そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

8月5日(金)もと弟子とバーに行く

2016年08月05日 | 公開

  研究指導を担当したOさんが、教員免許の10年講習とやらで、大学でセミナーを受けるというので、それじゃあ、終わったら飯でも食おうと、18:30に神楽坂で待ち合わせた。私も大学へ行って、8日までに処理して欲しいと連絡の来ていた書類を処理する。何のことはない、該当箇所1つに○をつけて、事務所に提出するだけの話だったのだが…。

  「haze」コーヒーが店を出していたので、ルワンダ産の何とやらというのを200gいただく。パートナーのクッキー屋さんからも、パピヨンのクッキーをいただいて、Oさんへのお土産とす。

  さて、待ち合わせて「東白庵」へ。Oさん、蕎麦好きとは知らなんだ。まずは、そばがきである。それから、すこしつまんで、せいろをたぐり、水あずきでしめる。

  当日の予約が首尾よくとれたのだが、「東白庵」は、たいへんなご繁盛で、隣席はおじさんおばさんの大集団が怪気炎をあげておいでだった。落ち着かなかったので、「家鴨社」へご案内する。Oさん、人生で、バー初体験だったそうである。

  Oさんはアルコールを全くきこしめさないが、それはバーテンダーさんと相談すればよいことで、モスコー・ミュールをアルコール抜きで供してくださり、樺太ミュールですと、ずいぶん手前なダジャレを飛ばされましたわ。そういえば、バーテンダーが飲み物を作る所作は、お点前そのものである。後ろの棚に高取の茶入が置かれているので、用途を尋ねると、塩入れに使っておいでのよし。

  我々の後から入ってきたカップル? 男性は団塊の世代と思しい御仁が、ビル・エヴァンスがどうのこうのと、蘊蓄を傾け始め、鞄の中からCDを取り出した。なあんだ、少し前に話題になった、「Some Other Time」じゃないか。こう見えても、おいら、初めて買ったJazzのアルバムは、ビル・エヴァンスだったという男である。話の隅々まで分ったけれども、もちのろん、黙っておりましたとも。

    神楽坂 まだ宵ながら 漂ひて げに心地よき バーでスウィング (右往左翁)

  


8月4日(木)赤坂の夜

2016年08月04日 | 公開

  教員向けセルフ・マネジメントのセミナーを受講せよと、大学からしつこく、しつこく通知が来るので、鬱陶しさに根負けして受講し、試験を受けたが、なかなか合格しない。問いの仕方が意地悪なのだよ。なにしろ満点を取らないと、解放されない仕組みで、研究推進部長の上から目線顔に、途中から腹が立ってきたが、やっとこさクリアをする。要するに、学生をバカと言ってはいけないのだそうです、はい。しかし、バカな学生は、どう呼べばよいのだろう?

  夕刻、赤坂でおよばれの予定で、早めに出掛けた。30分ほど前についたので、カフェでスパークリング・コーヒーというのを飲んでみた。で、スパークリング・カフィー・プリーズと注文したら、店員のお兄さん焦り出して、下手な英語で応対を始め、席で待っていたら、女性スタッフの方がわざわざ運んでくださり、こと細かに飲み方を英語で説明してくださるのだから、恐縮した。今さら日本人だとも言い出せず、英語で通すはめに。時々こういうことがある。自分では、朝鮮の人に見えるだろうなあという自覚があるが、人に言わせると、シンガポールあたりの華僑に見えるのだそうである。いやはや。

  およばれは、「菊乃井」で、こんなお店には、滅多に入れるものではない。しかも献立の品数、どんだけ~というくらいたくさんで、まいっちゃった。画像は八寸として出てきた、酸漿盛り五種。酸漿の中に、手の込んだ小さな料理が隠されている。

  お土産なども、たくさん頂戴した。

  帰宅すると、同居人のご機嫌がうるわしい。ここのところ顔色を伺いながら、びくびくしてきたが、天候も安定すると、いいですなあ。ベッドの中で、体中、マッサージして差し上げることにいたそう。明日の朝食も、もちろん、みどもが作らせていただきますから…。

 


8月3日(水)大学へ行く

2016年08月03日 | 公開

  同居人は公務で忙しそうだ。昼は姑殿と二人だったので、出雲蕎麦を茹で湯を切って丼に入れ、モロヘイヤ・オクラ・めかぶを混ぜ合わせて、ぬるぬるの、ねばねばを作り、絡めて食ってみたら、実に美味であった。とろろ蕎麦の応用で、思いつきだったが、みどもには、存外、こういう才能があるのかもしれない。

  夕刻、お稽古事のため大学へ。時間があったので、オンデマンドによるセルフ・マネジメントのセミナーを受講する。受講しろ、受講しろと、脅迫めいた通知が、当局から送られてくるのが鬱陶しい。受講していて、だんだん腹が立ってきたが、我慢した。老人にはもう、抗う気力もない。

  エレベータに乗ったら、乗り合わせた学生提げている紙袋の中に、昔懐かしい書名が覗いていたので…。

    エレベータに 挑発としての 文学史 乗り合わせたる 学生が持つ
    君よ君 期待の地平を 裏切れと 心の内に 声を掛けやる (右往左翁)

  お稽古事は、徹底的に基礎練習だった。やはり、いつまでたっても下手くそだなあと、実感する。終了後はO前社長ほかと軽く食事を摂る。前社長はお腹の具合がよろしくないそうで、「五郎八」へ行った。BGMにジャズを流していたので、若旦那に、いい曲流してるじゃない💛と、世辞を申し上げておく。やはり蕎麦屋は、ジャズである。

    Jazzを耳に 蕎麦をたぐれば うきうきと 老いのひと日も 果てとなりゆく 


8月2日(火)今期社会人向け講座終わる

2016年08月02日 | 公開

  朝、庭に出ると、蠟梅の幹に蝉がすがりついていた。

    蝉の身は 殻脱ぎ捨てて あをく光り やがてこの世の ものとなりゆく (有若亡)


  天候があやしい。社会人向け講座、今期最終回に出掛ける。乗り換え駅で大雨に遭い、教室最寄駅でもかなりの雨だったので、そのまま、出入口至近の蕎麦屋へ駆け込み、ランチセットをせいろでいただく。

  今回の講座は、最新の私の研究成果をネタにして喋ったが、最後5分余って、穴埋めをせんとおたおたした。まだまだ修行が足りない。終了後、受講生の方々と近くの喫茶店へ。といっても、なかなか適当なところが見付からず、結局は、昼飯を食った蕎麦屋の隣の、昭和レトロなお店に入った。

  1978年開店らしい。飲み物は350円で、こりゃ完全に減価償却している。店内、すべて喫煙OKで、煙草臭いが、これとて「昭和」の香りであろう。久しぶりに、カフェでない、正真正銘の喫茶店!に入ったぞなもし。