そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

2月23日(木)浅草へ行く

2012年02月23日 | 公開

 13:00に約束をしていたのに、なかなか来やがらないので、内心むかむかしたが、きょうびは学生さまさまだから、教師なんて昔年の権威なぞは何もない。いろいろ思うところはある。言うべきことは言うべきか。そんなの当たり前だと言われそうだが、事が単純ならば漱石先生も草枕の冒頭のようなことは書かんだろう。おのれ何様のつもりだ!と、私なんぞはずいぶん叱られたがな。

 14:00の上野での待ち合わせには、少し遅れた。同居人が三味線の糸だの何だのを、浅草仲見世の「瓢たん屋」さんへ買いに行きたいと仰せなので、お付き合いした。

 「瓢たん屋」さんの瓢箪は、まことにもってみごとである。ぺたぺた触らせていただく。しかし、同居人がお弾きあそばすのは太棹だから、色気がないことこのうえない。Kさんからまた1丁いただいたんだとか。毎夕、べベン、ベン、ベンとご熱心なこと。ばばあの三味線、くち三味線…。

 隣の「川さき屋」さんの店頭に松王丸の凧があったから、これいいねえ!と店番のおばあさんに申し上げると、もっといいのがありますと奥から出して来られたので、買い求めるハメになってしまった。寺子屋の段の松王丸の凧は、さすがにないよねえと言えば、かわいそすぎますから…ですと。そりゃそうだ、子どもが寺子屋の段の絵の凧を揚げていたら、ブラックユーモアになる。という次第で、2月の浅草寺境内をなぜだか凧を持って歩いた。

 まあ一杯と「神谷バー」に入り、赤ワインを2人で1本開けた。肴にソーセージと海鮮サラダを頼む。海鮮サラダは魚介の芯をレタスで巻いて、ライスペーパーで押さえたもので、気がきいていた。ところが、アジが付いていますとウェイトレスの姉ちゃんはおっしゃったのだが、芯の魚は明らかにマグロである。嘘こけ、マグロじゃないか!と文句を言うと、同居人に、もうよしなさいとたしなめられた。

 上野まで歩いて行くことにする。スカイツリーがよく見えるが、てっぺんが実は高射砲になっていることを、同居人は知らなかったのであきれはてる。敵機が来たら撃墜するよう用意されているのだよ、ほら、久我山の高射砲陣地と一緒なんだと、帝都を護るその砲口こそたのみなれ。まあ、敵機もわざわざ砲の上は飛ばないか。いざ来いプーチン、キムジョンウン、出てくりゃ地獄へ、逆落とし~♪(0:43あたり) もう唱うのよしなさいと、同居人にたしなめられる。

 曲げわっぱのお店があったので、ふらっと入ったらとても素敵だった。おひつを買い換えるかな。野点セットや、茶箱までありましたぞ。久保田万太郎生誕の地の碑もゆかし。

 上野駅でまたワインを買って帰る。同居人が買った干しいちぢくは、多岐産であった。


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