60歳からの視覚能力

文字を読んで眼が疲れない、記憶力、平衡感覚の維持のために

同時に二つのことをする

2006-10-11 22:29:06 | 文字を読む

 図の中に犬が何匹いるか数える場合、4,5匹ぐらいであるならば数えなくてもパッと見るだけで数が分かるのですが、ある程度数が増えると数えなくては分かりません。
 数える場合「1,2,3、、、、」と数えていくのなら簡単です。
 しかし、「イヌ、イヌ、、、、」と口にしながら数えると、目や指で犬の絵を追うことが出来ても最終的に何匹かわかりません。
 「イヌ、イヌ、イヌ、、、」と口にしているとき「イチ、ニ、サン、、、」と同時に心の中で数えることが出来ないからです。
 二つのことを同時にできないからだというのですが、言葉を使わないで数えるのでなければ数えることは出来ます。

 たとえば算盤がよく出来る人であるならば、「イヌ、イヌ、イヌ、、、」と口にしながら頭の中で算盤をはじいていけば簡単に答えが出てしまいます。
 算盤の初心者であれば、算盤を使うとき脳の多くの部分を使ってしまうのでうまくいきませんが、上級者であれば楽に出来ます。
 算盤の上級者は暗算をイメージの中で自動的に行うので、口を動かしながらでも楽に計算を実行できるのです。
 
 それでは、算盤の出来ない人は数えられないのかといえばそうとばかりは言えません。
 一番簡単なのは「イヌ、イヌ、イヌ、、、」と口に出しながら左右どちらでも指を折っていけば答えは出てしまいます。
 たいていの人は口にあわせて指を折ることが自動的に出来るので、数を言語化しなくても数えることが出来るのです。
 また指を使わなくても「イヌ、イヌ、イヌ、、、」と口にするとき拍子をとれば、ある程度の数までなら分かります。
 たとえば四拍子なら四、五回つまり20ぐらいまでの数なら回数から数が分かります。
 
 つまり数を言葉で数えなくても、他の方法で自動的に測ることが出来れば数えることが出来るのです。
 意識的な作業は同時に二つ以上をするのが困難なのですが、自動的にできる作業とならば同時にできるので、なるべく自動的に出来る作業が多ければ有利です。
 文章を読む場合でも、文字を一つづつ読んでいって全体の意味を理解するのは大変ですが、単語や分節を見て、自動的に意味が分かれば理解はずっと楽になります。