図Aは図Cの二つの顔を半分づつとって合成した顔です。
つまり悲観的な顔と楽観的な顔の半分づつで合成した顔です。
Aの顔を正面から見ると上の顔と下の顔とではどちらが楽観的に見えるでしょうか。
正面から見るというのは、ちょうど鼻が真ん中にあるので鼻のあたりに視線を向ければよいのですが、下の顔のほうが楽観的な顔に見える人が多いといいます。
上の顔と下の顔は左右が逆になっているだけなので、同じように見えてもよいはずなのですが、正面から見ると別の表情に見えます。
下のほうが楽観的な顔に見えるというのは、左側の表情が楽観的に見えるからですが、左視野は右脳が処理をしており、右脳は感情を判断するからだといいます。
多くの人は右利きで、ものを見るとき左側に注意が向きやすいということと、顔の表情は右脳で判断するということもあり、上の顔が悲観的、下の顔が楽観的に見えるということです。
図を見るとき左側から先に見る習慣の人が多いので、左側のイメージが先に入ってしまうからだとも考えられますが、右側から先に見てから顔の中心に視線を向けて注視すればやはり左側のイメージが支配的になるでしょう。
図Bは図Aの顔を横にしたものですが、どちらが楽観的に見えるでしょうか。
普通図を見るときは最初に上のほうから見ていくので、上の顔が悲観的、下の顔が楽観的に見えるのではないでしょうか。
ところが顔の真ん中に視線を向けて見るとどうでしょうか。
あごのくぼみと鼻を結ぶ線に注意を向けて見ると、上の部分より下の部分のほうが印象が強いのではないでしょうか。
そうすると最初は悲観的に見えた上の図は顔の真ん中に注意を向けて見た場合は、楽観的な顔に見えるようになるのです。
逆に下の顔は最初楽観的に見えるのですが、顔の真ん中に注意を向けて見ると下半分のイメージが優勢となり、悲観的に見えるようになります。
A図の場合は最初の印象とよく注意して見た印象とが一致したのですが、B図の場合は印象が逆になってしまうのです。