同僚K教授が「東白庵かりべ」へ行かれたと知り、しばらく行ってないなあと、猛烈に「かりべ」の蕎麦が食いたくなった。で、花札演習を終えて、神楽坂へ向かうことにする。
演習では「サクラ」ということが話題となり、「男はつらいよ」を持ち出したら、今の学生さんは誰ひとりご存じ無い。いささか愕然とする。思えば20年前の映画だから、当然といえば当然か。
「かりべ」に着いたのは昼飯時を少し外したから、店内はとっ散らかっていたけど、すんなりと入れた。まずは燗酒を1本つけていただき、穴子の天せいろをお願いする。つきだしに、ぐいのみに海老の脚揚げを盛ってくださったが、その器に使われている盃が素敵であった。見込みに「風」の字が書いてある。作者は森岡成好という方。「東白庵」の器はみなこの作家さんのものが使われているらしい。
厨房を出入りする苅部さんに会釈される。覚えてもらえたのかなあ? 食べ終わると、お運びのお兄さんが、「店主からです」と水アズキをひと口、供してくださった。、三つ折りに畳んだ短冊と筆ペンを持参していたので、その場で一首捻って揮毫し、勘定の時、「ご主人に渡して」とお兄さんに託した。まあ、こういうのも、スマートなのじゃないかな?
「つきだしの 海老の脚揚げ 盛る盃(はい)の 見込み風文字 おどろかれぬる」有若亡
もちろん、藤原敏行歌のもじりでありますぞよ。
時間を潰しに潰して、編集会議へ。21:00ぴったり、予定通り本日の審議内容すべからくが終了、いとめやすけれ。