が若い女と見ることは楽に出来るでしょう。
 右側は右視野なので左脳で解釈が出来るので注意を向けて老婆の顔と見ることが出来るのですが、このとき左側は注意の配分が少しでも右脳が処理しているので若い女に見えるのです。
 右側の絵に注意を向けてこれを若い女と見ると、左側も若い女と見えて両方若い女に見えてしまいます。
 これは右の二つの絵を同時に見た場合も同じです。
 注意の配分が少なくても左視野にあるときは、右脳で処理されるので優勢な見え方のほうになるのです。