そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

4月30日(金)7:30Seattle

2010年04月30日 | Seattle日記
  日本で研究指導を担当している大学院生や、退院者?(課程修了者)の評価書や所見書を何通も書かなければならなくて、連日徹夜状態である。昨夜はようやく2通を仕上げたが、あと2通作らなければならなくて、吐き気がしてきた(なにしろ褒めちぎらなければならないからね)。アメリカには印鑑を持って来なかったので、コース主任に捺印をお願いしなければならないのも面倒だが、ファイルで日本に送ればOKという点では、郵送するよりはずっと楽に処理がきる。

 29日の大学院ゼミは、テーマに関連する論文を読んでの議論となった。火曜にどばっと渡されたのは川本皓嗣の論文の英訳44ページ分。これを2日間で読んできて、内容について批判を含めかなり突っ込んだディスカッションをする。A先生は東大で川本皓嗣の授業を受けたそうだが、人物のエピソード紹介から始まる。授業には必ず20分遅れて来たとか、進度がものすごく遅かったというのは、ひと昔前の日本の大学らしい話だわいと思い笑った。しかし、A先生の教材選択の眼はまことに確かで、いままでの回で私が口を酸っぱくして強調した"essential implications"の重要性が、川本論文には冒頭からバッチリ指摘されている。また、最終的に提出する受講者各自のペーパー作成に向けての示唆の仕方も巧妙。Eさんは言語学のバックボーンがあるからか、実に興味深い切り口について質問してくれた。このテーマは、そのまま日本でも論文として通用することだろう。

 どうやらTAの待遇改善ストというのが、来週実施されるようだ。そのキャンペーンみたいなのをやっていた。キャンパス内で時々、日本語の会話を耳にしてギョっとするが、日本人留学生も結構多いのかもしれない。レッドスクエアのあたりでは、下駄を履いた東洋人の一段がけたたましい音を立ててタップダンス?の練習をしていた。もしかしたら日本人学生たちだったかも知れないが、声をかけるのはやめにした。

 木曜は博物館や美術館の開館時間が長いので、バスに乗っシアトル・アジア美術館へ行く。SAMの分館。日本美術関係は館蔵浮世絵展が開催されていたが、たいへん充実しており、有名作品を本当に数ミリの近さで鑑賞することができた。美術館は大きな公園の南端にあるが、近くで演劇の野外公演?もしくは練習をしておった。同じバスに乗って大学へ戻り、料金はトランジット時間内(ただしピーク時間帯料金)のため往復2$25¢で済む。

 酒が切れたので、宿舎近くのリーカーショップに立ち寄ってから部屋に帰った。実は私は、ワインを水で割って飲む。それなら、そんなに高いものを買う必要もなく、今日は8~9$のWA産MERLOTを2本、それに焼酎代わりのフィンランディアを1本もとめた。これで数日はやっていけるだろう。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿