そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

7月4日(月)ご弔問に赴く

2016年07月04日 | 公開

  朝いち演習、ふるほん講義とこなして、そうか、あと2回授業をやれば「理解度の確認」かと思えば、先が見えてきたな。しかし、ものすごい暑さで、昼食を摂りに出る気力もわかぬ。そこで、教員控室の自販機でコーラを買って、お腹を騙すことにした。

  S学部の講義も、朝いち演習で使ったネタと同じ内容で誤魔化す。花札の話を終了す。

  17:15、JR目黒駅中央改札前集合で、N先生のご弔問にうかがうことになっている。山手線で目黒へ。駅にくっついた建物最上階の書店で時間を潰した。駅前からタクシー2台に分乗して、故先生のお宅へ。すごい雷雨となる。未亡人にご弔意を表して、しばらくお話をする。没後の手続きなど、これからが大変だと思うが、少し落ち着いたら、お出ましくださいと申し上げておくしかない。話し相手がいらっしゃるのだろうか? 当座に一首詠んだが、披講することなく心の中にしまい込んで、喪家を辞去いたした次第。

    やまとうたは 声に出だせと 歌をひらく わざ導ける 君のいさをし(右往左翁)

  ゲリラ雷雨?は、すっかりあがっていた。目黒駅前、O社長ご案内の「龍門」で食事。四川料理店のよしだが、たいへん美味しかった。花椒がものすごく効いていて、こういうの、好みである。麻婆豆腐好きの同僚K教授に、お教えしようかな。

    とりとめの 無いことごとを 言ひかはし つなぎ留めたい きみをいつまでも

    咲き残る タイサンボクの おほきなる 花腐(くた)しゆく 夏の陽射しよ

    星あひの ゆゑんを語り 陰陽の  五行に及ぶ けふの講義は

    オーナーは 同級生と 聞きしかば そのバ―にての 逢ひ引きはせじ

    なにごとも うしろめたくも なきままに 不機嫌なつまの 顔を見つめる

    歌びとと 鬼籍にしるす ほまれをば 願ひたまふか 今亡きひとは

    そのひとの 心の内は 創り出だす ぐるりの様に ありありと見ゆ

    人と人の きづなはかなく 見ゆるかな われ死ぬる日の つまを想ひぬ

    われ死なば 涙そそぐか そそがぬか せめてそそげよ 恥ではなくて

    わがつまを いとしく思ふ その夜しも 遠雷の音 かすかに響く (右往左翁)