そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

6月3日(木)7:30@Seattle

2010年06月03日 | Seattle日記
 読み終わった『茶の湯の歴史』を杉山洋子さんに差し上げたら、処分すべき本の処理はすべて終わった。東アジア図書館に寄贈した『三省堂名歌名句辞典』は、早速登録して、READING ROOMに配架してくださった。お役に立てば幸いである。

 その東アジア図書館司書のYさん、Sさんと、昨夕はお食事をした。Uビレッジの「PIATTI」は、いつも買い物をするQFCに一番近いイタリア料理店だ。

 メルローの赤1杯で延々と歓談を続ける。お料理はよかったが、なにしろ量が多いでなあ。とくにYさんは日本が提供するデータベースについてご不満が大きく、東大閥の強い某新聞社のDB契約で往生した話を聞かされた。その時に助け舟を出したのが、ウチの図書館現事務部長のNさんだというのだから、偉いものだ。Yさんは大阪の出身で、高校の同期にサッカーの岡田監督がいたのだと。またウチのE学部の、遠隔教育でご活躍のN教授は女子大の1年先輩で親しいらしい。

 伺っていると、訪問学者は多いが、こうして図書館スタッフとじっくり話をする研究者は稀のようだ。私はこう見えても元中央図書館副館長だからな。今、関係している電子化プロジェクトに関しても、オンラインDB化にあたって示唆することがらが多いと考え、企画会社のMYさんにYさんをご紹介もした。オンラインは日本国内しか考えないようではいけない。本当に必要な人は海外にいる。問題は契約だろう。

 Yさん、Sさんはしきりに日本のスタンスを嘆いていた。日本には主張がなく、このたびもわけの分からんことで首相が辞め、情けないことこの上もないとおっしゃる。こちらでは中国、韓国の人たちの姿勢がしっかりしているのに比して、それは目も当てられないのだそうだ。しかし我等は陰徳の美学である。声高に主張することは、どうしても身に負わぬ。それならばそれでいいんじゃないかな。ポッポ政権だって、沖縄の人たちがどんなに怒っているかをアメリカに知らしめたし、社民党も偉いと思う。

 洗井大学東アジア図書館の入り口には、本の特集展示のケースがある。いま「竹島問題」の本が並べてあって、コリアンブック担当者の企画とのこと。日本人が1人猛烈に抗議してきたそうだが、日本側の本も並べてあるので、別に目くじらを立てることはない。もちろん私は島根県人であり、この件に関して韓国という国は大大大大嫌いだが、別に韓国の人が嫌いなわけでもないし、韓流ドラマにははまっている。価値観の違う国と付き合わなければならないのはしんどいが、それは仕方がないことであろう。まあ、そのことを分かった上で、品よくあっさりと振舞えばいいだけの話だと考える。

 美味しい料理をいただき、ジェラートまで食ったので、体重がやばい方向へ向かっているかも。Yさんの運転で夜景を見に連れて行ってもらった。まず、クイーン・アンの日本総領事公邸(うわ~、すごい一等地にあるんだ!)の前を通って、この間来たケリー・パークへ。空気が澄んで、幻想的な夜景である。スペースニードルがUFOのよう。こんどは反対側、ウエストシアトルの波打ち際からダウンタウンの建物群を見た。いずれも絵葉書的な構図である。宿舎に戻ったのが22:30.遅くまでお付き合いくださり、恐縮でありました。

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