縦の4本の線は白と黒のヒモがより合わせてあるように見えますが、このより合わせたヒモは斜めに見えます。
ところがこれはすべて垂直線です。
黒と白の四角形は垂直に並んでいて、黒の四角形を見た場合、垂直に並んでいる同じ列の三つの四角形は同じであることが見て取れます。
したがって、黒い四角形の上を通っている斜めの白い線は、垂直線上にあることがわかります。
同じように、縦に並んでいる三つの白い四角形は、垂直に並んでいて、その上を通っている斜めの黒い線は垂直に並んでいるということがわかりす。
このように一つ一つの部分を見た結果からは、斜めの白い線も黒い線も垂直に並んでいることが、理屈の上ではわかります。
理屈の上では、白い線も黒い線も垂直に並んでいるのですが、実際に目で見ると、どうしても斜めに並んでいるように見えます。
ここで目をすこし寄り目にして、立体視をして4本の線が五本の線に見えるようにします。
そうすると5列の四角形のうち中側の3列が浮き出て見え、同時に5本の線はすべて垂直に見えるようになります。
このときより合わさって見えていた真ん中の白と黒の線は、はなれて四角形の面からやや下方に突き出ているように見えます。
また両隣の場合は上方に突き出ているように見えます。
垂直に並んでいるように見えはするのですが、立体的に見えるようになるのです。
(ただし、寄り目にして立体的に見えるようになった場合でも、5列でなく6列に見えた場合は四角形の面から白と黒の線が突き出ているように見えるのですが、並び方は垂直でなく、斜めに見えてしまいます。)
立体視をしなくても、たとえばどの列でも垂直に並んでいる3つの黒い正方形に同時に注意を向けて見ていると、白い線が垂直に並んでいるように見え、それにつれて黒い線も垂直に並んで見えるようになり、より合わさったねじれひもは垂直に見えるようになります。
このとき、黒い四角形のみに注意を向けることが大事で、線のほうに注意を向けてしまうと斜めに見えてしまいます。
注意を分割できる能力と同時に集中力が必要なのです。
同じように、縦に並んでいる3つの白い四角形だけに注意を向けて見ても、やはり白と黒の線は垂直に並んで見えるようになります。
ねじれひもの錯視というのは強烈な錯視で、どうしても斜めに見えてしまうような感じがしますが、見方がコントロールでき、集中力があれば実態を見極めることができるのです。。